漫才 コンビニのクレーマー
二人「はい、どーもー」
ツッコミ「実はさ、俺コンビニのバイト始めたんやけど、最近クレーマーとか話題になってるやん?」
ボケ「ああ、自らを神と名乗り店員たちを地にひれ伏しさせようとする者達ね。」
ツッコミ「……お、おう、間違ってはないけどなんか言い方が物々しいなあ。まあ、そういう訳でやっぱそういうの場面に急に出くわすの恐いやん?だから対応とかの練習させてくれへん?」
ボケ「ええよ。」
ツッコミ「よし、じゃあ、俺がレジやるから――」
ボケ「じゃあ俺はバーコードリーダーやるわ。」
ツッコミ「バ、バーコードリーダァー?」
ボケ「バーコードリーダー。」
ツッコミ「いやいやいや、ちょっと待って……バーコードリーダーやんの?」
ボケ「え、あかんの?」
ツッコミ「あかんていうか、そんなんやられても困るというか……あかん。」
ボケ「え?でもお前レジやるなら俺はセットのバーコードリーダーでも――」
ツッコミ「いや、それはレジ打ちをする店員の略やん!とりあえずクレーマーの練習やからクレーマーの役やってくれや」
ボケ「チッ」
ツッコミ「うわ、舌打ちされた。どんなけバーコードリーダーやりたかってん。で、ええの?練習手伝ってもらって。」
ボケ「ええよ、任セロリ!」
ツッコミ「……なんや今の?なんかさっきの舌打ちよりもムカついたわ。まあ、いいわ頼むで。」
ボケ「ウィーン。(自動ドアの真似)」
ツッコミ「いらっしゃいませー」
ボケ「おいなんやこの店!どうなっとるねん!」
ツッコミ「お客様、どうなさいました?」
ボケ「なんで、トイレのドア開けたら森の中やねん。」
ツッコミ「ほんまにどうなってんねん!異世界迷い込んどるがな。」
ツッコミ「いや、もっと現実的なクレームでお願いするわ、店に対する文句とか。」
ボケ「よし、わかった。任センター!」
ツッコミ「だからなんやねんそれ、つまらんし腹たつなぁ。」
ボケ「ウィーン」
ツッコミ「いらっしゃいませー。」
ボケ「おい、何やこの店!どうなっとるねん!」
ツッコミ「お客様どうなさいましたか?」
ボケ「なんでバーコードリーダーの役やらせてくれへんねん!」
ツッコミ「まだ引っ張るー⁈それ。」
ツッコミ「いや、そういう文句やなくて、コンビニによくあるクレームや、何でここにこれが置いてないねん!とかさ」
ボケ「わかった。」
ツッコミ「ほんまに大丈夫?」
ボケ「任……セロリ!」
ツッコミ「レパートリー!ボケのレパートリーが少ない。」
ボケ「ウィーン。」
ツッコミ「いらっしゃいませー。」
ボケ「おい、何やこの店!」
ツッコミ「お客様どうなさいましたか?」
ボケ「なんでバーコードリーダー置いてへんねん!こうなったら俺がやるしか――」
ツッコミ「まだ言うか!なんや、そのバーコードリーダーへの執着心は……しかも何しれっとバーコードリーダーになろうとしてんねん。もっと、商品関係のクレーム来てくれ。なんでこの商品が置いてないねん!とかさ。」
ボケ「ウィーン、おい、なんやこのコンビニは!」
ツッコミ「お客様どうなさいました?」
ボケ「なんで商品一つも置いてないねん!」
ツッコミ「その文句は妥当!内容が極端すぎる。どうせなら新商品がないとかにしてくれ。」
ボケ「ウィーン、おいなんやこのコンビニは!」
ツッコミ「お客様どうなさいました?」
ボケ「なんで新商品が売ってないんや!」
ツッコミ「すみません。その商品は人気でちょうど切らしておりまして……」
ボケ「はぁ?切らしてるなら他の店まで買いに行けや!今さっき行って来た、向かい側のコンビニで見かけたから――」
ツッコミ「じゃあそっちで買えや!何でわざわざこっち来てんねん。」
ツッコミ「もうええわ、俺がいっぺんクレーマーの手本見せたるわ。」
ボケ「じゃあ俺はバーコード――」
ツッコミ「レジ打ちでお願いします。」
ツッコミ「ウィーン。」
ボケ「いらっしゃいませー」
ツッコミ「おいなんやこの店、なんで新商品置いてないねん!」
ボケ「すみません、そちらの商品は人気商品で只今在庫を切らしておりますので……。」
ツッコミ「はぁ?なんやそれ?舐めとんのか?」
ボケ「本当にすみません」
ツッコミ「何やその気持ちのこもってない謝罪?そんな謝罪で済まされると思ってんの?もっと深く頭下げろや。」
ボケ「本当に……本当に申し訳ございません……ピッ。」
ツッコミ「結局バーコードリーダーしとんのかい、もうええわ。」