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現実がつまらないので異世界に籠る  作者: 夜樹
第一章 もう一つの世界
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異世界にやってきた...?

 目が覚めると、そこは真っ白な空間だった。


「......ここは?」


 辺りを見回しても何もなく、誰もいない


「異世界ってわけじゃないよな」


 と言いつつ考える。

 単純に異世界と言ってもそれは必ず地球のような惑星の、大陸がある訳では無いのかも知れない。つまるところ、このようになにもない空間でも異世界と呼べてしまうのだろう。


「まさか......ここが俺の求めていた異世界ってやつなのか」


「そんな訳ないでしょ」


「うわぁ!!」


「うわぁって何よ、こっちまで驚くじゃない」


「え?」


 誰? 恵? とはまた声が違うし。というか周り見ても誰もいないし。


「まあ驚くのも無理はないか」


 声の主はおそらく女性だろう。ただ俺の聞いたことのある声ではない。


「ここはどこなんだ?君は誰だ?」


「まあまあとりあえず落ち着いて。」


「まずは自己紹介だね。初めまして、私の名前はリース。よろしくね、新庄 快君」


「そんないきなり自己紹介されても......え?」


 リース?どこかで聞いたことがあるような......ってそうだ、あのアプリの注意文に書いてた名前だ。


「俺の名前を知ってるみたいだし、この状況が全く理解できないんだけど。ここは異世界なのか?」


「うーん、異世界と言えばそうだけど、また違うかな。ここは君のいた世界ともう一つの世界の間って言えばいいのかな」


 話を聞いている限り、ここが異世界ってわけじゃ無さそうだ。


「君は何者なんだ?というかどこにいるんだ?」


「ざっくり言うと私は境界の管理人、そしてあのアプリの開発者でもある。姿は訳あって現せないんだ」


「境界の管理人?」


「そう、世界と世界の間、つまりここの管理人ってわけ」


「じゃあこの空間はなに?」


「今言った通り世界の境界。君もいきなり知らない世界に飛ばされたら戸惑っちゃうでしょ?だからここを通すわけ」


 なるほど、確かにいきなり飛ばされたら困るかも。


「君についてと、この場所のことはわかった。でもどうやって俺はここに来たんだ?君が作ったあのアプリが関係しているのか?」


「順番に説明するよ。まず君は日頃から生活に飽きた、異世界に行きたいと言っていたね。だから私は君の願いを叶えるべく君のスマホにアプリを送った」


「そして君は自分の願いを実現するべく、あのアプリを起動した」


「ちょっとまってくれ」


 俺はリースの話を止めて、気になった疑問を問う。


「なんで俺だったんだ?俺みたいに異世界に憧れる人は他にも沢山いるだろ?」


「君は色々条件をクリアしていたんだよ。そして私にとって都合が良かった。詳しくは言えないけどそういうこと」


 すごく気になったが問い詰めてもおそらく答えてくれないだろうから諦める。


「話を続けるよ」


「君はあのアプリを開きYESのボタンを押した」


 そうだ、その後意識がなくなって気がついたらここに......


「あのボタンを押したらここに来たってどんな原理でこうなるんだよ」


「それは......能力(チカラ)だよ」


「......え?」


「驚くことは無いよ、これから君が行く世界では当たり前なんだから。私の能力《World Activator》で君をここへ連れてきたんだ」


 能力なんてあるのか、さすが異世界。


「そして君は私の能力でここにきて、今に至るというわけ。わかった?」


「まあ、なんとなくは」


「おっけー。じゃあ次は今から君が行く世界について説明するね」


「まって、その前に一つ聞きたいんだけど」


 俺はまず先に確認しておかなければならないことがある。


「今から俺は別の世界に行けるみたいだけど、現実......俺が元居た世界には帰れるのか?」


「そのへんは心配ないよ、ちゃんと元居た世界に帰れる。ただしちょっと条件がいるけど」


「その条件って?」


「そんなに複雑なものじゃないよ、帰るにはある場所へ行かないと帰れない。つまりどこからでも帰れるというわけじゃないんだ」


「なるほど、その場所とは?」


「君が向こうの世界で目覚めるとき、近くに大きな樹があるんだ。その木の下に帰還用のゲートがある」


「帰れるのはそこからだけ?」


「そうだね。だから遠くに行ったりすると帰るのが大変になるね」


 ちょっと不便かもしれないが仕方ないか。まあ実際どんなところなのか行ってみないとわからないし。


「わかった。じゃあ向こうの世界について説明してくれ」


「さっき言った通り、君が行く世界にはさまざまな能力がある。中には能力を持っていない人もいるけど、君は何かしらの能力があるだろうね」


「おお!それってどんな能力?」


「まだわからないよ。君自身で向こうの世界に行って確認してね」


「早く知りたいけど、わからないのなら仕方ないか」


「あとは......」


 この後も俺はリースに向こうの世界について色々説明を受けた。



 *    *    *



「まあざっとこんな感じかな。あとは自分自身で体験してね」


「おう」


「じゃあそろそろ行こうか...っとその前に一つ言い忘れてた」


「なに?」


「君が元の世界にいる間は向こうの世界の時は止まり、君が向こうの世界に間は元居た世界の時が止まる」


「つまり自分がいる世界のもう片方の世界は時間が止まるってこと?」


「そういうこと」


「ずいぶんと都合のいい話だな」


「これもある種の能力ですよ」


「そういうものなのか」


 なんでもアリだな能力って


「これで一応説明は終わりだよ。それじゃ、今度こそ行こうか」


「ついにか......」


 本当に異世界に行くことができるなんて未だに信じられないが、おそらく夢じゃないし現実だろう。

 確認で自分の頬をつねってみたが普通に痛い。


「転送したら多分私とはしばらく会えないだろうけど、楽しんできてね!」


「おう!」


「じゃあいくよ......」









「『ワールド・アクティベート』」


 


リースがそう言った瞬間辺りはいっそう輝きを増し......




俺は再び意識を失った




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