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現実がつまらないので異世界に籠る  作者: 夜樹
第一章 もう一つの世界
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プロローグ

 梅雨が明け、本格的な夏が始まろうとしているこの時期。

時刻は午後4時過ぎ。学校では授業を終え下校する者、部活に励む者、校舎内で友達と会話を楽しむ者など皆いつも通りの学校生活を送っている。


そんな中、ある教室に1人の男がいた。


「異世界とかあったら行ってみたいな」


 放課後の夕日が差し掛かった教室で俺、新庄 快(しんじょう かい)は呟いていた。

 突然だがハッキリ言おう......俺は今のこの生活が嫌だ。

 別にクラスのやつにいじめられてるとか、親から虐待を受けているとかそんなんじゃない。クラスのやつとはそれなりに楽しくやってるし親なんてむしろ愛されすぎてる位だ。

 じゃあなにかって? 普通過ぎるんだ。普通に起きてご飯食べて、学校行って帰って寝る。要はこのありきたりな日常に飽きたんだろう。

 多分俺は中二病だと思う、なにか刺激が欲しいのだ。


「異世界とかあるわけないじゃない」

「わあっ!!」

「わあってなによ、驚きすぎでしょ」

「なんで恵がここにいるんだよ」

「なんでって......快がいつまで待っても出てこないから探してたの!なにしてたのよ」

「え?まあちょっと考え事を......」


 そう言って時計を見るとすでに下校時刻から30分も経っていた。


「30分も人を待たせといてねえ、一言くらいLINEかなんかで言ってくれればよかったのに」

「ごめんごめん、気を付けるよ」


 彼女の名前は日野 恵(ひの めぐみ)、俺の幼馴染だ。家が隣同士ってのもあっていつも登下校は一緒にしている。クラスが別なので帰りは校門前を待ち合わせ場所にしているんだが、待たせてしまっていたようだ。

 先に帰らずに待ってくれていたのは恵の優しさだろうし、そういうところもあってか結構男子に人気があるらしい。それにわりと可愛い。


「まあいいわ、さっさと帰るよ」

「お、おう」



 *    *    *



「で、異世界に行きたいんだ。」


 帰り道、突然恵がそう言った。


「だってさ、普通過ぎるんだよな。もっとこう、刺激が欲しいというか。それに異世界とか楽しそうじゃん、能力とかあってさ!」

「まあその中二病思考は置いといて、私も異世界とかちょっとは気になるかな」


恵にしては意外な発言だった。てっきり馬鹿にされると思っていたのでちょっと驚いた。


「へぇ、恵も異世界に行ってみたいって思うんだ」

「んー、行きたいってのとはまた別かな。そもそもそんなのないと思うし、仮にあったとしてもそこにはこことは全く違う世界があるって思うとちょっと怖いし」

「怖いって?」

「まあ想像の話なんだけど、たぶん異世界って文化とかもまったく違うだろうし、もし現実世界(こっち)帰れないとかなったらそりゃ怖いでしょ」

「へえ、恵もそんなこと考えたりするんだ」

「別にいいでしょ!アニメとか見てるとやっぱり考えちゃうじゃない」


 ちなみに恵もアニオタっていうほどじゃないけどそれなりにアニメ好きだ。というのも俺がすすめたのだが。


「でも恵が言うように異世界(あっち)から帰れなくなったら大変だな」

「快のことだから、帰れたとしても逆に帰らないんじゃない?」

「それは向こうがどんな世界かにもよるな」

「それもあるね」


 こうして二人で異世界の話をしながら帰った。



 *    *    *



「さっぱりしたー」


 帰ってから夜ご飯食べてお風呂から上がった俺は自分の部屋でくつろぐことにした。

 自分の部屋に来てマンガでも読もうとしたその時、スマホが鳴った。どうやら何かの通知音みたいだ。

 スマホのロックを解除し確認する。


「え......?」


 一瞬目を疑った。しかしそれはなんの見間違いでもなく......スマホの画面にはこう書かれていた



 World Activator

 別世界への転送準備が完了しました。



「なんだこれ......」


 World Activatorなんてアプリ入れた覚えないし、そもそも別世界への転送って......

 もしかして、これ異世界行ける?

 おそるおそる通知を開く、するとアプリが起動しスマホの画面が真っ白になった。そして二つのボタンと注意文のようなものが出てきた。



 別世界へ転移しますか?

 ※転移後、こちらへ帰ってくることも可能です。詳しくはリースまで

  YES ・ NO



 リースというのがよくわからないがどうやら帰ってくることはできるらしい。というかこれ本当に転移できるのか?新手の詐欺アプリじゃないじゃないだろうな。


「まあ試してみる価値はあるか」


 詐欺アプリかもしれないがこんなものを見せられて反応しないやつがいないわけがない。

 一応言い訳を考えてからもう一度画面を凝視する


「......よし、いくぞ」


 俺はYESをタップした。

 刹那、スマホが眩しく発光し視界が白く染まり......

 俺の意識は途切れた。







はじめまして、夜樹です。今回はじめてお話を書かせていただきました。誤字脱字等あって読みにくいかもしれませんが、よろしくお願いします。不定期更新ですが気ままに書いていきます。

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