表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

スモーキング

作者: ログ

特になし、只の思いつきであります。

煙草、それはヒトを惑わせてやまない異物。

それは時にヒトを狂わせ歪ませる・・・と。

私は喫煙室で煙草を灰皿に押し付けながらスマホにそう打った。

私は町の片隅で小さな煙草屋を営んでいたものだが、それは既に過去の話。今は只の職無しの老害さ。

苦い思い出を思いだし、ケースから一本出して、火を付ける。

灰色の煙がくねり立ち、慣れた刺激臭を放つ。

それを口に運び、煙を吸い込む。

フゥーッ・・・。薄くなった煙が口から放たれる。

・・・私の店は、妻が居なくなってからどんどんと売上が落ち、やがて客がほとんど居なくなり、店はなくなってしまった。

(惜しい女をなくしたよ・・。自慢の妻だったのになぁ、もう一度会いてぇもんだ)

私は再び煙を肺に吸入させた。酷く心地の悪い快感が頭を侵食する。

職柄これとは切っても切り離せんが、何度吸ってもこの感覚だけは、ダメだ。

蝦蟇のように口を開け、煙を気に逃してやる。

立ち上って行く煙の色が目に染みるなあ、今日は。

ブルルる・・手にした端末が振動をする。

画面を見ると、無機質な文字がディスプレーに写っている。

メール 1通 題名 今度の日曜

ロックを開け、メールを見る。

・・・どうやら旧友からの物らしい。

“今度の日曜 時間があったら 私の家に来てくれ

煙草の品定めをして欲しいからね 待ってるよ”

返信として了解、と打つ。

やっと予定が入った、暇だったんだ。

私は二本目の煙草を消し、ポケットに仕舞って外へ出た。

ドアを開けるとゆらりと煙が揺れ、外に出ようとする。

(お前さんたちはここにいるんだ、外に出ちゃあいけないよ。)

念じてドアを閉めた。

さて、行こうか。

湿った靴を鳴らしながら私は歩み始めた



如何でしたでしょうか?

私めは煙草を吸いませんが、あの。

ゆらりゆぅらりと揺れる煙は良いと思いますね。

では、また何処かで

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ