美人な姫様がオレの嫁(候補)に成ったらしい・・・。
ある日の地球・日本のとある場所。
日本の最新鋭の物理技術を使い転送装置のテストを行おうとしていた。
同じころ、最高峰の魔法と言う技術で惑星クラーチス・バイハルト帝国は転送魔法のテストをしようとしていた。
奇しくも、全く同じタイミングでこの二つのテストは行われ二つの惑星は繋がった・・・。
「どうしてこうなった・・・。」
その日の第111第日本内閣総理大臣・灰澤 圭は呻いた。
魔法と言うモノが存在し物理知識が無い為に多くの鉱石資源・燃料資源が豊富にあるが、繋がった国家は強権支配を是とする帝国主義であった。
「どうしてこうなった・・・。」
また第4代バイハルト帝国皇帝・グリーニスト・ルーク・フォルスト・バイハルトも呻いていた。
物理が発達して魔法に関する知識が無い為に魔力資源が豊富にあるのだが、繋がった国家が文化的に科学技術的に発達し過ぎていた・・・。
「どうしてこうなった・・・。」
そして、3年後この二人と同じように呻いている中二がいた・・・。
「コウスケが私の許嫁になったからじゃ!」
端的に言うと目の前の美女姫の言うとおりであるが、二つの世界が繋がった3年間に集約している。
一年目・一言で言うと混乱であった。
ありえない世界同士の接触に互いの世界はどうしていいのか混乱した。
次に起きたのはパンデミック(世界的な感染の流行病)それも双方の世界で起き、日本では医学でバイハルト帝国は治癒魔法で乗り切ったが、他の国々では後手になり多くに死者をだした。
二年目・パンデミックが沈静化したごろ、バイハルト帝国は日本及び地球世界に宣戦を布告をした。
それも一方的な侵略による一方的な声明であった。
後に内陸型星間戦争と言われるが、一部の地球人から一年戦争と言われる。
日本政府はパンデミック中でもバイハルト帝国や魔法研究を進めており、魔導器と言うモノを確立していた。
その為、日本政府はバイハルト帝国でも日本研究や科学技術研究をして喧嘩を売って来たと思っていた。
然るに、日本政府は有事法を発動して反撃を開始、一週間で日本の失地を回復(後の一週間動乱)その三か月後には帝都を除く主要都市の制圧
その二か月後には帝国を降伏させた。
それから四か月後に日本・バイハルト帝国の間で和平講和条約の締結された。
この日本の快進撃には日本を除く各国の度肝を抜いた。
‘日本を怒らせるな、友人にすべし’
世界大戦で戦った事が有る欧米各国で密かに言われている暗黙の法則を正に実証した形になった。
日本曰く「弱すぎwww」と言ったが、日清戦争の時のアジアで唯一の国軍を造り上げ貴族軍(もしくは派閥軍)しか居なかった清に言った言葉と同じになったのだ。
恐慌状態なった一部の国がいたが、国連でも認められた。(と言うか最早国連も日本の財布が無いと動けなくなっていた)
さて、本題に戻すと中二のコウスケ君と美女姫が許嫁になったのは、日・バイハルト和平講和条約(通称・江の島条約)で当時の内閣総理大臣・灰澤 圭の甥御・西郷 康介とバイハルト帝国皇帝・グリーニスト・ルーク・フォルスト・バイハルトの愛娘(一人娘)の婚約が最終項目で追加されたのであった。
講和会議の最終日に、帝国側から目に見えた形で講和されたことを示さなければならないと言う意見が出た。
日本側としては、声明さえ出たら良いので気にしていなかったが、帝国側からしたら自分の世界の他国への示しのためにも行いたいと言う事だった。
日本側から具体的に聞いてみたら、日本の統治者とバイハルト帝国皇帝を姻戚関係にするのが一番いいと言って来たのだ。
後にバイハルト帝国交渉代表者バクニット・ルーク・ケルミルト公爵はこの時の事を
‘日本側交渉に当たっていた代表者全員の目が変わり生きた心地がしなかった。’
と語っていた。
バイハルト帝国の交渉団は混乱した。
やばい、やばすぎると!
彼らは知らない間に二度目の逆鱗を触れたことを理解した。(一度目は日本国民を殺したことで起こった戦争である事を理解しているからだ)
日本交渉代表者・飯塚 亘 は、日本の統治者=天皇陛下であり、二千年以上も続いている統治者である。たかが数十年しか栄えていない国家の当主の血など要らぬ!
的な事を遠まわしに説明した。
バイハルト帝国的に言ったら、内閣総理大臣の灰澤 圭がトップかと思ったら違って出ござる、それもいろんな意味で並では無かったでござる・・・。
ケルミルト公爵は直ちにバイハルト帝国側の真意(と言うか勘違い)を詳細に説明を行った。
すると、日本側も理解して矛を収めた。(過去に同じことが多々あった為、理解した。)
しかし、灰澤氏のお子さんは女性しかいない、居ると言ったら甥御の(当時中一の)西郷 康介しかいなかった。
その事を伝えると、バイハルト帝国側は速攻で同意した。
日本側は、え?イイの?的になったが、年の差婚は日本ではザラなので、まぁいいかと言う事になった。
この時のバイハルト帝国の交渉団は通常の精神状態ではなかったのだ・・・。
江の島条約が締結され、内閣総理大臣・灰澤 圭本人からの締結に至った記者会見を行った。
条約の最後の一文を聞いて飲んでいた牛乳を気管支に入って鼻から牛乳を出すと言うちょっぴり痛い経験をする羽目になったのは西郷 康介少年であった。
「聞いてないぞ!われー!!」
マスコミの質問タイムも関係なしで叔父に電話する甥っ子、平然と電話にとっる叔父、見守る全世界
「かなり美人の21歳、8歳の年の差婚だ。やったね!」
後に言われる、やったね!記者会見であった。
後日、当人たちとのお披露目になった。
この時になって、8歳の年の差をしり、ケルミルト公爵を含むバイハルト帝国側交渉団は騒然としバイハルト帝国皇帝・グリーニスト・ルーク・フォルスト・バイハルトの目は笑っていなかった。
だが、政略結婚で年の差婚はザラであったバイハルト帝国であった為、意外とあっさり受けられた。
「成人(二十歳)になるまで籍入らない(結婚しない)からな!!」
バイハルト帝国の人たちは初めは‘?’であったが、日本の法律上の結婚を説明すると、皇帝が切れた。
「粋がるなよ!餓鬼が!!」
「うるせー!キレるだったら御宅の交渉団にしろよな!」
まさに正論であった・・・。
「むぅ!さすが我が夫じゃ!我が父にここまで言い張るとは!!」
姫様に、いたく気に入られた・・・。
この模様は全世界に生中継で報道されており、西郷 康介少年の逃げ所はもはやどこにもなかったのだ・・・。
そしてこの日、日本・バイハルト帝国の平等交易条約が締結され、武力による戦争が終わり経済戦争と言う戦いが始まるのであった・・・。
「どうしてこうなった・・・。」
この日も斜め上に行く許嫁の姫様に振り回されながら西郷 康介少年の日常が始まるのであった・・・。