第二の人生でも無茶ブリします
……昨日久々に見たらブクマが3桁になっていてガクブルしたんですが、
また改めて見てみたら100人位一気に増えてました。
本気で驚きました。
本当にありがとうございます。
次の日。早速オレとカールは特訓を始める事にした。
いかにオレが膨大な魔力を持ち、卓越した魔法の才能があるといえど、そこは七歳児。何に対しても責任の取れない年齢だ。
そこで特訓する場にはダニエラとバッベルが同席した。
とはいっても少し離れて見守っている。
何かあっても対処するけど、もし取りこぼしてそっちに行ったらダニエラをよろしくお願いしますバッベルさん。
まぁ、ダニエラには体術の心得もあるし、ダニエラに持たせている耐万物(魔法でも毒でも衝撃波でも何でも)のお守りは強力だけどね。
と、特訓を始める前に決めることがある。
「ところでさ、自己啓発方式と熱血指導方式と魔王方式のどれがいい?」
自己啓発方式は、『考えるな、感じるんだ』で、ひたすら自らの奥底と対面し、魔力を引き出す方法。
熱血指導方式は、魔力が感情の高ぶりに左右されるんで、煽って煽って魔力を引き出す方法。
魔王方式は、オレが魔力を全開放(といっても実際はいいとこ三割)して攻撃を繰り出して命の危機に陥らせ、危機感から魔力を引き出す方法。
説明したら魔王方式の件でガクブルしてたんで却下。
そもそもする気も無かったけど。
こんな派手な方法を採ったらカールが秘密の特訓してるってバレるし、オレが怒られる。
学校内で無闇に生徒を怯えさせるような魔力や魔法を使うなって、入学時に釘を刺されてんだよね。
どうもオレは信管の無い爆弾みたいな扱いされてるみたいです。
ちゃんと制御できてるっての。
とはいえオレの魔力の四割でも常人にとっては脅威らしく、仕方ないかと思ってもいる。
屋敷でのオレに対する緩やかな疎外は、見た目が誰とも似ていない、が五割、母上様達の長年の育児放棄が二割、残り三割がオレの持つ魔力だ。
………うん。面倒臭いな。そしてろくでもないなあの家
今は兄貴とクリス(妹)がいるから大人しくしてるけど、成長してクリスがどっかに嫁いだのを見送ったら諸国放浪の旅に出ようかな。
兄貴?その頃には当主としてそれなりになってるんじゃないの?
あんな家が没落しようがどうしようがどうでもいい。
あんまりな言い方だろうが、仲が良いとはいっても、一方通行気味の兄弟愛だ。
兄貴の事は嫌いではないが、それ程好きでもない。
何と言うか、肌に合わない、というかしっくりこない、って感じだ。
…それに、『没落しようがどうでもいい』、というのは反りが合わなくて、お家大事の父親が後生大事にしている『家』だから、というやさぐれた気持ちもある。
オレも大概ガキだね。
まぁ、それはともかく、諸国を放浪するとなると、色々と困った事もあるだろうし、時には他国の人間だからと面倒な事にもなるだろう。
そうなると各地に頼りになる知人が欲しいな。
ま、他国の知人より先に同じ学校の友人を作らないとだけどな。
入学してもう半月経つのに友達が誰一人いないよ。
それというのも、〝魔法学校〟というだけあって皆が力を入れ、誼を結ぶ相手を見定めるのが魔法の授業なんだよ。
だから授業に出ていないオレはガン無視だよ。
…本気で怨むぜ学校側。形だけでも授業に参加させろよ。起こりもしない問題を恐れて原因を弾いて安心してんじゃねぇよ。
…と、考えている内に我ながら黒い笑顔になっていた。表情が変わらないはずなのに滲み出ていたらしく、カールが震え上がっている。
悪い悪い。あんまりお前が悩んでて暇だったからさ。
これ以上こんなオーラにあてられたくないなら、さっさとどれにするか選びな。




