第二の人生も次の段階へ
ここで一度区切りになります。
産後一月経って母上様と妹の体調も安定したとのことで、ついに妹と引き合わされました。
兄貴共々ワクワクドキドキしながら母上様の寝室へ行き、傍らのベビーベッドを覗き込む。
生まれてきた妹は金髪に青目でした。
え?兄貴にそっくりだから更にオレの疎外感が深まるって?
馬っ鹿。可愛いは正義だろ?
金髪碧眼って熟語になるくらい似合ってんだぜ?そら喜ばないと。
兄貴と一緒になって手放しで喜ぶオレに母上様や周りのメイドは酷く驚いた顔をしたが、多分妹に複雑な感情を抱くようになるのは兄貴の方だっての
それから兄貴は案の定、両親の愛情を一身に受ける妹に焼き餅を焼いたみたいで、そっぽを向いた。そのせいか妹は可愛がるオレによく懐いた。
でも兄貴も妹の可愛さに絆されてか、長男の自覚からかじきに可愛がるようになった。
それからも妹を可愛がり、ダニエラに面倒を看られ、時に叔父貴に外に連れ出されたりして日々を過ごした。
たまに一定の期間祖父さんの屋敷に預けられたりもした。
一回だけ兄貴も連れてったんだが、祖父さんに怯え切ってもう二度と行きたくないと。
祖父さん凹んでたね。
大体オレみたいな扱いだと兄貴は泣くっての。
子供を子供扱いしない祖父さんと、子供らしからぬオレ。
そんな二人だからこそ上手く噛み合ったんだ。
まぁ、オレとしては心配性で慎重派の兄貴に余計な口出しされずに祖父さんの鍛錬や教育を受けられたんで良かったけど。
二年後に兄貴が小学校(全寮制)に行ってからは母上様はオレと妹で寂しさを紛らわし、親父も今更のようにオレに目をかけた。
どうも〝男子〟ってのがいいみたいだ。
妹と比べると、だから長期休暇で兄貴が帰ってきたらまたそっちに目が行くけど。
そうして時は過ぎ、ついにオレも七歳。もう小学校に入学する年だ。
こうしてオレの幼少期は終わりを告げた。




