ミステリと推理小説の違いとは
ロックとハードロックの違いみたいなもんです。
ミステリという広いジャンルの中に、推理小説というジャンルがあるんですね。
で、ここも定義が別にはっきりとはしていません。
作者の認識とはしては、ミステリというジャンルのど真ん中に推理小説=本格=探偵小説というジャンルが存在する、という感じです。色々と呼び名は変わるけど、本格と推理小説とかは大体同じ意味だと思っています。
だもんで、ここからは推理小説に統一です。
んでんで、推理小説の定義とは何か? 謎が存在して、その謎が解かれる話なのは同じです。
ただし、「物語の中で謎が解ける前に、読者が真相を推理可能である」場合、それは推理小説となるのです。
実際には、ミステリと言われたらこの推理小説を思い浮かべる人が多いんじゃないでしょうか。だから、ミステリというジャンルのど真ん中が推理小説です。
え? じゃあ、例えばあるキャラの過去が謎で、でも何となくその過去が予想できる場合は推理小説?
んなわきゃありませんね。
より細かく定義するなら、次のようになります。
推理小説とは、「謎が存在し、その謎が解かれる話」の中で、「物語の中で謎が解ける前に、読者が『フェアかつ論理的に』真相を推理可能である」ものを言う。
ちなみに、「物語の中で謎が解ける前に」とありますが、実際には探偵役が存在するなら「探偵役が真相にたどり着いたまでの時点」で推理可能、読者への挑戦がある場合は「読者への挑戦までの時点」で推理可能だと思います。
ふーん、で、フェアかつ論理的に真相を推理可能って、要するにどういうこと?
となるのですが、これが非常に難しい。無間地獄です。
推理小説におけるフェアという概念、論理的という概念が、ものすごい曖昧かつ微妙なのです。そして、そこを突き詰めることは推理のパートだけでなく謎やトリックについても影響を及ぼすことになるのです。
なので、推理小説編では、主にここの「フェア」で「論理的」な推理を書くにはどうすればいいかを具体的にまとめていこうと思います。




