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基本に戻り、焦点をずらし直す(ずらす「距離」を長くする)

まずはこれですね。これがどういうことかというと、そもそもの話、謎からトリックがバレバレになることはないはず……なんです。どうしてかというと「謎の焦点をずらしている」からですね。

ところが、それで謎・トリックのセットがありきたり=トリックがバレバレ、となっているのなら、焦点がずらしきれていない可能性があります。より詳しく言うと、焦点をずらしているのに、その「ずらし方」自体がありきたり、もしくはあからさま、といった可能性があるということです。


であるなら、ずらし方を変える――抽象的な言い方になってしまいますが、もっとずらす、つまり謎の焦点とトリックをずらす距離を長くすることでありきたりなものでなくす、というのが正攻法なわけです。


さて、その場合、以下の二通りが考えられますが、どちらにもデメリットがあります。





①トリックの方をずらす


物語と魅力的な謎を考えたがトリックがありきたり。だったら、別のトリックにしてやればいい。謎のもっと前提部分からひっくり返すようなトリックを考えてやれば、問題はないはずです。

注意事項としては、使われたのは「ありきたりな方のトリック」ではないということを作中で強調しつつ、これを行わなければ効果がないので、必ず忘れずその作業をする、ということでしょうか。それをしないと、せっかく別のトリックを考えても謎がありきたりなままとなってしまうからです。


 例1. 人が密室で殺された謎 ⇒ 

     機械的トリックで窓を開けたんじゃあないかと思われてしまうから、ありきたりだ ⇒

     人の認知の隙を突くトリックを考えたぞ。これでありきたりなんて思われない ⇒

     事件まで読んだ読者「機械的トリックで窓開けたんだろ。ありきたりだな」


こうなってしまいますね。もちろん、解決までいけば(そこまで読んでくれるかどうかがまずハードルですが)そのありきたりなトリックでなかったことは分かるのですが、そこに至るまでの間は読者にとってはトリックが予想できるので「ありきたりな謎」になってしまうんですな。実は違った、からといって取り戻せるものではありません。謎を知って不思議がってくれる機会を奪っているわけですから。


そこにさえ注意すれば、これはありきたりな謎・トリックをありきたりではなくすための最善の方法と言えます。これができればベストです。


デメリットとしては、現実的にはこれができない可能性が高い、ってことです。

そもそも、この章(中級者になるために)では、前提としてうまく謎・トリックが思いつかない(ネタがない)状態なのです。

その状態で、とにかく何も考えず謎をつくって、そこからその謎を成立させるために何とか四苦八苦してトリックを作った……という前提なのですから、「別のもっと捻ったトリックにしよう」とぱっと新しいトリックを思いつくならそもそも苦労はしないです。


できれば一番いいけど、ハードル高いよ……というのが①です。




②謎の方をずらす


トリックは新しいのを考え付かない。なら、そのトリックから出来上がる謎をもっとずらしてやろう……というのが②です。

これもなかなかハードルが高いですが、トリックでできる現象から「間接的」に起こることを謎の焦点にしてやるという方法を使えば、比較的簡単にずらすことが可能です。


 例1.絵が動く謎……トリックは何か光の当たり具合で変わる塗料の絵とすりかえてた(かなり雑ですが) ⇒ ありきたり

    その屋敷の絵が全て釘付けにされている謎……屋敷の主人が夜な夜な動く絵を見て怯えたため……トリックは同じ


こんな感じです。ちょっと「日常の謎」形式にも同じような構造のやつありますけど、とにかくトリックから間接的に派生して派生した結果を謎にしてやるってことですね。


デメリットとしては、それによって「とにかく不思議なやつを」と魅力的な謎を考えたのに、謎を変化させることによってクオリティーがダウンする可能性があるということです。

そして、そもそもの話として、謎と物語をがっちりかみ合わせていた場合、謎を変えてしまうと物語自体も変更させなければならないので、それが可能かも考えなければいけません。


やろうと思えばできるけど、それによってうまくいかなくなったりクオリティーが下がったりしないかちゃんとチェックしないといけないよ……というのが②です。




このどっちも難しいのならば、「謎の焦点を更にずらす」という正攻法以外の方法を使うしかないということで、次の方法へ行きます。

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