ありきたりなトリック・謎をありきたりではないものにする方法
半年以上ぶりです。
ミステリ小説復帰して、全然アイデアがゼロの状態からとにかくリハビリも兼ねてミステリ書いてみました。
「ファンタジーにおける名探偵の必要性」の「霧に浮かぶ塔」という話です。読んでいただいた方、読者への挑戦に参加いただいた方には改めて厚くお礼申し上げます。
さて、そうやって四苦八苦して書いた結果、いくつか掴んだことがあるので、それをここで整理、文章化して残しておこうと思います。まさに、中級者=安定してミステリを書き続けようとして掴んだことですので、この章のコンセプトにもぴったりかな、と。
この章で最初に提案したことは、以下の条件さえはっきりすればミステリを書き続けられるのでは、ということでした。細かい言い方は違いますけど、以下の三つです。
①トリック=謎をばんばん安定的に作り出す方法
②トリック=謎が前のものと被らなくなる方法
③トリック=謎と物語を連動させる方法
こんな感じです。
で、今までの話を総合して超簡単にすると、「まず最初にとにかく物語と謎を考えておいて、何とかその謎が解けるトリックをつくるという順序で行うことにで①と③をクリア。その謎やトリックが前のものと被りそうな時は、それが前のものと違うというのを作中で強調、そっちの方向には絶対に行かないように道をふさいでしまうことで②をクリア」というものでした。
もちろん、謎からトリックを作る際には「謎の焦点をずらす」テクニックを使用するわけですね。
さて、じゃあ実際にこの流れで作るようにすれば安定的にミステリが作れるかというと、そうではありません。実際に書いてみて分かったのですが、これでは超つまらないミステリになる可能性があるからです。
どうしてなのか、というと、上のことをした結果、トリックがありきたりになる可能性があるためです。
「嘘つき! 謎さえ魅力的ならOKみたいなことを言ってなかったか!?」と思われるかもしれませんが、よくよく考えてみればトリックと謎はセットなわけです。
とはいうもののもちろん、種明かしされてみたら単純なトリックでした、というのは全然悪いことではありません。そうではなくて、トリックがありきたり……つまり、バレバレだと謎の方も魅力的でも何でもなくなる、ということです。
例1 同じ人が同時に二か所に存在した。ただし、人形を使ったのがバレバレ……
この例を考えてみると、同じ人が同時に二か所に存在した、というのは不可能でもあり不可解でもあるのでなかなか魅力的な謎です。超不思議ですね。そして、そのトリックが片方人形というのでも、別に全然悪くはないと思います。
問題は、それが人形を使ったというトリックなのがバレバレな場合ですね。
その途端、トリックは不思議でも何でもなくなってしまう=魅力的でなくなる。
つまり、当たり前と言えば当たり前なのですが、魅力的な謎とは「トリックが分からない」謎だということです。いくら不思議なことを考え出したとしても、トリックが分かれば不思議じゃないですからね。さっきから当然のことを言っていますが。
とにかく、「使ったトリックをばれないようにする」ための手順がこれまでの話には欠けていたのではないかと感じたわけです。
んなこと考えなくても、斬新なトリックならそうそうバレないだろ。そう思われるかもしれませんが、そもそもが「アイデアが枯れて斬新なトリックのネタなどない」状態から無理矢理にネタを絞り出すための章なので、そんなことを言っているわけにもいきません。
面白そうな物語と謎を考え出し、謎からトリックを絞り出した。けれど、どうもそのトリックがありきたりでバレそう……そんな時にどうすればいいのか。それこそが、欠けていたステップなのです。
そして、これには以下の方法が考えれます。
優先順位で上から並べます(上からやっていって、ダメなら下へいく。全部やっちゃってもOK)
・基本に戻り、焦点をずらし直す(ずらす「距離」を長くする)
・前提でさらりとそのトリックを否定
・作中で意図的に作中人物を誘導=読者を誘導
これらの方法は、一つ一つがなかなか長くなると思いますので、次回以降個別具体的に書いていきます。




