情報の組み合わせ
ヒント、伏線の出し方について。
組み合わせで推理できる伏線というのは効果的ですね。
例1.「太郎は嫌いな食べ物が給食に出た時に、机の中に隠す癖がある」という情報を序盤に出しておいて、
それからしばらくして「太郎はチーズが嫌い」
そして、さりげなく「昨日の給食はチーズオムレツが出た」という情報が出てくる。
➡︎チーズオムレツを直接机の中に入れたら汚れるから、太郎は給食のメニューが分かってからチーズオムレツが出てくるまでの間に、何らかの容器を手に入れたはず!
➡︎あのビニール袋は太郎がそのために備品室からくすねたものだ!
➡︎備品室は密室ではなかった。
みたいな。推理で辿り着くとちょうど気持ちいいくらいの難易度で配置できれば最高ですね。
さて、思うに、組み合わせで留意すべき点として、以下の三点があると思います。
①組み合わせる情報のうち一つは、人の習慣、経歴、歴史といったものにする
➡︎ちょっとしたエピソードとしてヒント、伏線の匂いをさせずに入れることができる。
②組合わせることによって確定的な答えが出るよりも、推測によって延長線上に答えが浮かび上がるようにした方がよい。
例2.「太郎は猫アレルギー」と「帰り道に猫が沢山いる」という情報の組み合わせから、太郎が回り道をした、という組み合わせは確定的すぎる。
これは、かなり感覚的なものになるんですけど、あまりにも確定的な組み合わせは、パズルのピースがきっちりとはまるようにしてしまうため、目立ってしまう気がします。
つまり、「ああ、この情報とこの情報を組合わせるのね」と気付かれ易いというか。
二つの情報を組み合わせたら、確実とは言えないがそう推測できる、くらいがちょうどいいんじゃないでしょうか?
②組合わせる情報の数は多い方がいい、が多くすればするほど説得力の維持が難しい。
二つよりも三つ、三つよりも四つの情報を組み合わせて推測しないと出てこない推測の方が、当然ながら読者は気付きにくいのでいいです。
ただ問題は、基本的に確定的でない推測ですので、仮定の上に仮定をどんどん積み重ねていく形になりますので、多ければ多いほどこじつけっぽくなっていくので注意が必要です。読者から見て説得力があるかないか、作者から判断するのは凄い難しいんですけどね。
④ある情報の対象のうちに、ある情報の対象が含まれる形が基本形となる。
「太郎はAが好き」という情報と組合わせるのは「Aが〇〇だ」という情報ではなく「Bが〇〇だ」という情報で、よく考えれば「BはAに含まれる」という構成が基本形だと思います。当然ですね。AとAじゃあばれやすいですから。
例1で言うと、「チーズオムレツが嫌いな食べ物に含まれる」という形です。例2は猫で同一なので、そういう意味でも駄目ですね。
伏線、ヒントの出し方としては真っ直ぐに出すよりも、こうやって組み合わせで出すべきですね。今更気づきました。




