執筆という名の地獄
さて、実際に執筆をしよう、という流れになります。
といっても、さっきそこそこ具体的なプロットを組んだんだから、そのプロット通りに書いていけばいいです。ミステリ、推理小説ならではの注意するポイントはそこまでないです。プロットさえちゃんと組んでおけば。
なので、ここでは細々とした注意点を挙げておきます。
1.つまらないので心が折れないようにする
小説を書いたことがある人なら何となくわかると思いますが、やっている時の面白さは完全にプロット>執筆です。天と地ほどの差です。
プロットの調整やトライアンドエラーであんなにつらいと思っていたのが天国になるようにつらく、面倒な作業のようになってしまうかもしれません。
それでも頑張って、プロット通りに書くだけでなく、ちゃんと「小説」になっているかどうか意識をしてください。心を折らずに。
結構細かい言葉選びや表現方法で「小説」としてのクオリティは上下します。プロットをしっかり組んだから謎とトリックについては大丈夫だろう、と安心しないで、小説としてのクオリティを最大限あげられるよう頑張ってください。
2.極力プロットから崩さない
小説として、物語として魅力的にしようとすればするほど、最初のプロットからキャラや物語が脱線していく傾向があると思います。
いわゆるキャラが勝手に動くってやつです。
が、他のジャンルならともかく、ミステリや推理小説においては極力プロットを崩さないようにするべきです。プロットから外れていきそうになったら、必死で物語としての勢いを殺さないまま制御していきましょう。ちょっとでもどこかで変更が出ると、色々なところにも影響するのはプロットの時に経験済みですしね。
3.もしもプロットからずらす場合はいったんストップ
それでもプロットからはずれたい、絶対そっちの方が面白くなる! という時は、最終手段としてプロットから外れることはありえます。
ただし、その場合、「絶対に」そのまま執筆を続けないでください。
いったん執筆をとめて、その変更点を反映したプロットを新しく組んでください。
「これくらいの変更なら、全体的な影響はないだろ」と思っていても、絶対にいったん止めてプロットをチェックです。
「これから」のチェックも大事ですが、もう執筆している「これまで」の部分にもその変更によって、新たに変更しなければいけない部分が出ているかもしれませんので、チェックしてください。
4.ラスト
小説では終わり方が結構重要です。物語的な終わり方するようにしましょう。展開だけでなく文章の面でも、終わり方が小説的、物語的になるように注意してください。
推理が終わって、真相が分かって、事件にけりがついたから終わり、ではありません。事件が終わっても、大抵の場合小説は続いています。謎、トリック、推理、解決というミステリ的な部分が終わったからと気を抜かず、小説の終わらせ方にまでちゃんと気を遣ってください。
ということで執筆の流れは終了です。
これまでで、ミステリ、推理小説の基本的な書き方については終わりです。これ以降は、推理小説、ミステリを書く時に気を付けるべきディティールについていくつか書いていきます。




