夫婦
祖母が電話でこういった。
「散歩に出かけた時なかよさそうなご夫婦が横をとうり過ぎたのよ。
それ見た時お父さんが生きていたらなって思ってね。」
千影ははっと気がついた。
千影も慎二とでかけなくなってからやたら目に付いた。
他の人からもきいたことがある。
思いは皆いっしょなんだ。
失ってから始めて気がつくんだ。
“幸せは気がつかない。あなたは今幸せなのよ。”
子供がいない人はいる人を幸せと思い
病気の人は健康な人を幸せと思う。
普通なのが幸せなんだなって今は思う。
こうも言った。
祖母は娘の交際に反対をしていた。
安定をのぞんでいたのだ。
「あんたら一体どんな育て方をしたの?3歳のときが大事でしょ。
父親のような人と結婚したいってTVでよくいってるのに。」(祖母)
「えっ父親は不倫してるのに?そんな人?」(千影)
「父親がそうやったら違う立派な人を選ぼうとおもわないのかな?」(祖母)
慎二はそれはそれはひどい事を千影にしてきた。
子供はそれをずっと見てきたのだ。
不倫がわかってから千影はいろいろやってみた。
いくらやめさせようとしても慎二はしらをきりつづける。
あきらかに千影を馬鹿にしていた。
その結論が今の彼なのだ。
千影も慎二なら信じられると思って結婚した。
年をとってからいたわりあってくらせると思ってた。
なんだろう。
思ってること一つ相談できず、騙されないように絶えず身構えて
いなければならない。かばんには鍵をかけている。
相談したいができない。
これってなんだろう。
疲れた。
立派ってなに。
お見合いで選んだ結果がこれ。
子供は学んだ。
お見合いで選んでも幸せにはなれない。
じゃあ 恋愛に進もう。
だから突進している。
それだけ好きな人ができて幸せかも。
ふと千影はそう思った。




