新幹線 その2
新幹線が停まり人が降りてきた。
すごい速さで通り過ぎる人がいた。
「あれっ?あれっ?えっ?うそっ まさか」
あっという間に乗継ぎの在来線のホームの方向に由香里1人すいこまれていった。
少し唖然とした。「どうしよう」
その場から千影は動けなかった。
人がもう途切れるかなと思ったとき今度は慎二がでてきた。
「えーー。うわーー。」
慎二はいかにも1人で旅してたみたいにお土産をもってタクシー乗り場でタクシーに
乗り込んだ。
「あっ,つかまえなきゃ」(千影)
慎二をのせた車はあっと言う間にでてしまった。
あわてて乗継ぎの在来線のホームの方向に千影は走って行った。
「ああ、遅いかな。」(千影)
半分諦めながら探してみた。電車はまだ来てなかった。
そこには由香里はいた。
柱にひっそり隠れるようにたっていた。
千影を見つけるとめちゃくちゃ驚いた。
「何考えてんの?いいと思っとん?」(千影)
由香里を見つけてつかんで千影は大きな声で怒鳴りつけた。
「すみません」(由香里)
「いい加減にしてくれへん?」(千影)
千影の感情が高まり抑えられなかった。
「すみません」(由香里)何度もすみませんを繰り返した。
「一緒に東京いっとんたん?どっちが先いったん?」(千影)
「私が行きたいといいました。」(由香里)
「他どこ行ったん?」(千影)「外国いったん?」
「外国なんて行ってません。そんなの、いろいろいったんで恐ろしくて言えません。
奥さん怖いんで人がたくさんいるとこにいきましょ。先生に聞いてください。」(由香里)
確かに千影は感情のままに大きな声で叫んでいた。由香里は慎二と2人であらゆるところにいっていた。
お花見、水族館、海水浴、花火大会、買い物
いままで千影と行っていたあらゆる所に2人でいっていた。
千影はめまいをおぼえた。
「人の多い所に行きたいです。奥さん怖いです。」(由香里)
あきらかに由香里は千影の迫力にこわがっていた。
そこで2人は新幹線のタクシー乗り場まで戻り慎二を呼び出すことにした。
千影は慎二と話すのも嫌なので由香里に呼び出してもらった。
新幹線の駅から家までは1時間かかるので慎二は「家の近くまで帰ってきて」という
返事だったが「ここで待ってるのでここにきて」と千影がいったのでくることになった。
待っている間由香里に何をきいても「慎二が来てからしゃべる」といって何もしゃべらなかった。
千影には待っている時間がすごく短く感じた。
慎二が自家用車でやってきた。
チェ、しまった。っていう顔をしていた。
目の前に車がとまった。
千影は怒りで震えていた。
千影は慎二に「これどういうこと、どっか違う場所で話あおうか?」(千影)
「俺は学会に行っていただけで何も知らない」(慎二)
「いい加減にしてよ。一緒に東京行ってたやないの」(千影)
「知らん。俺は学会に行ってただけや。」(慎二)
この繰り返しでことが全く先にすすまなかった。
「もう帰ってもらったら?」(慎二→千影)
もう時間もかなり遅くなっていた。
仕方がないので由香里に帰ってもらうことにした。
「明日からこんといてね。」(千影→由香里)
「来なかったら診察が回らないから困る。もう早く帰り。」(慎二)
千影は慎二に言いくるめられてしまった。
こんなにひどい目にあってるのにどうしようもない状況に腹立たしさを感じた。
千影は涙がでそうになるのをこらえた。
由香里は慎二に言われしめたと思いさっとかえった。
2人の間に沈黙が流れた。
とりあえず千影は慎二の車の助手席に乗って帰ることにした。
「お願いやからやめさせてよ。」(千影)
「無理。診察がまわらなくなる。」(慎二)
こんなやりとりをしばらく続けてたら
「携帯のメールでやりとりした文章を印刷して封筒で旦那に送りつけられてきた。
旦那に離婚されそうになっているらしい。見せてもらった。」(慎二)
「えっ?何それ?」(千影)
千影は訳がわからなかった。由香里の住所がわかってメールが見れるのは
慎二、千影、由香里の3人だけだったからだ。
「お前違うんか?」(慎二)
「えっ、私のせい?」(千影)
千影はびっくりした。いつの間にやら千影のせいになっていた。
こんなことがなかったら、気が付かずにいた。
なすりつけられ知らない間に悪者になっていた。
慎二でもなく千影でもない。あきらかに由香里の仕業。
その時は千影はそう思っていた。
千影はその時はじめて由香里の恐ろしさを知った思いだった。
一方、慎二はその手紙をみせてもらっていた。
{千影は嘘ばかりいって。}慎二 心のなかでは千影を信じていなかった。




