無視
この辺りから慎二の千影に対する無視が始まった。
「おはよう。寒かった?」(千影)
朝起きると慎二が新聞をとりにいくので毎日かわす言葉であった。
「うるさい。毎日同じことをいうな。テレビ、聞こえない」(慎二)
新聞をとると朝ご飯を食べながらテレビを見る。
それが慎二の日課であった。
でも慎二は千影と目を合わさないのである。
なんか、へん。千影は思った。
話をするのであったが1回も目をあわさない。
「この人頭痛くならないのかな?」千影はテレビの中の人の評価をしてみた。
「そうやなあ」と慎二は言いながらずっとテレビを見つめていた。
気のせいかな。
慎二が疲れてるのかなと思い次の日また普通に話かけてみた。
やっぱりあきらかに無視してた。
へんだった。
そんな状態が1週間も続いたであろう、流石に千影はまいってきた。
千影はテレビの前を遮るようにしてたってみた。
やっぱり慎二はあきらかに目線をはずしこういった。
「テレビが見えない。どいて。」(慎二)
「なんで無視するの?」(千影)
「無視してない。しゃべっとうやろ。俺は普通や。」(慎二)
その日から慎二の態度はあきらかに冷たかった。
自分からは離婚と言うのは悪いが無視することによって
千影に言わせようと思っているのかな?
それとも千影に悪いと思って目をあわせられないのかな?
慎二が何を考えているのかわからなかった。
慎二は千影がじゃまであった。
お国が違えば一夫多妻制もあるし年の差婚も流行っている。
別にいいじゃないか。
浮気なんて男の甲斐だ。
千影から離婚ていわれれば世間的にも自分が被害者になれる。
その為に無視していれば千影もねをあげるだろう。
慎二はそう考えていた。
慎二は本を読むのが好きであった。
*男の離婚*この本を隠し読んでいた。
夢という本もよんでいた。
その内容は夢を実現するにはあきらめない。
とかイメージをもつとか。だった。
千影と離婚して由香里と結婚したいんだ。それが夢なんだ。
だから自分の夢のために無視するんだ。と千影は思った。
すごく悲しかった。
2人でいたわりあう老後はどこいってしまったのであろう
このころから千影はすぐ涙が出てしまうようになった。
どうしていいかわからなかった。




