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第3話 マスコットキャラクターの芸能事務所

展示コーナー前。



かつての栄光が並ぶ場所で、俺は静かに誓った。



ふと、不思議と昔のことを思い出していた。



俺がまだ若かった頃。



そして、キャラランドが最も勢いに満ちていた頃を。


________________________________________



俺が猿社長にスカウトされた頃、キャラランドは既にマスコットキャラクター業界ではそれなりの実績と地位を築いていた。



創業は1977年。



ちょうど俺が生まれた頃だ。



まだ「ゆるキャラ」なんて言葉は存在していなかった。



それでも日本にはたくさんのマスコットキャラクターがいて、それぞれが活躍していた。



もっとも、その多くは特定の商品やサービス、企業や地域に紐づいた存在だった。



活躍の場は限られていたんだ。



そんな時代に目を付けたのが、若き日の稗田猿之介社長だった。



猿社長は数名のスタッフとともに



「マスコットキャラクターがもっと自由に活躍できる場所を作れないか」と考えた。



そうして立ち上げたのが、マスコットキャラクター専門のマネジメント事務所、



「キャラランド」だった。



今でこそ当たり前のように聞こえるかもしれない。



でも当時は珍しかった。



キャラクタービジネスを行う会社はあった。



だが、様々なマスコットキャラクターをスカウトし、マネジメントし、仕事を紹介する。



そんなビジネスをやる会社はなかった。



もしかすると、キャラランドが最初だったのかもしれない。



猿田さんは創業当時からいたし、



今では、大手芸能事務所にまで成長した烏森芸能の烏森凪氏や、



AMN-UZMの雨野功太郎社長もキャラランドの創業の時から猿社長の下で働いていたらしい。


________________________________________


キャラランドの考え方は面白かった。



特定の商品や企業のマスコットキャラクターに声をかけ、スカウトする。



キャラランドに所属し、更なるタイアップをとってきたり、グッズ展開を行う。



イベントを開催し、キャラクター同士でコラボレーション企画を行った。



そうやってマスコットキャラクターたちの活躍の場を増やしていった。



もちろん、それだけじゃない。



キャラクターが活躍すれば、そのキャラクターが宣伝している商品やサービス、企業や地域も注目される。



キャラクターも元の企業も、両方が元気になる。



猿社長はいつも言っていた。



「マスコットキャラクターは宣伝の道具じゃない」



「立派なタレントだ」



その言葉を聞くたびに、俺たちは少し誇らしい気持ちになった。


________________________________________


最盛期のキャラランドには、とんでもない数のマスコットキャラクターが所属していた。



1,000近くはいたはずだ。



商品のパッケージを担当するキャラクター。


企業マスコットキャラクター。


地域で人気のキャラクター。


イベント専門のマスコットキャラクター。


とにかく何でもいた。



イベント会場へ行けば、どこを見ても仲間がいる。



そんな時代だった。



だが、時代は変わる。



企業統合。事業終了。世代交代。



様々な理由で、多くのマスコットキャラクターたちは引退していった。



今も200キャラクター近く所属している。



だが、実際に活発に活動しているのはほんの一部だ。



ぽこぺん。

ガレットたん。

クライム。

クライン。

カメリア。

そして何人かの仲間たち。



みんな必死に頑張っている。



だが、全盛期を知っている俺からすると、少し寂しく感じることもある。


________________________________________


正直に言えば、俺自身も、そろそろ「上がり」かなと思っていた。



十分やったじゃないか。



二十年以上続けたじゃないか。



そう自分に言い聞かせていた。



そんな時だった。



猿社長が突然この世を去った。



誰も想像していなかった。



俺も。



猿田さんも。



きっと椿ちゃんも。



気が付けば、若かった椿ちゃんが社長になっていた。



不安もあった。



本当に大丈夫なのかと心配したこともある。



だけど椿ちゃんは止まらなかった。



キャラランドGENSEKIオーディションを開催し、アイドルユニットという新しい挑戦を始めた。



そこから生まれたのがLa♪Ra・RISE!だった。



最初は半信半疑だった。



マスコットキャラクターの事務所がアイドルをやる?



何を考えているんだと思った。



でも、雪雄や翔太たち、La♪Ra・RISE!のメンバーを見た。



みんな必死だった。



夢に向かって全力だった。



そんな姿を見ているうちに、いつの間にか俺の方がパワーをもらっていた。



________________________________________


気が付けば、俺は展示コーナーを見上げていた。



昔の自分がいる。



全盛期の自分がいる。



だが、今の俺もそこにいる。



まだ終わっていない。まだやれる。



La♪Ra・RISE!が挑戦するなら。



椿ちゃんが挑戦するなら。



キャラランドが挑戦するなら。



俺だって挑戦する。



俺は小さく笑った。



そして展示コーナーを後にする。



久しぶりに、少しだけ足取りが軽かった。


ライブ小説【CHARALAND RISE!(キャラランド・ライズ!)】


567人から選ばれた、8人。

でも、それはゴールじゃない。

迷いながら、ぶつかりながら、それでも前に進む。

そして――その先へ。


chapter2(完結):https://ncode.syosetu.com/n4020ky/

chapter1(完結):https://ncode.syosetu.com/n3725kb/


La♪Ra・RISE!のメンバー佐藤翔太視点エピソード小説


ぼくは佐藤翔太!(完結):https://ncode.syosetu.com/n8456ln/


*キャラクター原案者*

英賀田 雪雄(あがた ゆきお)  :日花子

根古島 カノン(ねこじま かのん) :日花子

京極 真秀(きょうごく まほろ)   :茶ばんだライス

折原 千鶴(おりはら ちづる)   :夏也 すみ

狭山 那音(さやま なおと)   :ギフカデ

Daz・Garcia(ダズ・ガルシア)  :HUNGRY

赤河 辰煌(あかがわ たつき)   :ウニヲ

佐藤 翔太(さとう しょうた)   :niko


*キャラランドスタッフキャラクター原案*

岡 歩(おか あゆむ)      :サバ缶

猫沢 ゆう(ねこさわ ゆう)   :茶ばんだライス




★ CHARA RISE!公式Discordオープン★

「CHARA RISE!」の世界観や設定を共有し、クリエイターの皆さんと一緒に「CHARA RISE!」を作り、育てていくコミュニティです。

「CHARA RISE!」の原作の裏側に触れながら、イラスト・小説・音楽・映像など、さまざまな創作活動を楽しめます。

あなたの創作が、新たな物語につながるかもしれません。


ぜひご参加ください!


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CHARA RISE!公式Discord

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