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セーフティレンジャー集結その1

世界安全保証教会の第一会議室。

長机にパイプ椅子、ホワイトボード。

どの会社にもあるような一般的な会議室の風景。

ホワイトボードの前に立っているのは

全身ピンクの戦闘タイツを着た筋肉隆々のヒゲ男。

身長180センチ。ヒゲは口の周りと顎に生えている。

「私がリーダーのピンクだ」

前セーフティレンジャーのたった一人の生き残りである。

ピンクから見て左に座っているグリーンの戦闘タイツを着た女性。

身長165センチ。金髪のドレッドヘヤーに褐色の肌、ギャルっぽいメイク。

ネイルの手入れをしながら

「リーダーって言ったら普通レッドじゃね?

 ピンクで男って、うける」

「いや、別にレッドじゃなければいけないという決まりはない」

「って言うかあたし、グリーンはアンラッキーカラーなんで嫌なんですけど」

ピンクから見て右のブルーの戦闘タイツの女性。

身長160センチ。色白の肌。

胸元まであるウェーブがかったブラウンの長い髪の毛の先を

クルクル指で回しながら電話機を右手にもって通話中である。

「ええ、そうなの、やっぱり。ええ、この後、大丈夫よ。今確認してみるわ」

受話器の左手で覆いピンクに向かって

「今日はこのあと彼氏とデートなんでもう帰っていいですか~」

「ダメです!」

会議室の中を見渡すピンク。

「イエローはどうした?来ていないようだが」

「イエロー?誰それ。コードネームで言われてもわかんないっしょ」

ピンクは困った顔をしながら

「いやいや、我々は特殊任務に付く関係上、たとえ仲間同士でも本名ではなく

コードネームで呼ぶ決まりになってるでしょ」

「イエローって多分、アシュミットのことじゃないかしら~?

 私さっき裏三家通りのクレープ屋で会ったけど~」

「ブルー、本名は言っちゃダメって今言ったばかりでしょ!」

「レッド不在って終わってね?」

「レッドについては現在捜索中でね・・・」

「ではレッドさんという人が見つかったらもう一回召集してもらっていいですか~」

「あっ、そんときグリーンNGでお願いしゃーっす」

「あたしは別にブルーでもいいのですけど~今彼氏といい感じなんで忙しいのはちょっと~」

ピクピクと顔が引きつっているピンク。

「ちょっと本部にイエローの件を確認してくるから二人共このまま待機してて」

ピンクの電話が鳴り響く。

痩せ型の眼鏡、司祭服を着たザ・ジャパニーズサラリーマンの男性が受話器を取る。

「もしもし、こちらコルベットです」

「ちょっと~コルベットさん、ダメだよあれじゃ~さ~。

 何で全員女子なのよ。彼女達やる気無しじゃん」

「あーその件かね。今は男女平等の時代、適材適所というやつだよ。

 前セーフティーレンジャーは男性のみの構成で壊滅した。

 その失敗から学び今回は女性を中心に編成したのだ。

「セーフティレンジャーって世界最高峰の戦闘集団だよ。

 プロ中のプロ。常に死が隣り合わせの危ない仕事だよ」

「それが何か?それとも何かね?君は何もしないで投げ出すような男だったのかな?」

「そういうレベルじゃないんだって!」

「ピンク、君のリーダーとしての資質の問題ではないのかね?」

「ぐぬぬぬ・・・わかったわよ、やればいいんでしょ、やれば!」

なぜかおねえ口調になってきているピンク。

会議室に戻って来たピンク。

「あれ?ブルーがいないけど・・・」

「帰ったっすよ」

「えっ?帰ったの」

「あたしも帰ろうかと思ったんですけどぉ~、誰も残ってなかったら

 ピンクちゃんが可愛そうかと思ってぇ~、あたしやさし~」

「ピンクちゃんって・・・」

「じゃ、あたしも帰るから、またね~」

会議室を出て行くグリーン。

一人になった会議室でピンクが愚痴る。

「もう、どうなっても知らないんだから!」

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