ナイトメアクィーン レベッカ
悪夢にうなされている男性のベッドの横に青白い煙のようなものが浮遊している。
時々少女のような顔を形作っては煙に戻る。
煙が少女の顔になり、すう~と息を吸い込むと男性から青白い煙が吸い取られる。
しばらくすると煙は窓の外へ出て月夜の空へ飛んでいく。
月夜の空に分厚い雲がかかっている。
四方八方から雲の中へどんどん青白い煙が入っていく。
雲の中には高級貴族が住んでいそうな3階建ての洋館が浮かんでいた。
青白い煙はこの洋館へと消えていく。
洋館の名前は夜蝶館。
常に夜の空に浮かび24時間体制で悪夢を回収する。
水タバコの容器のようなものに青白い煙が吸い込まれていく。
アンティークのソファの上に横たわり容器から伸びた管の先にある
パイプを咥え煙を吸っている女性。
手入れの行き届いたしっとりとした長い白髪でポニーテール。
青白い肌。胸元がばっくり開いた黒のドレスにスレンダーなスタイル。
そうだな、簡単にいうと青白い肌の黒いドレスを着たアリ○ナ○ランデ
というところか。
この女性の名はレベッカ、悪夢を集める夜の女王、ナイトメアクイーンである。
吸った煙をふぅーと噴出し、右手の親指、人差し指、中指の3本の指で
魔蓄管を縦に持ち目の前の高さに持ち上げ
「結構貯まってきたわね。
この速度で魔蓄管を充蓄しているのだから魔王様もきっとお喜びになるわ」
魔蓄管を下唇にあてルージュを塗るような動きをした後、テーブルの上に縦に置く。
テーブルの上に置いたときにコップを置いたときのようなコトっという
小さな音がする。
「これで魔王軍の私の立ち位置も安泰ってところかしら」
テーブルの下に何かを見つける。緑色の子鬼のぬいぐるみである。
手に取り小鬼のぬいぐるみが持っているプラカードを読むレベッカ。
「進捗を報告せよ・・・ねぇ」
小鬼のぬいぐるみをポイっと捨て、再度煙を吸い始める。
「めんどくさ」