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ピンクのモフモフ

店休日と書かれた札がかかっているJB中華飯店。

静まり返った店内。奥の厨房でJBは悩んでいた。

「ドラロンさんにダメもとで頼んでみよう」

厨房のVIPルームと書かれたドアの前に立つJB。

このドアはドラロンの工房の2階のテラスへつながっている。

「チームドラロン」

合言葉を言いドアを開けるとJBの腰の高さを

ピンクのモフモフな何かがすり抜けていく。

ドアノブに手を掛けたままのJB。

「あれ?スーザンにクワーマン、それにレニーも」

JBとドアの隙間からJB中華飯店の厨房へ逃げ込んだ呪いのぬいぐるみが

みるみる大きくなっていくのが見える。JBの背後を指さしている俺っち。

呪いのぬいぐるみが大きくなっている状況をJBに伝えたいのだが

時間にして1分も経過していない短時間の出来事で適切な言葉が出てこない。

とっさに口から出てきた言葉はドリフじゃないけど

「JB、後ろーっ!」

すでに厨房の天井まで大きくなっている呪いのぬいぐるみ。

部屋いっぱいに広がる呪いのぬいぐるみ。

メキメキという音を立て天井にヒビが入り始める。

「ん?何の音だ?」

後ろを振り返るJB。ピンクのモフモフの壁しか見えない。

「何だ、このピンクのモフモフは?」

崩壊する天井とともにJB中華飯店の屋根を突き破る呪いのぬいぐるみ。

呪いのぬいぐるみはバンザイのポーズをとっている。

「何だあれは!」

白昼、いきなり出現した大きなぬいぐるみに街中はパニックになっている。

JB中華飯店の中からよっこらしょと壁をまた越し外側へ出る呪いのぬいぐるみ。

ぬいぐるみが出って行く様子を呆然としながら見ているJB。

一方、街中に突然現れた大きな呪いのぬいぐるみに

通りすがりのタイガックスの冒険者パーティが対応する。

「なんであんなものがJB中華飯店から出てきたんだ!」

半壊したJB中華飯店からマダラスカルの青空が見える。

ドアノブを持っているJBの手が小刻みに震えている。

「1度といわず2度までも」

怒りのオーラで髪の毛が逆立っている。

「これ以上はやらせわせん!やらせわせんぞーっ!」

タイガックスのパーティの魔術師が鎖魔法で動きを止めようとしているが

鎖魔法の鎖を引きちぎるピンクのモフモフの呪いのぬいぐるみ。

ピンクのモフモフに手斧を振りかぶるタイガックスをモフモフの左腕がふっ飛ばす。

吹っ飛ばされるタイガックスは猫のようにクルリと体勢を整え着地する。

「なんてモフモフな攻撃なんだ!」

もう一度攻撃を仕掛けるタイガックス。今度は右腕でふっ飛ばされる。

またも猫のようにクルリと体勢を整え着地するタイガックスだが少し様子がおかしい。

「マジ、モフモフな攻撃なんだが!何か・・・気持ちいい。癖になるぜ」

ドラロンの2階のテラスのJB中華飯店のドアから様子をうかがう俺っち。

空中で魔方陣を展開するJBが見える。

「プリズンルーム」

呪いのぬいぐるみを半透明の青白い立方体の檻が取り囲む。

突然の魔法発動にびっくりするタイガックス達。空中を見上げるとJBがいる。

タイガックスはニヤリと笑い

「見せてもらおうか、JBの実力とやらを」

脱出を試みようと檻をガンガン殴る呪いのぬいぐるみ。

魔法の詠唱をするJB。怒りに満ちた大声で

「ファイヤー!」

檻に閉じ込められた呪いのぬいぐるみが炎に包まれる。檻の外に炎は出てこない。

と同時にJB中華飯店から炎の柱がドーンと空高く舞い上がる。

炎の先端に何か丸い鍋のようなものが見えた。

「ヤバイ!」

反射的にドアを閉める俺っち。そして炎に包まれるJB中華飯店。

空中から何か丸いものが落ちてくる。そして地面に刺さる。

空中から降りてくるJB。

プリズンルームで燃え尽きる呪いのぬいぐるみ。消えるプリズンルーム。

燃えているJB中華飯店の前で膝を付きがっくりとうな垂れるJB。

タイガックスがぼそりと言う。

「新装開店して間もないってのに・・・」

   ●

「レニー、何があったの!」

スーザンがびっくりした表情で俺っちに聞いてくる。

「わかんない。呪いのぬいぐるみが巨大化してJB中華飯店を壊した後、

 ファイヤという声と共に火柱が上がって丸いものが先端に・・・あっ!」

「それってもしかしてサラ鍋じゃないのかしら」

俺っちもそう思う。きっとJBの怒りの大声のファイヤ!に反応して

サラ鍋がサラマンダー級の炎を出してしまったに違いない。

「ったく、あれだけ毒を撒くなって注意したのに草むらに撒きやがって」

ドラロンと彩姫が2階のテラスに戻ってきた。

スーザンが手に持っている中華おたまを見たドラロンは

「何だスーザン、マジックミックスラケット何か持って」

「へ~、これってマジックミックスラケットっていうのか~。

 今日は網を持ってくるのを忘れちゃって、代わりになるものがないか探していたら

 崖の倉庫で見つけたの。駄目だった?」

「駄目じゃねーけど、そいつは結構やっかいな道具でよ。

丸い部分を重ねてひねるなよ、危ねーから」

あー知ってる、それ。

「そろそろ昼時か。JBにチャーハンでも頼むか。

 おごってやっからレニーたちも食べていけぇ~、ガンガーン」

「いや~JBのお店は今日は店休日じゃなかったっすかね?

 それに今、燃えてるっす・・・」

「燃えてる?ああ、JBの店が再オープンして間もないからな。

 中華に対する情熱は燃えに燃えてるだろうよ!店休か・・・でも食いたいからな~。

 お店の修理代全部出してやったんだから頼んだら作ってくれんだろ。ガンガーン」

「お呼びですか、マスター」

「いつものようにJBにチャーハンを頼んでくれ。えっと・・・」

指先確認しながら人数を数えるドラロン。

「5人前な」

「はい、マスター」

JB中華飯店と書かれたドアの前に立つガンガン。

「チームドラロン」

と合言葉をいいドアを開けると、そこは炎に包まれていた。

ドアを閉めるガンガン。

「燃えています、マスター」

「燃えてる?ガンガンまで変なことを言ってるが燃えてるって何が?」

「JB中華飯店が燃えています、マスター」

「はあ?意味がよくわからんのだが」

と言いながらドアの前に立ち合言葉を言いドアを開けるドラロン。

目の前に燃えているJB中華飯店の厨房がある。

「燃えてるな・・・」

ドアを閉めるドラロン。俺っち達の方を振り返り

「何があった」

「えっとですね~」

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