マジックバック購入
おごるのは食事だけだと言ったのに
「私にとっての食事はお酒も含まれているの!」
と言い放ち、人のお金でたらふく酒を飲んだスーザン。
次の日の朝
「うへ~気持ち悪い~」
宿屋の前にある街路樹にキラキラの肥料を与えている。
「やっぱ無理。部屋に帰って休む。レニー、あたしの代わりに
呪いのぬいぐるみの販売方法を探してきてちょうだい」
「何で俺っちがそんなことしなければならねーんだよ!」
可愛らしい顔で
「お願いレニー・・・うっ・・・」
街路樹に追加のキラキラの肥料を与えている。
「部屋に帰って寝てろ! 俺っちはベルリンゲンをゆっくり観光してっから」
「レニーのケチぃ」
宿屋の中に入っていくスーザン。他力本願し過ぎだっちゅーの。
しかし、どうやって商売を始めるのだろう?
冷やし中華始めました、よろしく、呪いのぬいぐるみ始めました、
みたいなのぼりを立てて荷車を引く? 露店を出す?
首都というだけあってベルリンゲンの人通りは多い。
俺っちみたいなダサい田舎の吟遊詩人の服装をしている人は歩いていない。
服装をベルリンゲン風に変えてみるのも悪くないか。
昨日はデスパラにスーザンの商業ギルドにと何気に忙しかった。
今日は色んな店に行ってどんな商品が売っているか確かめたいところだ。
「マジックバック専門店?」
マジックバックって何だ? 早速、店に入ってみる。
マジックバッグ
内容量 50個 金貨5枚(5万円)
内容量 100個 金貨10枚(10万円)
内容量 1000個 金貨100枚(百万円)
カラーは3色 ブラウン、ピンク、ブラック。
大きさは中学生の登校用のスクールバッグを一回り小さくしたくらいか。
これは何? と店主に聞いてみる。
「何でも入る魔法のバッグだよ。ただし、生き物や大きいものは入らないよ」
「生き物はわかるとして大きいのってどのくらい大きいものなんっすか?」
「1リッポウメートルの立方体程度の大きさまでしか入れることはできないね。
伝説のマジックバッグなら大きさも数も無制限らしいけど」
店主曰く、この世の中に伝説のマジックバッグを持っている冒険者が
たった一人だけいるらしい。
「伝説のマジックバッグ?ちなみにおいくらするんっすか?」
「見たことないからわからないな~」
この店で売っているマジックバッグが大きさ、容量ともに一般的なものらしい。
大きさの制限はあるがリュートの持ち運びやちょっとした荷物を
マジックバッグに入れて持ち運べるのはありがたい。
とりま内容量50個、カラーはブラウンを買っておく。
さっそくリュートをマジックバッグに入れてみる。
おおっ入ってた。取り出し方は・・・マジックバッグに
手を突っ込むと目の前に内容物のリストが表示される。
先ほど入れたリュートが表示されている。クリックしてもう一度
マジックバッグの中に手を入れるとリュートがそこにある感覚。
引っ張り出してみるとリュートが実体化された。さすが魔法が存在する異世界
「便利~」
サラダワン、マダラスカル、ポコヘン、そしてベルリンゲンと旅してきたわけだが
もっと前半で手に入れていたら楽だったよな~。
「生ものも保管できるが冷蔵庫みたいに保存はできないから
腐りやすいものは入れない方がいいね」
と店主が教えてくれた。
しかしさすが首都だ、こんな便利アイテムを売っているのだから。
背負っていたリュックもマジックバッグに保管する。
マジックバッグをたすき掛けにする。
「軽う~」
こんなに軽いなら奮発して100個金貨10枚にしておけばよかったかな?
100個もアイテム増えることないか。
しばらく歩いていると5階建ての大きな建物が見えてくる。道行く人に聞いてみる。
「あの建物は何っすか?」
「あれは国立魔法学院 ボッグワルツさ」
口にパンを咥えながら急いで走っている少女。
「いっけなーい、入学初日に寝坊しちゃった。こっちへ行けば近道かも」
俺っちは魔法学院の方へ歩いていく。
ある建物のそばに近づいたとき、建物の右側からパンを咥えて走ってきた少女と
ゴチン!とぶつか・・・る青年を見た。
「あいたたたぁ~」
尻餅をついている少女。
「気をつけろよ。ほらっ」
と言いながら手を差し伸べるイケメン青年。
「ご、ごめんなさい」
頬を赤らめながら青年の手を取る女の子。
「その制服はボッグワルツの学生だね。僕と一緒だね」
あと一足早かったら、あの役目は俺っちがやっていたに違いない。
危うく異世界ものでよくある魔法学園の流れに巻き込まれるところだった。
俺っちはまた魔法学院の方へ歩いていく。
ある建物のそばに近づいたとき、建物の右側からパンを咥えて走ってきた少女と
ゴチン!とぶつか・・・るモヒカンの集団を見た。
「あいたたたぁ~」
尻餅をついている少女。
「痛ーな、ねーちゃん。あー腕の骨が折れちまったぜ。治療費を払いな」
モヒカン数人で少女を取り囲む。
「待て!」
魔法学園の制服を着た男子生徒が助けに入る。
「何か文句あんのかにーちゃん!」
男子生徒は魔法の杖を手に持ち臨戦態勢だ。襲い掛かるモヒカン達。
魔法を唱え杖を振る男子生徒。吹き飛ばされるモヒカン達。覚えてろ!という
お決まりの台詞を吐いて逃げていく。
「大丈夫かい?」
と言いながら手を差し伸べるイケメン青年。
「あ、ありがとう」
頬を赤らめながら青年の手を取る女の子。
「その制服はボッグワルツの学生だね。僕と一緒だね」
あと一足早かったら、あの役目は俺っちがやっていた・・・わけではないか。
また危うく異世界ものでよくある魔法学園の流れに巻き込まれるところだった。
俺っちはまたまた魔法学院の方へ歩いていく。
ある建物のそばに近づいたとき、建物の右側からパンを咥えて走ってきた少女と
ゴチン!とぶつかるモヒカンの・・・魔法学院の制服を着たイケメン青年を見た。
「あいたたたぁ~」
尻餅をついている少女。
「大丈夫?」
と少女に近寄り手を貸そうとするがモヒカン頭に
「ひっ・・・」
と恐怖で顔が引きつる少女。
「あっ、俺、生まれつきこの髪型だから怖いよね」
悲しそうな顔をした青年はその場を立ち去ってしまうが
5メートルほどのところで子犬をあやす青年の姿が。
立ち上がった少女は青年のところへ行き、頬を赤らめながら
「さっきは驚いてごめんなさい」
「その制服はボッグワルツの学生だね。僕と一緒だね」
えっと・・・ただ単に魔法学院の方へ歩いていってるだけなんですけど
なぜ、学園ラブコメ展開をこんなに見せられているわけ?
このまま進んで魔法学院の敷地内へ入ったらツンデレな展開も見れそうな気がするが
お腹一杯なので魔法学院の道を進んでいくのはやめて違うところへ移動しよう。
●
JBは悩んでいた。
「やっぱりドラロンさんに頼むしかないかな~」
円筒形のゴミ箱の中に捨てた先端が溶けてしまい使い物にならなくなった
数本の中華おたまを見ながらため息をつくJB。
「でもな~中華おたまに国家予算並みのお金はかけられないしな~」




