表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/39

スで区切るなウで区切れ

「来るな88(はちはち)・・・来ないでくれ・・・

やめろ、やめてくれええええ!」

たくさんの大小様々なぬいぐるみがある部屋。

ロッキンチェアに座って悪夢にうなされている人物がいる。

キリスト教の司祭が着る祭服のような白い衣装。

椅子の手すりに置いてある手は灰色でネズミのような手である。

上半身は影になっていてよくわからない。

コンコン、ドアをノックする音がする。

「入れ」

ドアを開けて入ってきたのは一人のゴブリン。

「ミッキー・マウス・トーン様、お茶の準備ができました」

「貴様、いつも言っているだろう、(ス)で区切るな(ウ)で区切れと」

「はい、ミッキー・マウス・トーン様」

椅子の手すりに置いてある手がグーになり小刻みに震えている。

「だから、(ス)で区切るな(ウ)で区切れ」

「はい、ミッキー・マウス・トーン様」

「貴~様~ぁ~わざと間違えておるだろう」

「そんなことはありません!ミッキー・マウス・トーン様」

ミッキーと呼ばれる男はロッキンチェアから立ち上がると、

壁の棚に飾ってあるたくさんのぬいぐるみの中から20センチくらいの

緑色の小鬼のぬいぐるみを左手に取った。

そして右手でゴブリンの頭を鷲づかみにした。

ニエとなれ」

ゴブリンは掃除機に吸い込まれるように右手の中へ消えていく。

左手に持っていたぬいぐるみが手足をバタバタと動かし始めた。

「私の名前はミッキー・マウ・ストーンだ、この愚か者めが」

区切るところを間違えるとデ○ズニーとかいう組織の怖い人達に

すんげぇ怒られるかもしれないもんね。

進捗を報告せよ、と書かれたプラカードを小鬼のぬいぐるみに持たせると

床の上に置き

「ドラロンのところへ行け」

と告げた。ぬいぐるみはプラカードを持ちどこかへ歩いていく。

ふぅ~と深いため息をつきながらミッキーはロッキンチェアへ座る。

「何度召集しても全然来ねーんだよな~魔王軍の幹部達」

そしてゆっくりとロッキンチェアを揺らしながらぼやくのである。

「ほんと我がままなんだよな~」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ