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魔王様の秘密

話は半年前にさかのぼる。

「ジョージ・モンキー、ミッキー様の召集に応じ参りました」

魔王城のエントランスの大広間でジョージを出迎える

城の管理者にして執事の恵比寿丸。

「ジョージ様、お待ちしておりました」

上半身だけ貴族の服装、下半身はそのままの、ほぼゴリラのジョージ。

身長2メートルなので恵比寿丸よりは少し高い。

「ジョージ様、その右目はどうなさったのですか?」

ジョージの右目の周りが青くアザになっている。

「いや、ちょっとな。店で暴れたやつを取り押さえたときにやられたのだ」

「ジョージ様に青あざを作らせるとはなかなかの実力者では?」

「油断したまでよ。大したやつではなかったぞ、ウォッホッホ」

身長3メートルほどの2体の青と赤の熊のぬいぐるみが守る観音開きのドアの前。

恵比寿丸がドアを両手で開け先に入っていく。

ホテルの大広間ほどの空間。中央奥には3段の階段があり、

その上に玉座があるようだが周囲をカーテンで囲っているため外からでは

中の様子がよくわからない。

真っ赤なじゅうたんは三段の階段下まで続いている。

階段の手前まで恵比寿丸とジョージがやって来ると中から甲高い裏声で

「ジョージ・モンキーか」

カーテンの外から見て玉座の右横に立っている人物のシルエットがしゃべったようだ。

シルエットの人物の頭にはあの有名なネズミの大きな耳が。

マントでも着ているのか、ダブダブの服を着ているのか。

そうだな・・・簡単に言うと、マント変形しているマスターガ○ダムの角が

あのネズミの形をしているっぽい何か細い奴のシルエットって感じかな。

この大きな耳の持ち主こそが呪いのぬいぐるみの使い手。

名前を(ス)で切ることを絶対許さぬ魔王軍ナンバー2の魔族

ミッキー・マウ・ストーンである。

ミッキーのシルエットは前かがみになり

玉座に座っている人物から何か話を聞いている。

「はい、魔王様」

どうやら玉座には魔王が座っているようだが

カーテン越しでは玉座のシルエットしか見えていない。

「魔王様が魔蓄管の進捗具合はどうなっているのか聞きたいとのことだ、報告せよ」

「こちらでございます」

ジョージは右手のひらに魔蓄管を乗せ報告する。

「よく見えぬ。恵比寿丸、魔蓄管を魔王様まで持って参れ」

恵比寿丸はジョージの手のひらから魔蓄管を受け取りカーテンの中へ入っていく。

そして元の位置に戻らず広間の右側の壁際へ移動した。

「これっぽっちとは少ない。もっと集めよ。

他の幹部たちはお前の倍の魔力を貯めているぞ」

「ふん、えらそうに」

「何だジョージ。何か言ったか?」

「えらそうにと言ったのだ」

「貴様、魔王様の御前であるぞ!」

「あんな仕事で魔蓄管の魔力が貯まるわけねーだろ」

「あんな仕事とは何だ。キャバクラの店長のことか?」

「そうだよ! キャバクラの店長やって魔蓄管の魔力を沢山集めたら魔王軍の

 幹部にしてやるっていうから引き受けたのに全然魔力が貯まらねーじゃねーか」

「やれやれ、最近の若い魔族は辛抱ということを知らん。

 それはお前の営業の仕方が悪いだけではないか?」

「うるせぇ!キャバクラはやめだ。魔族らしくヒューマンやら多種族を怖がらせて

 恐怖の感情で魔蓄管の魔力を貯めてやるぜ!」

「ならぬ!それをやってはこの千年間、秘密裏に魔蓄管で

 魔力を集めてきた努力が無駄になる」

「知ったことか!」

「魔蓄管は悲しみ、喜びなどの色んな感情に反応して魔力を貯めるのだ。

 もちろん恐怖でも魔力を貯めることはできるが、それでは多種族の反感を買い

 勇者だなんだと面倒臭いことになるであろうが!」

「我慢ならん!前から思っていたのだが魔王様はそこに居るのか?」

「馬鹿者が!魔王様はここにいらっしゃる。不敬であるぞ!」

「やかましい!魔王の威を借る弱小魔族が。今ここで化けの皮をはいでやるわ!」

3段の階段をひょいと飛び越えカーテンをビリビリと破るおさるの、

いやジョージ・モンキー。

そこにはミッキー○ウスと言うよりポンキ○キーズの爆笑○題のネズミの

着ぐるみを着た白いマントの弱弱しい魔族と

腹話術で使われている人型の人形が玉座の上に置かれているだけだった。

「何だ、この人形は~」

ジョージは人形の首根っこを右手で掴み無造作に持ち上げた。

ミッキーが慌てている。

「やめろ、魔王様に手を出すな!」

「これが魔王様だとぉ~。バカにするなーっ!」

ジョージが人形を地面に叩きつけようと右手を高く上げた瞬間

「お前を蝋人形にしてやろうか」

ジョージの脳に直接声が響いてきた。

「誰だ!俺に話しかけたやろうは!」

ジョージはその場で足元から蝋人形になっていく。

「だから魔王様に手を出すなと言ったのだ」

「何だこれは!動けん!ミッキー、お前の仕業か!何とかしろ」

「私にそのような力はない。お前を蝋人形にしているの魔王様だ」

「馬鹿な、この人形が魔王様だというのか?うわあああ、体が、体が蝋で・・・」

ジョージはその場で蝋人形になってしまった。

ミッキーは蝋人形になってしまったジョージから慎重に人形を取り外すと

丁寧に人形を玉座の上に座らせた。

ジョージが持っていた魔蓄管は少しだが魔力が貯まっている。

「ジョージの死に対する恐怖の感情で魔力が少し貯まったか」

人形の口を開け魔蓄管を人形の中に入れる。頬を赤らめる人形。

「おーい、あぎょうちゃん、うんぎょうくん」

ミッキーが呼ぶと門番をしていた大きな熊のぬいぐるみが部屋の中へ入ってきた。

「そこの蝋人形を適当なところに捨ててきておくれ」

2体の熊のぬいぐるみはジョージを抱え部屋から出ていこうとしたが

ジョージの体がつかえて出られない。

力ずくで出ようとしたとき、ジョージの胴体がポキッと折れた。

それを見たミッキーは

「あー完全に死んだか。まあ、魔王様の秘密を知られたからにはどの道

 生かして返すことはできなかったがな」

ミッキーは恵比寿丸の方を向き

「恵比寿丸、新しいカーテンを持って参れ」

「かしこまりました」

お辞儀をしながら恵比寿丸は思う。魔王様の威厳を借り虚勢を張りおって。

元はといえば千年前のお前の愚行が魔王様をそのような姿にしてしまったのだ。

現状、人形に封印された魔王様と話しが出来るのはミッキーしかおらぬが

メルト様の許しがあれがいつでもほふってやるものを。

恵比寿丸が部屋を出ていくのを確認すると

「オータム・イシカワはおるか?」

大広間の柱の中からすう~と一人の魔族が現れた。

「お呼びでしょうかミッキー様」

中世貴族のような衣装、ピエロのようなメイクにメガネ。

細身で身長は150センチくらいだろうか。

「ジョージ・モンキーは魔王様への無礼な行為によりこの場にて処刑された。

 今日からお前がジョージの代わりに私が経営するキャバクラ

 オアシスフラミンゴの仕事を引き継ぎなさい。

 うまく行けば幹部への昇格を約束しよう」

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