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首都ベルリンゲンへGO

ドルチェ国第二の都市ポコヘンに戻った俺っちとスーザン。

ポコヘンの観光を楽しみたかったのだが

「ポコヘンの道具屋にはもう用がない」

とスーザンがゴネたため俺っちは仕方なく首都ベルリンゲンに

行くことをしぶしぶ了承した。

ドルチェ国第二の都市というだけあって、それなりに広いポコヘン。

ポコヘンを抜けるだけでサイボーグ馬車で1日を要した。

途中見かけた道具屋で

「金貨3枚!」

「よし、手をうった!」

いい感じに呪いのぬいぐるみを売りさばいていくスーザンは

もはやシスターではなく商人トルネコ状態だ。

1日目の夜。

宿屋付属のレストランで舌鼓をうつ俺っちとスーザン。

ここのソーセージがバカ美味い。

スーザンはというとソーセージを酒の肴に例のごとく酒をがぶ飲み。

明日、馬車でキラキラを出さなければいいのだが。

「うへぇ~気持ち悪るぅ~」

揺られる馬車の客車内でキラキラを出しそうになるスーザン。

「飲みすぎだっつーの」

「む・・・無理ぃ~」

客車の窓を開けて顔を外に出しキラキラを出すスーザン。

客車内で出さないだけマシであるが、これが神に仕えしシスターだとは情けない。

が何だろう・・・もう見慣れたからだろうか。

スーザンという生き物がそこにいるという感覚になっている。

首都に近づいているからだろうか。街道の人通りも多くなり、行き交う人々の服装も

サラダワンやマダラスカルとは違って高級感のある派手めのものが増えてきている。

転生前の日本でいうなら地方の服装と東京の服装という感じかな。

サイボーグ馬に乗った警備の騎士たちも多くなっている。

さすがにモンスター注意などの看板もない。

2日目の夜。

宿屋から数十メートル離れた串焼きの店で舌鼓。

香ばしい肉と自家製タレの串焼きはたまらない美味しさだ。

で、スーザンは例のごとく酒をがぶ飲みで・・・あーやっぱり。

「うへぇ~気持ち悪るぅ~」

次の日も揺られる馬車の客車内でキラキラを出しそうになるスーザン。

「飲みすぎだっつーの」

「む・・・無理ぃ~」

客車の窓を開けて顔を外に出しキラキラを出すスーザン。

昨日もこの光景を見た。ある意味、スーザンという生き物は安定感がある。

3日目の夜。

宿屋に着くなり眠ってしまうスーザン。

さすがに二日連続のキラキラ散布はこたえたようだ。

俺っちは宿泊先お勧めのレストランで何を食べようかと思案中。

壁にメニューが貼ってある。どれにしようかな~・・・ん?これは何だ?

デスパラダイス7(セブン) ライブは毎日公演中 と書かれた貼紙がある。

「デスパラダイス7?」

「気がついたかい?」

後ろに座っているモヒカン頭で左目に眼帯を付けた北斗の拳の

ヤラレキャラみたいなゴツイ男が話しかけてくる。

「いや、別に興味は・・・」

「今、首都ベルリンゲンで話題沸騰のアイドルユニットだ!」

大声で被せてくる。

「何?デスパラダイス7のどこがいいか知りたいだと」

「いや、別に興味は・・・」

「デスパラダイス7、通称デスパラは」

大声で被せてくる。

「色んな種族の可愛い女の子7人が歌って踊るアイドルユニットだ。

 7人にはそれぞれ推しのファンがいる。

 俺様はこの子、副リーダーでエルフのシャロンちゃんだ」

と言いながら左目の眼帯をひっくり返すモヒカン男。

眼帯の裏にはシャロンちゃんと思わしき女性の顔が描いてあるし、

男の目もちゃんとある。

目、ちゃんとあるんかーい!と心の中で突っ込みを入れる。

「この眼帯を付けてることで俺はいつでもシャロンちゃんと一緒にいるのさ」

「そ、それは良かったっすね」

「お前さんも首都ベルリンゲンに行ったらデスパラのライブへ

 足を運んでみることをお勧めするぜ」

右手の二本指で敬礼のポーズからグッパイみたいなジェスチャーをするモヒカン男。

デスパラねぇ・・・まあ、俺っちの推しは転生前の世界にいる真央ちゃんですけどね。

しかし、この異世界にもアイドルユニットが存在するとは驚きだ。

4日目の馬車の中。

昨晩は飲酒をしなかったからか今日はキラキラを出さず清々しい顔のスーザン。

天候も良いし、窓から入る風も心地よい。

4日目にして良き旅が出来そうだ・・・が特に何もすることがない。

こんな時は新曲を考えてみるのもいいものだ。

俺様お前のデストロイヤー・・・う~ん、やっぱりこの先が思い浮かばない。

「スーザン、今、新曲を考えているんだけど何かいい歌詞ない?」

「ないわ」

神父のあそこを蹴り上げろ、という俺っち達のバンドのデビュー曲は

歌詞を考えたというよりスーザンの魂の叫びがそのまま歌詞になったとも言える。

あの曲のようにスラスラと出き上がれば苦労しないのだが。

スーザンが魂の叫びを発するような強烈イベントがあれば

案外あっさりと曲が出来上がるかもしれない。

明日はようやく首都ベルリンゲンに到着だ。ここまで4日間を要した。

こういうとき本当に思う。俺っちも転移魔法が使えたらな~ってね。

4日目の夜。

スーザンと一緒に宿泊先の食堂でご飯を食べることに。

あいにく食堂は満席状態。どうしようかと考えていると

エルフの女性が相席で良かったら、とこっちを向いて手招きしてくれた。

「こんばんは、初めましてレニー・グラディウスです」

「ミランダ・カージスよ。ミランダでいいわ」

一般的な旅人の服で上半身は薄緑、下半身は淡い青の服装だ。

お~やっぱりエルフはお綺麗ですな~。

「ミランダさん、こんばんわ。スーザンです、20(はたち)でーす」

「20才とはお若いですね」

「ミランダさんはおいくつなんですか?」

「250才ですよ」

「マ、マ、マジで!マジ250才なんっすか!」

慌ててスーザンの方をじっと見る。

「てめー、何見比べてんだよ。ぶっ殺すぞ、このチンカスが」

異世界でのエルフの年齢をヒューマンに換算するには÷5すればよい。

という事はミランダさんはヒューマンの年齢では50才ということになるが

どう見ても20代後半~30代前半にしか見えない。

転生前の世界で言えば50才を超える女優さんが30代にしか見えない的な感じか。

「ミランダさん、250才には見えなーい」

「ありがとう、スーザンさん。でも、もうおばちゃんよ。

 ほら、白髪があるでしょう」

88と似ている銀髪に近い金髪。白髪があるとか言ってますが

よ~く、よ~く近づいてみないとわかんないレベルっすよ。

お店自慢の料理が運ばれてくる。

バッファローGOGOの赤ワイン煮込みとパンとサラダ。

食事をしながらミランダさんはある高齢のエルフで

エネルギッシュで見た目もハンサムな有名人がいることを教えてくれた。

「チャーマネント・ストンデンっていうのよ。彼は今325才かな」

チャーマネント・・・どこかで聞いたことがあるような・・・。

確かドラロンが超リッチなチャーマなんとかなエルフに

スターライトランスでうんたらカンターラで。

325を5で割ると65才。

ドルチェ国の隣国で芸術が盛んな国フランフラン(通称FF国)に住んでいるらしい。

現役バリバリのプレイボーイで沢山の女性と浮世を流しモテモテらしい。

ちょっとわかりにくいかもしれないがエルフ界のマ○ケル○岡状態だろうか。

彼に見つめられ髪を撫でられるとどんな女性も落ちてしまうことから

別名ゴールドフィンガーと呼ばれているらしい。

ゴーゴーと叫んでジャケットプレイをしているある男性のシルエットが

俺っちの脳に浮かんでいる。

俺っちのイメージを統合すると

ヒ○ミ級のエネルギーを保ったマイ○ル富○な奴ってことか。

長寿のエルフがこれをやると男としての

この世の春を長期間楽しめるわけで、何かずるくね?

って思い~のって正直うらやましく思い~の複雑な気持ちにもなり~のだな。

5日目の朝。

俺っちとスーザンはミランダさんと別れベルリンゲンへと向かう。

昼前、ようやく首都ベルリンゲンに到着する。

ポコペンで観光したかったがベルリンゲンの道中で

それなりに旅を楽しめたから良しとす。

ここまでのスーザンの旅費は全部俺っちもちだった以外は良しとす。

「レニーってさ、本当に15才なの?」

ふとスーザンが聞いてくる。

「何でそんなこと聞いてくるのさ?」

「いや、何となくね~。おっさんくさいところがあるっていうか」

「おっさんくさいって言うな!」

女の勘? スーザンの勘はある意味当たっている。

自分がレニーではなく斉藤一樹であることを自覚したのは5才の時だった。

転生前の斉藤一樹の年齢29才。現在のレニーは15才。

5才の時に転生後の斉藤一樹であることを認識したから

15才から5才を差っぴいた10年が異世界で斉藤一樹が過ごした年数である。

転生前の年齢29才と転生後の年数10年を合わせると

現在の斉藤一樹は39年経過しており、精神年齢は40才くらいとなる。

「よっしゃぁ! 早速、道具屋に行くぞ。ついて参れレニー」

「はいはい、じいやがお供させていただきますよ」

   ●

ベルリンゲンの道具屋から出てくる俺っちとスーザン。

「どういう事よ!呪いのぬいぐるみは買い取ってませんって!」

道具屋の話だと

「当店での取り扱い商品ではございません」

とのこと。2件目の道具屋へ行ってみるが対応は同じ。3件目も同じ。

「ベルリンゲンでは呪いのぬいぐるみは買い取ってもらえないの?」

それは何気ない一言だった。

「こうなったら自分で売るしかないんじゃねーの」

「何でシスターである私が直接呪いのぬいぐるみを売らないとい・・・

 あ、いや待って・・・でも、ありかも」

あっ余計な事言っちゃったか。

すぐ横のピロシキのような食べ物を売っている露店で買い物をするスーザン。

「この街で商売するにはどうすればいいんですか?」

「そうさな~、まずは商業ギルドに入って商売の許可をもらわないと駄目さな」

「私、商業ギルドに行ってくるわ!

 レニー、ここでお別れね。次会う時はライブの時ね!」

手を振りながらさっていくスーザン。

スーザンとライブの時だけ会う関係、いいじゃないですか。

だって、シスターの私からお金を取る気! とお金をたかられなくて済むから。

スーザンとの連絡方法は確立していないが、その時は88が探し出してくれるだろう。

さらばだスーザン、チャッチャチャラーララン、また会う日まで!

   ●

JBは悩んでいた。

「鍛冶屋に白銀で特注して作ってもらったがダメだったか。高かったのに・・・」

先端が溶けてしまった中華おたまを見ながらため息をつくJB。

「サラ鍋の火力に耐える中華おたまはないのだろうか」

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