風神子・雷神子再び
「嫁認定って何っすかね?」
「わからんがやつがスターライトランスを持っていることはラッキーだったかもな」
ドラロンは空中に魔法で異世界の世界地図を映し出した。
「一応、これでも自分が作った武具が追えるようにしていてな。
スターライトランス、検索」
転生前で言えばヨーロッパのスイスあたりが赤く点滅している。
指でスワイプしてマップを拡大するドラロン。
「スイーツスイスイ中立国のアルペッペ山脈辺りだな」
「もう少し詳しい場所は出ないっすか?」
「半径1キロ四方くらいの精度しかない。
現地へ行ってからスーザンの臭いか気配を感じ取れる猟犬になるやつが必要だな」
「猟犬って・・・ここにはスーザンの臭いがついたものは無いし。
気配っていっても・・・あっ、魔琴ちゃんはダメっすかね?」
「毒殺姫の魔琴ちゃんか?」
「シスター好きの魔琴ちゃんならスーザンの気配を
感じ取れるのではないっっすかね?」
「なるほど、やってみる価値はあるな」
「では早速、彩姫と魔琴ちゃんを呼ぶことにしようかね」
●
「ここはどこなのかしら・・・しかも、この臭い」
あたりには死臭というか腐った臭いが立ち込めている。
「こんなところに嫁を閉じ込めるなんて、あいつ頭がおかしいわ」
『それじゃ1時間後にまた迎えに来るぜ、ベイベェー』
「何とか逃げる手段は無いものかしら」
胸元のサークルクロスをギュウっと握り締めるスーザン。
『それまでに新婚旅行はどこがいいか考えておいてくれ、ベイベェー』
「ワンチャン助かったとしたら、新婚旅行はどこがいいかしら」
●
「八様、お呼びですか」
彩姫が魔琴ちゃんと一緒に転移魔法でやってきた。
「彩姫、お願いがあるのだよ」
スーザンが誘拐され、その捜索に魔琴ちゃんが必要なことを説明する俺っち。
「魔琴ちゃん、出来るかえ?」
「グワシグワシグワシ!」
「何々?最近はスーザンからシスターの気配をあまり感じないじゃと」
確かにな~、俺っちの目にはスーザンはすでに
シスターのコスプレをした酒飲みのギャンブル依存症だしな~。
「グワシグワシグワシ!」
「ほほう、かすかじゃが金貨1枚分くらいのシスター感は残っておるとな」
マジか!まさかあの金貨1枚の寄付がシスターとして立場を維持させ
スーザンの命をつなぎとめることになったとは!
「護衛は今回もこの子達に頼むとしよう」
胸元からカードを2枚取り出し空中に放り投げる88。
「サモン、風神子、雷神子」
●
「南の島がいいかしら。それとも世界一周」
腕組みしながら真剣に考えているスーザン。
「ああ見えて実は大変なお金持ちだったりして。
無いか~あの髪型とチリチリもみ上げだもんね、あははははは」
通常の女性なら恐怖で怯える場所ではあるが胆力があるというか能天気というか。
●
「お呼びでございますか、88様」
風神子は色白で爪は紫色、黒髪のロングのストレートヘアー。
88LOVEと書かれた帯を天女の羽衣みたいに背負っている。
「お呼びっすかー、88様」
雷神子は色黒で爪はピンク色、金髪のドレッドヘアー。
88LOVEと書かれた帯をタオル掛けしている。
二人共身長165センチ。顔は橋本か○な似、見た目は10代半ば。
短パンからはスラリとした長い素足。双子の魔族の風神子と雷神子。
すげぇ可愛いが俺っちは知っている。
この二人は二体で一体の大変恐ろしい魔族、阿修羅子であることを。
「スイーツスイスイ中立国のアルペッペ山脈へ行って欲しいのだよ」
「スイーツスイスイ国とはまた懐かしいですね、200年ぶりかしら雷神子」
「姉様の容姿を馬鹿にした魔族を葬ったとき以来だな、風神子」
「あの時はアルペッペ山脈に穴が開いちゃったのよね、雷神子」
「穴というか洞窟じぇね?風神子」
「レニー、彼女達に説明してくおくれよ」
何だろう、前にも経験したこのくだり。嫌な予感がする。
「ドグマという男に誘拐されたスーザンという女性を救出すればよろしいのですね」
「今回も簡単な依頼でよかったぜ」
「今回は急を要するので転移魔法で行ってくれよ」
「かしこまりました88様」
「じゃ、行こうぜ」
俺っちの足元にも転移魔方陣が展開される。
この展開は、また俺っちも一緒に行くってやつですかーっ!
風神子、雷神子、彩姫と魔琴ちゃん。そして俺っちは転移魔法で転移する。
ドラロンはやれやれという顔をしながら
「しかし、よくトラブルに巻き込まれる男だ。さすが転生者というところか」




