レニーの休日
ミノタウロス島のライブの1週間後。
今日は新しく建て替えられたJB中華飯店再開初日である。
2階建、オレンジ色の屋根に外観は白いレンガ作り。
白いレンガにはうっすらとではあるが光沢があり
何だか魔力を含んでいるようないないような。
さらに頑丈な作りになっているように感じる。
もはやクワーマンのくしゃみごときではビクともしないであろう。
満員御礼、外にまで行列が出来ている。
「こりゃぁ~JBのチャーハンを食べれるのは当分先のことになりそうだな」
ミノタウロス島でのライブで結構なギャラが入り小金持ちになった俺っち。
ローンでサイボーグ馬の購入を検討したが
馬停場の確保、
馬で怪我をさせた場合の保険料、メンテナンス代。
まだまだ無理という結論に至り購入をあきらめたところだ。
転生前の世界で車を購入したいと思ったことがあるが
保険料や車検代、駐車場の確保やガソリン代と車の維持に金がかかるため諦めた。
ロックンローラーのくせに意外と堅実なのよね~俺っちって。
堅実と言えば連日のホテル住まいも何とかしなければと思っている。
郊外に一軒家を借り、そこをベースに活動するのもありかと考えたが
この異世界をもっと見てみたい。
彩姫の祖国、ジャピンに行ってみるのも面白いかもな~。
家を購入するのはある程度、異世界を見回ってからでも遅くないか。
それから新曲を考えないとな~とか思ったりもする今日この頃。
破壊者、デストロイヤーっていう単語を思いつく。
デストロイヤー・・・俺様お前のデストロイヤー・・・
う~ん、この先が思い浮かばない。
お金が入ってくると創作意欲が沸いてこないっていうか
ハングリーさが消えていくっていうかね。
街中をぶらり一人散歩の俺っち。
「ドルチェ国の首都ベルリンゲンにでも行ってみることにするか」
「あたしも連れて行きなさいよ」
びっくりした~。スーザン、いつの間に後ろにいたのだ?
「サラダワンのシスターの仕事はいいのかよ?」
「いいのいいの。この前、休職手続きと金貨1枚寄付してきたから
あたしのシスターとしての立場は全然損なわれていないわ!」
しょせんこの世はゼニでっせってか。
しかし、この金貨1枚の寄付で保ったシスターとしての立場が
スーザンのシスターとしての存在意義を継続させ命をつなぎとめることになるとは。
「ベルリンゲンのサイボーグ競馬場に興味があるのよね~」
「もうやめなよ競馬やるの。まさかとは思うけど、この前のライブのギャラ
全部無くなったりしてねーよな?」
「失礼ね!まだ半分残ってるわよ!」
「もう半分無くなったのかよ」
「ベルリンゲンで売れ残った呪いのぬいぐるみを売りさばけば
負け額を捲くれるから問題ないわ」
負け額を捲くれるって・・・もう単なるシスターのコスプレをした
ギャンブル依存症じゃねーかよ。
●
ドラロンの工房。
「この構造だとどうしても魔力を大量に吸っちまうんだよな~」
ナブルモサザウルスを模して作られたDG3を前にドラロンは悩んでいた。
「クワーマンの方はどうだ?ちゃんとタービン回ってるか?」
ドラロンは工房の窓から顔を出し、外でホウキを使い枯葉を集めている
クワーマンに大声で話しかける。
後姿であるがスターウォーズのダースベーダーのようなヘルメットを被り、
背中にはランドセルくらいの何か装置を背負っている。
ヘルメットもランドセルも色は緑色である。
「シュコー、シュコー、大丈夫だべ」
クワーマンからはダースベーダーのあの呼吸音的なものが聞こえる。
DG3の前に戻ったドラロンは作業をやめ、工房のドアを開け大声で
「ガンガーン、いつものようにJBの店に
俺様とクワーマンのチャーハン頼んでおいてくれ」




