美しい乳
お騒がせしました。ネット上から私(凛古風)が消えた。そんな事件もありましたね。
「どうか私のことなど忘れてください。」
凛古風は静かに、ネット上から抹消された・・・
けれども、まぁアカウント作り直して、そこらへんを書いてみることにしました。
第2話くらいから事件が始まります。
今回のヒノモト国の地方選挙は大変な状況だ。
おっぱい性策からフトモモ性策への転換をモットーとして急進している、「性癖異心の会」もとい、異心の会が、絨毯爆撃作戦により全国各地で立候補者を乱立させていた。
そして、女性の活躍が大きい「チン主党」もパラパラと立候補者を出しており、精力が衰えた人達が増加する「尿酸党」(←ストレスにより血液が混ざりアカと呼ばれることもある政党)も立候補者を出している。
一方、最大与党の乳民党といえば「美しい乳」をキャッチフレーズにしていた元大統領が、演説中に暗殺者の凶弾によって倒れた。犯人は、性癖の統一を教義とする宗教に熱心だった母親の子供だった。政治と宗教の裏側があぶり出され、マスコミをにぎわせていた。
その後、大統領制ヒノモト国の最大与党である乳民党は、巨乳派、中乳派、微乳派でイザコザが起きている。党員達は、求心力のあった元大統領の不在を嘆く者、今こそ自分好みの乳性策を進めようと野心を高ぶらせる者、でバラバラであった。現職の大統領、乳大好男も派閥調整に必死だった。
そんな、乱戦状態の地方選挙戦で、選挙参謀が一人の男の名前をあげる。
「先生、今回の選挙は厳しいです」
「あぁ、そうだな。まったく票数が読めない。どうしたものか。あと一ヶ月もないというのに。乳民党の上層部からの指示もバラバラだし」
選挙参謀が立候補者と相談をするが、彼の答えもまた、悩ましいものであった。
「頼りたくないのですけれども、15年前に活躍した、あの男に打診しましょうか」
「アイツか。口は悪いし、態度はデカイし、何考えてるかワカンナイし、狂ってるし。あんまり呼びたくないのだが。今までどうりのやり方で、何とかならないものか」
「しかし、前回でも高齢化が問題だった後援会の主だった人達が、かなりの人数で鬼籍に入られております」
「そうだな。60代の息子、娘は、家の電話をあまり好んでいないしな。電話で在宅を確認する強盗事件の手口も報道されて、警戒されているようだ」
「ですから、ネットなんですよ。主だった地区のSNS管理人をやっている、あの男に協力を依頼しましょう」
「背に腹は代えられぬか。あの男に声をかけるとしよう。それで、どうやって凛古風を味方につける。ヤツは金では動かんぞ」
「先生が提案している『おっぱいテーマパーク』の誘致は、落選すると事業計画そのものが無くなってしまいますので」
「ああ、なるほど。『おっぱいテーマパーク永久無料VIP会員』ならば、間違いなく喰いつくな。おっぱいの楽園へ行き放題だからな」
「ええ、おっぱいが目的となると、強力な味方になるでしょう凛古風ですから」
「そうだな、凛古風だもんな」
ふっふっふ と、選挙立候補者と選挙参謀は、情報戦での勝利をめざして、一人の男をひっぱり込むことにした。
-----(これより選挙参謀視点)------
移動してきた選挙参謀は、凛古風邸のインターホンを鳴らす。
おぉっぱぁあああい♪
やはり狂っているのか?この男。
ぴぃんぽぉおおおん♪
だろっ普通!音源サンプリングにボーカロイドの声をあてて、魔改造しやがった。
ハード技術力もソフト技術力も高次元なのだが、方向性がおっぱいなんだよな、この男。ああ、技術力の無駄遣い……と、そんなことを考えていると。
「はいはい、なんですか?どちら様?」
「失礼します。〇〇議員の事務所の者です」
「あ~、もうすぐ選挙だしね。投票するから。それじゃ。お疲れ様」
誰に投票するとは言わないあたりがさすが。しかし、そんな話をしに来たのではないので、もう一度ピンポンを押す。
おぉっぱぁあああい♪
連打したくなるなコレ。
甘ったるいボーカロイドの声が俺の脳を溶かし始めた……
おぉっぱ♪おぉっぱ♪おぉっぱ♪おぉっぱぁあああい♪
この声。た、たまらん。もうちょっと。
おぉっぱ♪おぉっぱ♪おぉっぱ♪……
「んふふふ♪気に入った?その声。君も好きだねぇ」
玄関から出てきた中年のオッサンに声をかけられた。
「いや、この甘ったるい声がクセになりまして」
「しかも、おぉっぱぁあああい♪ だしね」
「ええ、そうなんです」
「気が済むまで鳴らして帰っていいけど、ほどほどにね」
そうして、玄関に入ろうとする凛古風。
「ちょっと、まって下さい。本題のほうが」
「おっぱいチャイムを堪能しに来たんじゃないの?」
「違いますよ……ちょっと、中で話してもいいですか?」
「いいよ。おっぱいチャイム押しまくるあたり、正直な人そうだし」
そうして、凛古風邸の応接室に案内された。
「どうぞ、かけて下さい。」
巨大なおっぱいが置いてある、どうしろと?
「ああ、おっぱいソファー初心者ですか、こう座るんですよ。」
もにゅん、と、胸の谷間に身を沈めた。勇気を出して同じように座る。
「おお、コレは。人を駄目にする」
「そうそう、あのクッションの弾力をおっぱいに近づけてソファー化したんです。どうです?全身がオッパイに挟まれる感覚は?一寸法師の気分?」
「一度、挟まれたかったんんですよ」
「男の子の夢ですもんね~」
あははは~と、笑う。凛古風氏と俺。やばいやばい、また本題を忘れるところだった。
「ふぅ。あの、本題を切り出して良いですか」
「どうぞ~」
凛古風氏は、おっぱいソファー胸の谷間でもにゅもにゅしている。ちょっとマネしたい。
「15年くらい前の選挙、覚えていますか?ずいぶんと暗躍されたと聞いております」
「……ああ、あの選挙ですね。色々ありました」
「今回、ウチの陣営で、あの時の作戦をやってのけて欲しいのです」
「やめた方がいい……時代が違いますよ。あの頃は、SNSとオフ会が盛んでしたから。っていうか、私が20代半ばだった頃の話ですよ。40過ぎて、あんな古い作戦やる気にはなりません」
やはりな、そう言うと思っていた。この男には最初から切り札を出すしかない。
「先生が当選したら、貴方を『おっぱいテーマパーク永久無料VIP会員』にしてくれるそうです。おっぱいの楽園へ行き放題です」
「やります。さぁ、何から始めましょう。」
って、決断はえぇよコイツ。
「まずは、選挙事務所で情報関係をお願いしたいのですが?」
「わっかりました。外出の準備をしますから、ソファーでも堪能しておいてください」
事件の前置きを「おっぱい」で書き始めたら、長くなって1話文になりました。
おっぱい、いっぱい書いちゃった。てへへ。
次の話から、凛古風視点です。