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霧転生  作者: 皇くん
5/7

前夜

あほ

今俺がいるのは敵の進路、そこでゴブレンに抱えられながら自分に中身をダバダバ出している。

そしてそこに数人の兵士が尖っている石を置いている。

『まるで田植えだな。』

「田植えが何か知らないが、、これで何ができるっていうんだ?」

『俺から出ているのは毒の水だ、これで毒沼ができてそして弱くなった足の裏に石を刺して、毒を直接体の中に入れて行進を遅くする。』

これで向こう三年はここで草木は生えないだろうが、味方の死体を食うような連中だ、これでさらに都合の良いように誘導されるはずだ。


「ボルドは、、」

ゴブレンが急に話し始める。

「いや、奴は仲間の頭を砕くほどの握力を持っている、それで俺たちに向かって投擲をしてくる。威力はもちろん飛び散った死体が悪臭放って俺たちの戦意をさらに削いでくる。何とかできないか?」

『弱点になりそうな物だな、あえて敵から戦力を削いでくるなんて。』

「まぁな、、そしてもう一つそこに弱点が一つだけあるんだ。」















この水ダバ石ゴロゴロ作戦の次にあと一つ工夫を加える。

「あのぉ言われた通りに作ってるんですけど、この槍ぃ先っぽだけよろよろすぎませぇん?なんでこんなんにするんですかぁ?」

村の中で戻ってきた。

作らせているのは槍、これは通常のものとは違う。

眠くなるように喋るこの子はスミと言うらしい。

『今回の作戦はとにかく奴らにここを攻める労力と価値がないことを何としてもわからせる。だから水ダバ石ゴロゴロ作戦も行う。』

「それとこれぇ、なんの関係があるんですかぁ?」

『先端が弱いから毒をまぶした石を体に残せる、そこから病気が発生するんだ、奴らは仲間の死体を食うんだろ?そしたら一気に病気が広がって、もしまた来ても余裕で撃退可能にしたいんだ。』

「、、また来ると思いますぅ、、、見てみたらわかりますよぉ、あいつらの怖さがぁ。」

目が暗くなる、さっきまで光があったような目が。

『あぁ、あと君たちも参加してもらうよ、この槍は投げる用のものだから、、、』

そこにいる全員が一瞬固まる。とても気まずい、無茶なことを言ってるのはわかっているがやってもらうしかない。それもみんなもわかっているはずだ。


そして今回の作戦の要は間違いなくゴブレンだ、そしてこの役目はゴブレンほどつらくて合っているものはない。


敢えて優しく扱って、期待にプレッシャーを込めてどれほど自分が重要かを念入りに、間接的に教える。辛いことが重なるが、何とか耐えて欲しい。





『うぅ、、、、』

グラグラと強烈な気分の悪さが来た。

「、、!どうしたんですかぁ?」

スミが駆け寄り、体をさすってくる。

『多分ナカミ出しすぎたんだと思う。ナントカ補充しないと、、』

「じゃあ、急いで持ってきますぅ、木のみで良いですかぁ?」

『いや、君らが食べているものじゃだめだ、、マナ、じゃなくてぼやぼやした光が強い物を頼む。』

「ぼやぼやぁ?」

不思議そうな顔をのぞかせながら訪ねてくる。

まずいな、多分ゴブリンと俺には見えている物が違うのだろう、多分伝わらない。

困った顔をしているな、何とかしないと。


『多分このまま行っても伝わらないと思うから自分で探して来る。』

「危険ですよぉ、」

『このままの状態を放置して作戦を続行しない方がはるかに危険だ、日が落ちる前に帰って来なかったら死んだと考えてくれ、、じゃあ、』

「あ、、」



一応彼らの食糧庫は見てみたのだが、マナがあるものはどこにも見つからなかった。だが、これのせいで、だいぶ作戦が遅れてしまうのかもしれない。


『ついでに、、奴らの拠点を見に行ってみるか。』


ゴブレンが言ってた進路を逆に行けば奴らがいるはずだ、マナを食べながら進む。

『やべえな、、』

ないはずの心臓の鼓動が聞こえて来る、大きく、それも耳元で、、そういえばこの体になってから音が感知できる、霧の体の時は全てがボヤボヤしていたのに、、


すると頭にひらひらした布を巻いているゴブリンを見つけた。

赤の色はぼんやりしている。

『おいゴブレン、お前も様子を見にきたのか?』

予期せぬ声かけに驚きを見せる。

「わわっ、なななんですか、、?」

『俺もお前と一緒の用だ』

ここの茂みからこっそり覗く、ゴブレン達の村とは違う。全く家がない、焚き火が数個その周りに何人もがたむろしている。涎をダラダラ垂らしてる。やっぱ明らかに体格差がある。


「、、、そうだ、俺らはあんたのことを何と呼べば良いんだ?」

『そうだな、、スライムとでもよんでくれ。』

「、、スライムさん、、誰がボルドかは分かるか?あの、、」

『でかい奴だろ、?真っ赤な、、、』

めちゃめちゃ身長が高い力士って感じだ、400cmはあるんじゃないだろうか。

「真っ赤、、?」

『いや、気にしないで良い、、』

俺にしか気付いてない奴の異質さ、それは輪郭が真っ赤なマナで覆われている。前まではゴブレン達と同じような背格好をしていたというから、おそらく突然あのマナが出てき始めて変わったんだろう。


『ボルド達が攻めて来る前にお前らの村に異変はなかったか?』

「いや、特にないが」

『そうか、、』

多分自分の村という括りで奴の意思で変異させたのだろうか、そして力があまりに強大で体が乗っ取られたとか、、、

「そろそろ戻らないと、日が落ちます」

『ああ、そうだな。』


ボルドに力を与えている謎の黒幕なんかがいたとしたら、

恐らくボルドは何とかなるだろうが、ボルドより強かったら勝てる未来が見えない。

何と無くで命を張ってたくさんの命が俺の方にかかるようになった。

ゴブレンは自分からではなく他からの影響でなった物だが、俺は自分から敢えて入っていってしまった。


これで逃げてしまったら俺は、、、、俺は胸を張ってこれから生きていける自信がない。

こんな身勝手で考えなしで何で俺は、、、、、


「ちょっとぉ、急に出ていって心配しましたよぉ。」

『すまなかったな、でもボルドを見てきた、多分勝てると思う。』

「、、! 本当に言ってるんですかぁ?」

『作戦はこのまま実行できそうだ、改めてもう一度みんなで確認しよう、中央の広場に皆んな集まってくれ。』

「呼んできますねぇ」

そう言って足早に去っていった。


「ちょっとこっちに来てくれ」

そう呼びかけるのはこの村の村長だった。

「最初は強い当たり方をしてしまったな、けどお前がこんなに献身的にこの村のために身を削ってくれるとは思ってもいなかったんだ。謝らせてくれ、申し訳なかった。」

そう言って頭を下げる

『はい、わかりました』

頭を上げる

「呼び止めてしまったなおそらくみんなあつまっているだろうから早くいくとしよう」

『ああ』

まさか謝罪の言葉をくれるなんて、よかったこれで俺に指揮に反対して来る者はここにはもういないだろう。


広場に行き作戦の発表を行う。

『よし、じゃあみんな聞いてくれ』



ほあ

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