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霧転生  作者: 皇くん
2/7

始まり

人と会話させてえな

『あれ、、ここは、、、』


四肢がある感覚がする。まるで暗闇の中で湖に大の字で浮かんでいる気分だ。

とても心地よい。水の中に沈んだり浮かんだり。浮かぶと上に光が差し込み沈むと消える。


『どこ、、なんだろう、、』


そう考えていると光が強く差し込みそこからとても細長い手が胸元の皮膚を引っ張ってきた。


『まだ、、起こさないでくれ、、、』











『、、!』


目を覚ますとさっきとは別の場所にいた。足元には花が枯れて咲いている。おそらくマナを吸ってからだろう。


『さっきの夢みたいなの、、何だったんだ、、いやそれよりどうやって生き延びたんだ、、?無意識のうちに生存本能が働いたのかな、体の穴も消えている、、』


しばらくボーーっとし気持ちを整理する。

すると自分の体の中にあるものがあると気づく。

『これは、、核か、、?』


丸いものがある、体に穴が空いても死ななかった理由はおそらくこれだろう、この核が攻撃されない限り何度でも生き返れる。

『自分の体すらよくわかってないのか俺は』


落ち込むのは後にしよう、次の戦略を立てる。水が弱点という考察は外れていた。


『マナを餌にしてスライムを誘導する形は確実にあってるはずだ、、』


だがその先のあの皮膚を破る方法がない、こうなったら少し遠くに散歩しにいってヒントを探しにいくしかない、リスクがあるのは重々承知しているが仕方ない。


しばらく歩いていると人を見つけた、、人だ!!いろいろな物を発見してきたがここまで嬉しい発見をしたのは初めてだ。

『おーーーーい!!!!助けて、、、』


まずい、助けてほしい欲求が強すぎて、人が今の霧の体に対して友好的でない可能性を考えていなかった。いや本当は心の底ではわかっていた。

『これ以上、自分で自分を傷つけるのはやめよう、、』


しかし大事な発見をしたことには変わりない、その人は明らかにいわゆる冒険者という奴だろう剣に腰の周りにはポーチのようなものが、おそらくあの中には冒険に役に立つものがあるのだろう、喉から手が出るほど欲しいが我慢だ、尾行して行って何かヒントを得られるか確認だ。


すると立ち止まり地図のような物を見始める。人の文明レベルは恐らく近世か中世か、

そんな事を考えていると急に走り出した。


途中のその道にスライムが立ち憚ってきたがスピードを落とす事なく持っていた剣であっさり一刀両断。

スライムは水のような物をぶちまけて動かなくなってしまった。

『は、早い、、!』


とてもじゃないが追いつけないせっかく見つけた重要なヒントの手がかりを失ってしまった。


すると即座にスライムの死骸を別のスライムがやってきて吸い尽くしてしまった踏んだり蹴ったりだ。


『まぁ、、次の戦略は立てれた、これで確実に次はやれるだろう。』


第二次スライム吸収計画の概要はこうだ、まず前回と同じようにマナを餌にして罠のポイントに誘い込む。誘い込んだ後木の上から石を落とす。そこは坂でなければならない。

もし石で殺しきれなかった場合坂に転がし木の枝を使った剣山のような物を作り相手を拘束。そもそも転げないんじゃないかという心配は気にしなくて大丈夫だ、次は俺が囮になる。二回も意識せずに急に突っ込んできたがなんとか今生きてるんだ。

十分注意すれば回避は可能だろう。


『木があって、そこが坂で木の枝が沢山あるところなんてすぐに見つかるだろう。』








〜数十時間後〜


少々別にやることができたから時間がかかってしまった、そしてこの間新たに分かったことが一つ。この体は睡眠を必要としない。

もし必要だったらもっと時間がかかっていただろう疲労も感じないため何とかなった。


『さあきやがれ。』


数分もたたないうちにスライムがやってきた、そして餌があるところまで来て食いついた!


『今だ!喰らえ!!』

石を落とすが、霧の体で木の上まで運べるような物だ。スライムに効くはずもなかった。

『まぁ良い効いたらラッキー程度に考えておいたからな。』


スライムは場所を移動してない急いで坂下に降りる。

『おーーい!!馬鹿スライムーー!!こっちを見ろー!!』


すぐにこっちを見て来たまぁ顔がないのでどっちが正面なんてわからないが、いつ来てもおかしくない、、


両者の間に緊張、、いや俺の体に緊張が走る、、、、










ガバッ!!

『きたなっ!!!』

回避成功!!!スライムは坂を転がり落ちて見事に剣山にかかる

『よし!!!』


そしてあらかじめ足元に置いていた比較的硬い木の枝を持ち坂を最高高度から一気に滑り落ち懐に滑り込む。


『おらぁぁぁぁ!!!』


グサッ!!確かな手応えがある。確実に刺したもし生きているならすぐに反撃が来る!!


『クッ!!』


もしものことを考え目を瞑ったが敵の攻撃は来ない。

目を開けるとそこには萎んだスライムがあった、マナを大量に放出している。


本当の本番はこれからだ、これを喰って何ともなかったら恐らく心が挫けてしまうだろう。


『お願いします!!』


そう言って死骸を覆い込むようにして内容物を吸い取る。


前に見た夢のような心地よさがやってくる。


『うお、うおおお』


体の周りを光っている玉粒のようなものが走る。それと同時に強烈な眠気が来た。


『うぅ、、』



















『あれ、、』

体が萎んでいる、それに体の輪郭を示す光の筋がはっきりとしている。

『スライムになったのか、やっと異世界定番の最弱モンスターになったのか、、ハハッ。』


思わず笑みが溢れる、数日ぶりに来る笑みの感情はとてもよかった。これからは同種になったスライムに怯えながらマナを貯める日々が終わる。


『さて、次はあれだな』


今回の作戦が少し遅れてしまったのは次にやることが決まっている。

何をしていたのかというと冒険者が持っていた草を集めていた。ポーチから少しはみ出ていて形がとても独特だったために覚えるのは容易だった。その草をデカイ角と体を持った猪が食べているのを見たのである。

そして虫と共にその草を吐き出していた、おそらくあの草は毒なのだろう。この毒を体の中に入れることができれば大型の生物も狩れるかもしれない。


集めた草の本数は21個これを一気に食う、毒に当たって死ぬことは恐らくない。殺したスライムではないが他のスライムでこの毒草を食わせてみたところ何にもおかしくなったところがないだけでなく、その毒を含んでいた。

だからこれを喰っても倒れる心配はないということだ。恐怖心は全くと言って良いほどない。

『有効に使えれば楽になるだろうが、、』


一気に含んで吸うと体に心地よいものが流れていくような感覚がした。

『あれ、、また光の玉が回って。』


これは進化の前兆、まさかこんなに簡単になれるなんて、、




『眠気は来なかったな、拍子抜けだな。』


体の周りには異変はなかったが、中に異変がある、霧のようなものが体の中にある。


『輪郭しかわからねえからな』


取り敢えず中の毒吐き出す練習をしてみよう、

口の中で唾液を溜めるようにするとあり得ないぐらい圧縮された。

ピーーーーーっていう感じで出すと木に細くて深い穴が空いた。

その穴からは煙のようなものも出ている。


『俺は普通のスライムではないのだろう、取り敢えずポイズンスライムってことにするか。』


これでこの世界に来て最初に立てた目標を全て終わらせた。次の目標も考えないとな、取り敢えず活動範囲も広くなるだろうし世界を知ることにしよう。あの冒険者のことも気になるし、人間の世界にもいってみたい。


『なんだか昔みた冒険ものの物語みたいでワクワクして来たな。』


心が躍る、心はやっぱり少年のままなのだろうか。


『ハハハッ』








ちなみに前回湖に落ちたスライムが再度攻撃してこなかった理由はあの湖の水深が思ったより深かったからです。恐らくあのスライムはいっしょうあそこで過ごすことになるでしょう。

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