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霧転生  作者: 皇くん
1/7

〜もはや生き物ですらないですが、頑張って生きていきたいと思います〜

駄文ですが

「ねえ、私本当に弘樹が将来についてよく考えているか分からないんだけど。」

不安そうな眼差しで俺の表情を見てくる。


「俺は本気でなりたいと思っているんだよ!そのために親の協力が必要だからさ、お願いだから分かってよ。」


顔を赤くし懇願するように頼み込む。


「、、、」

しかし不安そうな表情は拭いきれていない、その顔を見た俺は怒りに心を支配されてしまう。


「もういいよ!」


あえて大きな足音を立てて自分の部屋に逃げるように入る


今日はすることもなく課題をやって寝ようと思い机に向かった。


「なんで分かってくれないんだ、、」

まさにその時。

「あれ、なんだ頭がぐらぐらする。」


突然だった、今まで頭がぐらぐらしたことはあったがこんなに酷いのは初めてだ、目の前が歪むほど。

「ッッ!!?」

急に雷で打たれたような頭痛がしたと同時に目の前が真っ暗になった、気分の悪さも最悪だ。


「あーーー、あーーーーーーー。」

一生懸命助けて!と叫ぼうとしても出るのは情けない声、

意識も朦朧とし始めた。


『死ぬのか、俺。何もできずにま、、だ』…


死にたくない、お母さんにお父さん、俺と関わってくれていた数少ない友達ともまだ話したい、両親との最後の会話が喧嘩なんて嫌だ、意地張らずに謝るべきだった。


お母さん反対した気持ちも実は分かっている、昔俺はいうことを聞かずに、自分のしたいことだけを考えるアホだった、

そんな奴に俺の夢、、起業家になるだなんて不安に思うのは当然だ。


でも俺は本気でなりたいと思っているんだ、だから頑張って勉強し、努力した。その努力をわかって欲しくて、無意味にあたりに怒りを散らして、そのせいで険悪になって逆効果になってしまった。


そんなことしても気づいてもらえるわけないのに、自分のことを大人って思ってたけど、まだまだ子供だったんだ。


もう後悔しても遅えのかな、死んでしまったら、、、



嫌だ。怖い怖い怖い怖い怖い怖い。誰か助けて助けて助けて


『あ、、、意識、、が、、、』
























目が覚めたと言うよりは意識が戻った。

生きてた。

でも生きていたということを素直に喜べない、何かがおかしい、全てがおかしいまずはこの足にある感覚だ。


『机の上でも、ベットの上でもない、これは土……?』

 

それに加えて目と鼻も効かない。



数秒経った後、暗闇の中に光の筋が伸び始め木の輪郭を作りじ始めた。

光の筋は時間が経つにつれ他のものの輪郭を作り始め、今いる場所が分かった。

『天井がない、自分の部屋でも病院のベットの上でもない。辺りは木しかないし、ここってもしかして森?そんなわけないけど、なんで、』




なぜ今森にいるとかは今考えても仕方がない、同時にそれよりもっと気にかけることができた、偶然近くに湖があったため反射で自分の姿を確認できた、手足がない、顔も、しかも輪郭がぼんやりしていて生き物とは程遠い様態をしている、物で例えるならまるで、、、


『霧だ。』


自分が霧になっていた、意味不明だがこれは事実だ、自身に起こる不可解なことが多すぎて軽く目眩がする、そういえばあんなにひどかった頭の痛みが全くない。


不可解なことは自分の身以外にも起きていた。ぶよぶよしたボールみたいなものがまるで生き物ような動きをしている。



『あれはスライムか、、こんな現実世界にはありえない生き物がいるなんて、、、』


『異世界転生、、、?』


目眩どころか気絶しそうだ。

数回深呼吸した後、自分でも驚くほど冷静さを取り戻し自分の今しなければいけないことを考える。


・この体で生き残る

・食べ物を見つける

・友好的な知的生命体を見つけたら接触を図る


取り敢えずこの三つだ、優先順位は一番上が上、三つ目はいたらラッキー程度に考えることにして、まずは何か食べれる物を見つけるのが最優先とする。



『うう、、』


やることが決まりひと段落するとさっきとは比べ弱い頭痛と共にとんでもない不安と焦燥がやってくる。


『はぁーー、はぁーー、はぁーー、はぁーー、』


何回深呼吸してもさっきの冷静さは取り戻せない、いきなり異世界に行くなんて考えたこともなかった。


『どどどどうしよう、もしもしもしもしもし帰れなかったら。』


そしてこの世界が俺が見知っている異世界物とは違い甘くないことを知る、こんなに動揺をしていてもだ、さっき見たスライムが俺のそばにいる。


『あ、あれ、いつの間にかこんなに近くにいるなんて、気づかなかっ____』


突然俺の体に突っ込んできた。突然のことで驚きかわそうとしたが体をかすってしまった。かすっただけなのに。


『痛い!!痛い!!!!!!!!』


皮膚が一気に剥がれたような痛みがする。今まで経験したことがないような痛み、苦しい苦しい苦しい。


『や、やばい次きたら、、死ぬ!!!』

ドボンッ!!!


人生二度目の死の覚悟をしたと同時にスライムが水に落ちた音がした。


『た、助かった。』


安堵と同時に深い悲しみがきた、なんで俺がこんな、かすり取られた部分がヒリヒリして痛い、こんなに痛いくて、悲しいくて、何もできなくて、悔しい、のに涙一滴すら出ない、

こんな体になってしまったと言う現実を理解し、また一層深い悲しみがくる。


『あんなに弱そうなスライムにですら負けてしまうなんて。

このままの状態じゃダメだ、絶対に諦めない挫けない。

もっと強くならないと生き残ることすらできない!!!

絶対に、絶対に強くなって元の世界に帰ってやる。』


3つのやることリストに一つ【強くなる】が加わった。


まずは最優先生き残るために食べる物を見つける、一番手っ取り早い方法は俺の同類、取り敢えずモンスターとミストを掛けて魔物霧【スターミス】と名付けた。


ネーミングセンスは皆無だがまあいいだろう。


そいつを見つけ観察するのが最善だが、さっきのようにスライムに見つかる、すなわち死のリスクが大き過ぎるからその辺にあった草や石、そして動物の排泄物。なんでも食った。食うと言うよりかは吸った。初めて匂いを感じない体になったことを感謝する。


割とマジで。


何か他に食べれそうな物を探していると一つ明らかに異様な光を放っている花を見つけた。


『食べてみるか』


食べてみると、かすり取られた部分が徐々に修復され、痛みがだんだん引いてきた。そして少々の満足感、間違いない。


『この光が食べられるのか。』


やった、初めてこの変な世界に来て達成感を覚える。


よし、取り敢えず食べられるものが見つかった、次の目標は強くなることだ、筋トレなんかはこの体では出来ないだろうし、何をするのかが検討がつかない。


異様にテンションが上がり思考もどんどん加速していく。


そしてあることに気づく


『そういえば、なんであのスライムは俺のことを捕食しようとしてきたのだろう、食事のためなら俺じゃなくて花を食うはずだ。嫌、俺とスライムは体の構造が明らかに違う、魔物霧はスライムが天敵なのか、、?』


そこで一つ実験、さっきの光っている花、取り敢えずこの光のことを魔力【マナ】と呼ぶことにする、このマナを食ってスライムが生きていくなら、この罠にも掛かるはずだ。


霧の体でも少しの物なら運べる、沢山ある木の枝を網状に置き葉っぱを被せその上にこの花を置く。

スライムに知性がないなら必ずかかる。

小学生の時にアホになる程作ってきたからこの罠の精度は信頼できるだろう。


この場から外れ他にこの光を発する物を集めよう。


しばらく辺りを歩いてみると


ズシン、ズシン、ズシン、ズシン、


と大きな足音が聞こえてきた、一歩一歩奴が進むたびに体がプルプル震える。


そいつの姿は大きな猪のようなものだった、頭部に大きな角があることと、


『象より明らかに、、デカイよなこれ、、』


今まで体験してきたことに比べたら驚きも減っている、強くなったものだ。


『頼むから気づかないでくれよ、、』


息を落ち着かせ離れていくのを待つ。


ズシン、ズシン、、


足音が小さくなっていく、助かったようだ、気を取り直しマナを見つける作業を始める。


次からはあんな生物に何度も会うかもしれないが、さっきの猪を見つけてもあれだけ落ち着けたんだ。多分大した問題にならないだろう。


『慣れてきたな、この世界にも。』














体感で6時間はすぎた、どうやら花だけでなく石や草、そして動物の死骸、まあその死骸は普通の動物じゃなく明らかに大きいサソリの死骸で、石や花と違い発しているマナの量は段違いだった。


でもその周りにスライムが多くいた為近づけずにいた。あれを吸えたら良かったのに。残念だが仕方ない、罠の様子を見に行くとしよう。



『マジか、かかってる。』


そこにはサイズが一回り小さいスライムが穴にはまっていた、ピクリとも動いていない、。


『スライムも俺と同じでマナを食って生きていくのか。』


俺のことを攻撃した理由は捕食以外のものだ、スターミスは多分スライムの敵にすらならないほど弱いから、生き残るために攻撃してきたわけではない。ここに強くなるヒントがある。


『スライムを食べれば何か変化がある、もしかしたら状況を改善できるかもしれない。』


めちゃめちゃ怖いが死を二度覚悟したんだ、この程度では折れない。よし、吸うぞ。


『すぅー、すぅー、すぅー、すぅー、』


深呼吸をし覚悟を決めてスライムに覆い被さる。だが吸えない。

まずい体力を消耗させれない、反撃を喰らってしまう、急いで吸うのを辞めて回避しなければ。


ガバッ!!


危ない、穴からスライムが急に飛び出してきた、数秒遅れてしまっていたら体に大穴が空いていただろう。


しかし何も収穫がなかったわけではない、奴は皮膚のような物に体の中に水分のような物を覆わせている、その皮膚を破り中身を出せば奴を食える。


そう確信し、次の行動に移る、餌となるマナはまだ沢山ある。挫けない前に進み続ける。


『さっき食われた後、何でスライムは次の攻撃に映らなかったんだろう。』


水が弱点だからだろう、細胞の浸透圧という言葉を思い出す。よし、そうと決まれば早速水を使った罠を作る。



まずは穴を掘って、上手いこと湖を使い掘った穴に水を貯める。そしてさっきの要領で穴を隠しマナを纏った花を置く。そのそばにその穴を閉じれるような石を用意する。


穴を掘る簡単な作業だったはずだが、霧の体になってしまったから、想像以上に気力と体力のような物を使う。いや、体力はあんまりに気にしなくていい。マナを取れば速攻で回復できるからな。


『絶対に挫けない。』

作業時間約8時間


完成した作戦の内容はこうだ。マナを見つけている間の時間にスライムが罠にかかるのを祈る。見事かかっていたらその上に石を置き飛び出さないようにし頃合いを見て開けて、中身が飛びてていたら吸う。


運の要素がとても強いがやってみるしかない。


実はこのマナを見つける探索も命懸けだ、異世界の最弱といえばのスライムにボコボコにされるような体だから他の生き物に見つかるのはとてもリスクが高い。 だからこの湖の遠くには行かないようにしている、この周りには多分さっきの猪より強いモンスターは居ない。


まあ猪がどれくらい強いかわからないが少なくとも俺の天敵ぐらい簡単に潰すだろう。


〜数時間後〜


8個しか見つからなかったがまぁいい。さっき遠目でかかっていることが確認できた。急いで駆け寄り石を動かす。


『ふんーーーーーーー!!!!』


力を出し尽くし蓋をする、今あるマナ8個がなくなるまでここに留めておくことにした。

マナを保存している場所とここは多少離れているため。しばらく放置する形になる。


『頼むから上手くいってくれ。』










何日か経った後貯めておいたマナを食い尽くした、幸運にもモンスターがこの間近くに来なかった。

この幸運が是非続いてほしいところだ。


『さて、数日ぶりだな。』


蓋を開けようと石を少しずらした瞬間、勢いよくスライムが飛び出した。


『ッ!!!!』


体に大きな穴が空いた。また失敗した、やばい、痛みを感じない。

ヤバイヤバイやばいやばいやばいやばい。

何をすればいい?何をすればいい?スライムは?なぜ痛みを感じない?あれあれあれ?


駄目だ、落ち着けしっかりと強い石を持つんだ!!


『はぁーーー!はぁーーー!俺は、、、決して挫けない、、ぞ、、、』


また俺の意識はまた深い暗闇の中に沈んでしまった。















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