33-波のプール
僕が逃げたのもありますが、気温も高いのでみんなで早速プールの中に入ることにしました。どこにするかで軽く悩みましたが、最終的に波のあるプールにしました。
「よっしゃ、奥まで行くぜー!!」
「ちょっと待ってよ!」
到着と同時にテンションMAXで波の発生源ギリギリに向かう蓮也と置いてかれないようにする錦田さん。想像通りの行動を取るので面白いですね。
「弥恵は行かないんですか?」
「いい。かずくんも行かないでしょ」
「行かないと言うより行けないの方が正しいですけどね……」
そもそも僕泳げませんし。足の届くところなら歩いて行くのですが、奥は深くなっているので頭を出すのもたぶん厳しいです。波があるから顔にもろ水がかかりそうですしね。
ということで浮き輪に体を委ねつつ、適当なところでゆらゆらと揺られています。水が冷たくて気持ちいい一方、日の強さで肌が焼けそうです。
「冷たい」
「これだけでも来た意味がありますよね」
「うん。あと水着姿見れたし」
「そうですね。僕も弥恵の水着姿が見れて嬉しいですし。こういう時に眼福って言うべきなんですかね?」
ちょっと冗談っぽく感想を言うと、急に褒められて照れたのか弥恵が顔を真っ赤にしています。
「バカ。そもそも眼福なのは睦美の方」
「そこは人によりますよ。僕はさっき言った通りですし……と、さっきはセクハラ紛いのことを言ってすみませんでした」
「気にしてないし、嬉しかった」
浮き輪で浮かびながらですが頭を下げて謝ると許して貰えました。それでも今後は気をつけるとしましょう。
「でも今日1日はそのネタで弄る」
「あーお手柔らかにお願いします」
「気分次第」
いい玩具が手に入ったというように喜ぶ弥恵に少しだけイラッと来たので手で水をすくって弥恵にかけてやります。
不意打ちだったのもあって水を思いっきりくらってしまった弥恵。仕返しをしようとしたその瞬間、大きな波が来ました。
浮き輪の僕は波に合わせて揺れただけですが、浮き輪から離れて立っていた弥恵は横顔に波が直撃します。何が起こったのか分からなかったのかキョトンとしたその顔を見て、僕は笑いを堪えきれませんでした。
「くふふふ」
「かーずーくーん?」
「いや、ごめんなさい。でも面白くって」
「許さない」
そう言い残すと水の中に弥恵は消えていきました。何をするつもりだろうと思っていると突然お腹を誰かに撫でられる感覚が。いえ、犯人は分かりきっていますが。
「弥恵!?」
「嫌なら止めればいい」
「浮き輪が邪魔ですし、そもそも僕泳げないの知って言ってますよね!?」
「大丈夫、いい感じに引き締まってる」
「そういう問題ではありませんが!?」
結局蓮也たちが戻ってくるまでの間、弥恵にお腹周りを触られ続けました。体の向きを変えたりと色々抵抗しましたが全て無駄でしたよ。




