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46-その気持ちは side一成

本日3話目の更新です!


まだ1話目、2話目を読んでいない人はぜひそちらを読んでからこちらをお読みください。

「なぁ、一成(かずなり)

蓮也(れんや)どうかしましたか? 勝負の景品は取り消しませんよ?」


 いつもなら弥恵(やえ)と2人の家に、今日は蓮也と2人でいます。恐らく今頃弥恵は錦田(にしきだ)さんのお家にいるでしょう。


 ご飯も食べ終わって、食後の一休みとして2人でリビングのテーブルに座ってゆっくりしています。今日も蓮也はいい食べっぷりでした。


 それで勝負の景品というのはご飯を作り始める前にしたオセロで勝ったので、今度蓮也が僕にジュースを1本奢るというものです。もちろん2リットルではなく500ミリのほうですが。


「いや、それは俺が負けたせいだしな。レーシングゲームがあそこまで雑魚かったから油断した……」

「ふふふ、ボードゲームだけはまともなんですよ」


 ボードゲームに反射神経とかはいりませんからね。逆に10秒ルールとかつけられたら途端に弱くなります。


「で、そうじゃなくてだな。聞きたいことがあってな」

「聞きたいことですか? 別にいいですけど」


 珍しいと言えば珍しいですね。そもそもそんな前置きするような性格を蓮也はしてないですし。何か重要なことなんでしょうか?


「一成は中松(なかまつ)さんのことどう思ってるんだ?」

「弥恵のことですか? どうって……大切な家族だと思ってますよ」

「ふーん。じゃあ恋愛対象としては?」

「恋愛対象ですか?」


 いきなり何を言い始めたかと思えばそういうことですか。恋バナがしたい、と言うよりは僕が弥恵と付き合っていないのか知りたいといったところでしょう。


「先程も言いましたが大切な家族ですから。蓮也だってお母さんに本気で恋したりしないでしょう?」

「それはそうだけどな。でもそれとは違ってお前と中松さんは同い年だぞ?」

「だから違いますって。僕と弥恵はそういう関係じゃありません」


 そう言って微笑むと一瞬心臓が痛くなりました。最近こういうことが増えましたが1度病院に行くべきですかね。


「……ならもしもの話だけどさ、俺が中松さんのこと好きだって言ったらどうする?」

「なっ!?」

「落ち着け。もしもの話だって言っただろ」


 蓮也の口から出た信じ難い発言に思わず立ち上がってしまいましたが、蓮也にそう言われ座り直します。


「もしもとはいえタチの悪い話ですね」

「悪かったって。俺だって一成がそこまで反応すると思ってなかったんだよ」


 そう言ってすまん、と軽く謝る蓮也はどこかいつもと様子が違っていました。その目は僕を見ておらず、まるで僕の心の中を見透かしているようで……


「でもお前はその時にとやかく言える立場にいないだろ?」


 そう返してきた蓮也に僕は何も言い返すことが出来ませんでした。なぜなら図星だったからです。


 そう、僕と弥恵は家族のように思っていてもただの幼なじみ。弥恵の色恋に僕が介入する権利は一切ありません。例え弥恵がどんな男と付き合うことになったとしても、僕は口を挟めません。自分でも分かっていたことです。


 その事実を改めて突きつけられ目線をテーブルの方へ下げます。ここまで落ち込むなんて……でも弥恵のことは家族同然に大事だから……


「家族みたいなものだから、って言い訳するなよ」

「……蓮也?」

「お前は中松さんのことを好きなんだよ」


 その一言を聞いて僕は足元が揺れた気がしました。いや、揺らいでいるのは足元ではなく僕の心でしょうか。


「な、何を……」

「それだけ大事に思っていて、独占欲がある。それを恋と呼ぶんだと俺は思うぞ。なんでそこまで家族ってもので蓋をするのかは分からんけど」


 蓮也の言葉が頭に入ってくるのに理解ができません。違いますね。僕の頭が理解するのを拒否してるのでしょうか。


「っと、悪い。ホントはここまで言うつもりは無かった。ただ自分の心に嘘をついてる一成が見てられなくてな……」

「いえ、大丈夫です」

「「……」」


 どうしても蓮也の顔が見れません。なんでここまで僕は心がザワついているんでしょう。


「あー、もう。めんどくせぇ!」

「?」

「俺の言ったことはあくまでも俺個人の思ったことだ! お前の中では違ってるのかもしれないけどそれはもう知らん! あとはお前が中松さんのことを一人の女性としてどう思っているのか、だ!!」


 頭をかいてそう言う蓮也はいつも通りの蓮也で。そんな蓮也の姿に自然と笑いが込み上げてきました。


「なんだよ、笑うなよ」

「蓮也、ありがとうございます。ちゃんと考えてみます」

「お、おう。俺は風呂入ってくる」


 そう言ってバツが悪そうに蓮也はお風呂に消えていきました。残された僕は外を見ようと窓の方を向きましたが、窓にはカーテンがかかっていて外の様子は分かりませんでした。


 僕は弥恵のことを、家族としてではなく、一人の女性として好きなんでしょうか。

これにて第1章、1学期編はお終いになります。


まずはここまでついてきて下さった読者の皆様に感謝を。


本当にありがとうございます!!((((ノ。・ω・。)ノ♡


また第2章、夏休み編ですが3月になってから始めたいと思います。


詳しいことはこの後活動報告にて書こうと思います。


最後にここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!!


今後ともよろしくお願いします!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 弥恵ちゃんクールかわいい [一言] 最近幼馴染が酷いことになる作品が多い気がしてるのでいちゃらぶ幼馴染で好きです!
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