32-翌朝
今回は大会翌日の朝の様子です!
大会が終わった翌日。朝ごはんを作っていると扉が開く音がしました。手を止めて音の方を見るとそこには弥恵の姿が。
「おはようございます」
「お、おはよう」
「今朝ごはんを作っているからもう少し待っていてくださいね」
「ん、分かった」
ちょこんと大人しく椅子に座る弥恵。いつもよりも動きが硬いのは昨日のことを思い出してしまったのでしょう。
「お待たせしました。今日はベーコンエッグですよ」
「かずくん、あの」
「とりあえず先に始め食べましょう。せっかく上手に出来たので冷めたら勿体ないですから」
「あ、うん」
「「いただきます」」
弥恵の話を遮る形になってしまいましたが仕方ありません。言いたいことは分かってますがそんな緊張しなくていいんですよ。だからご飯でも食べてリラックスして欲しかったんです。
「あ、美味しい」
「半熟具合が最高じゃないですか?」
「うん!」
今日のベーコンエッグは今までの中でもトップ3に入る出来です。僕も弥恵も目玉焼きは半熟派なのですが、今日のやつはこのトロリと黄身が出てくる感じが完璧だと思います!
「あ、それでかずくん」
「昨日のことは忘れてくれ、ですか?」
「え、あ、うん。そう」
「嫌です」
「え!?」
驚いていますが僕が意地悪だから忘れてあげない訳ではないですよ。そもそも
「昔から一緒にいるから誰にも知られたくないことをお互いたくさん知っているじゃないですか。今更1つ増えても変わりませんよ」
「……確かに」
「だから誰にも言いませんが、忘れることはしませんよ」
かれこれ10年以上弥恵と一緒にいますが、小さい頃の可愛らしいミスや若さ故の過ちなんてお互いいくつもあります。そしてそれはほとんど相手にバレてますからね。直近で言うならゴールデンウィークの時のことも僕の中では黒歴史ですし。
「ならいい。もしも言ったらかずくんのマル秘ノートの中身を暴露する」
「それの話はしないって約束だったじゃないですか!」
「話さなければ大丈夫」
「くっ、こういう所は幼馴染ってやつは厄介ですね!」
「それもお互い様」
マル秘ノートとは僕が中学2年生の頃に作ってたノートです。中身は秘密ですが男子なら誰しも作るものだと思ってます。1人作ってほくそ笑んでいたやつですがそれを弥恵に見つかり……後のことはもう忘れました。そう、忘れたということにしました!
僕のことをいじって薄く笑う弥恵。ちょっと仕返しをしてあげましょう。
「今日はいい天気ですしピクニックにでも行きますか?」
「ピクニック?」
「はい。いい感じの暖かさですし」
「いいと思う」
「あ、でもそんな腫れた目で外に出ていいんですか?」
「嘘!?」
「本当です」
腫れてるのは当たり前でしょう。昨日あれだけ涙を僕の服で拭ったんですから。でも弥恵は気づいていなかったみたいで慌てていますね。
「弥恵がそんな風なのでピクニックはやめですね」
「……最初から行く気なかったでしょ」
「なんのことですか?」
とぼけましたがもちろん最初から冗談です。単純に弥恵の目のことを教えるついでに慌てさせるためのでっち上げです。
「とりあえず今日は1日家でゆっくりしましょうか。あとで濡れタオルでも持ってきますよ」
「ゲームでボコボコにする」
「お、お手柔らかに……」
この後ボコボコにされた一成くんでした。
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