23-体育祭③
体育祭編ラストです!
〈パァン……パァン……〉
体育祭があった夜、夕飯の準備をしているとリビングのテレビから銃声が聞こえてきます。弥恵のスナイパーライフルが火を吹いているようです。
「かなり不機嫌なようですね……」
弥恵がFPSをやるのは好きなのもありますが、最近は主に憂さ晴らしの時が多いです。特にスナイパーライフルを持っていく日はストレス発散が目的だと過去の傾向でわかってます。恐らく今頃はヘッドショットを連発しているんでしょう。
ではなぜ弥恵の機嫌が悪いのかと言えばもちろん体育祭のことです。特に弥恵の参加したクラス対抗リレー女子の部ですね。
蓮也たちが1位を獲得したあと、女子たちのクラス対抗リレーが始まりました。弥恵含めて4人とも全力を尽くしていましたが結果は惜しくも2位。1位を獲得したクラスがそのまま全体優勝をもぎ取っていきました。
負けず嫌いな性格の弥恵にとって今日負けてしまったことだけでなく、もしも女子たちも1位だったら僕たちのクラスが1位だったということがたまらなく悔しいのでしょう。僕たちは3年生なのでまた来年、ということもできませんし。
「ご飯を食べて機嫌が直ってくれるといいんですが……」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「「ごちそうさまでした」」
夜ご飯を食べ終わったあと、弥恵はお皿を片付けるとすぐにフラフラとテレビの前に戻っていきます。「もっと……まだ足りない……」とボソボソと呟きながらその姿は完全に血に飢えたスナイパーですね。
「ほら弥恵、こっちに来てください」
「……うん」
弥恵を元に戻すためにもあぐらをかいて弥恵を呼びます。僕のやりたいことを分かっているため弥恵も1つ頷くと僕に近づきそのまま僕の足の上に座ります。
「諦めが悪いのはダメではありませんが、そろそろ受け入れたらどうですか?」
「だって」
「負けたのが悔しいというのは分かりますよ。それもあんな僅差でしたからね」
女子のクラス対抗リレーで1位と僕たちのクラスの差はほぼ0でした。たぶんゴールタイムも1秒も違わないはずです。タッチの差、とはああいうことを言うんだと思います。
「でもいつまでも悔やんでいても仕方ありません。僕たちの体育祭は今年でラストでしたから」
「むぅ……」
「それにみんなが全力を出しました。結果6組に負けてしまいましたが相手の方が強かった、それだけです」
……まだ納得はできていないようですね。なら少しずるい言い方をしましょう。
「それに負けた責任は弥恵たちよりも僕にあります。僕が大縄跳びであんなに引っかからなければ勝ててたはずですし」
「そんなことない!」
「……なら誰も悪くないです。負けた理由は単純に僕たちの実力が足りませんでした。悔しさは飲み込んで、文化祭の時にでもリベンジしましょう」
弥恵は何も言わず黙ってます。心のなかで折り合いをつけているのでしょう。
「あと僕は弥恵に感謝しています。弥恵のおかげで借り物競争で1位になれました。人生で初めての快挙でとても嬉しかったんです。本当にありがとうございます」
今は弥恵の目を見ることはできないので代わりに優しく頭を撫でます。こういう時は身長差があってよかったと思うんですよね。
「……どういたしまして。お礼は美味しいものともうしばらく頭を撫でて」
「分かりました」
恩人のリクエストに応え頭を撫で続けます。弥恵の機嫌も直ったようなので一件落着ですね。
「……かずくん」
「どうしました?」
「ありがと」
「どういたしまして」
少し重要なことを活動報告に書きました。
本作の更新に関係することなので確認お願いします!((((ノ。・ω・。)ノ♡




