21-体育祭①
体育祭スタートです!
また昨日はジャンル別日間ランキング68位、日間PV1,000突破、ブックマーク登録数110突破。総合ポイント400突破と嬉しいことが重なりました!
本当にありがとうございます!!((((ノ。・ω・。)ノ♡
天気は一昨日と違って快晴、今日は待ちに待った……いえ、むしろ来て欲しくなかった体育祭の日です。
「晴れてしまいましたか……」
「そんな残念がるなって。授業がないだけでも嬉しいだろ!?」
「いえ、授業の方が嬉しいです」
隣では体育祭を待ちに待ったであろう蓮也がハイテンションで話しかけてきます。勉強嫌いの蓮也にとっては最高の日かもしれませんが運動嫌いの僕には地獄の一日ですよ。
「基本は応援だけだからいいじゃない」
「がんばろ?」
「……2人の言う通りですね。やれるだけやりましょうか」
嘆いていても仕方ありません。それこそもしかしたら1位だって取れるかもしれませんから。いえ、それは言い過ぎですかね。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「1位だぜいぇーい!!」
「流石ですね」
運悪く風邪をひいて休んでしまった守谷くんの代わりに障害物リレーに出た蓮也が満面の笑みで帰ってきました。ニカッと笑ってピースする様はとても爽やかです……顔が真っ白でなければ。担当したのが飴玉探しだからその時の粉がついたままです。
「ほら、このタオルを使って。水で濡らしておいたから」
「おお、サンキュー委員長!」
すかさず錦田さんが蓮也にタオルを渡します。こういう気配りができる所は彼女の良いところの1つですね。もしかしたら蓮也だから、というのもあるかもしれませんが。
「まだちゃんと取れてないわ。拭いてあげるからちょっとタオルを貸して」
「悪いな」
「いいのよ」
本人たちは無自覚でしょうがかなりいい雰囲気です。優しく粉を拭う錦田さんと目を瞑ってそれを受ける蓮也。当然2人の距離は近くなるわけで……
「これで良し、と……な、何見てるのみんな!」
全て拭き終わったあとに錦田さんが顔を上げるとニヤニヤと見守るクラスメイトたちに気づいたのか顔を真っ赤にしてます。蓮也も錦田さんの言葉で自分たちのしてたことを自覚したのか若干顔が赤くなってますね。
「睦美ちゃんだいたーん」
「蓮也ー、錦田さん直々に拭かれるのはどうだったんだ?」
早速錦田さんは女子たちに、蓮也は僕を含めた男子たちに囲まれ、からかわれます。蓮也は少し照れながらも軽口で返してますが、錦田さんの方はテンパっていますね。
「蓮也、無自覚とはいえあまりみんなの前でイチャついちゃいけませんよ」
「いや、それをお前にだけは言われたくない」
僕もみんなに交じってからかおうとしたら何故か真顔で返されました。周りの男子たちも同意するかのように深々と頷いています。何故ですか、解せません。
◇◆◇◆◇◆◇◆
〈続いては借り物競争です。選手の皆さんは入場門に集まってください〉
ついに僕の出番がやって来てしまいましたね。仕方なく重い腰を上げます。
「一成頑張ってこいよ! 黒の水筒とか白のタオルなら俺持ってるからな!」
「私は水色のタオルと赤の水筒くらいかな。頑張ってね!」
「頑張れ」
「まぁ、それなりに頑張りますよ。結果は期待しないでくださいね」
みんなが応援してくれますし全力は尽くします。一応クラスのみんなが今持ってるものはある程度覚えましたし最短で行けば最下位は免れるでしょう。
借り物競争は1年生から順番で最後が3年生の僕たちです。だからどんなものがお題になっているのか見てますがメガネとか水筒とかオーソドックスなものが多いですね。変わりものとしてはカメラがありました。
でも3年生は借り物ではなく借り人らしいですから、どれくらい参考になるのか怪しいですが。とりあえず弥恵、蓮也、錦田さん辺りでクリア出来ると助かります。
〈さぁ、いよいよ3年生の登場です! まずは男子が走りますが果たしてどんなお題があるのでしょうか!〉
実況の声を聞き流しつつやることを整理します。まずはお題の書いてある紙まで全力ダッシュ。次にお題をクリアできる人を考えながらその人に向かって走る。そしてゴールに向かって走る。以上3工程全力でやりましょう!
〈位置について! よーい……ドン!〉
合図に反応して走り出したもののお題を手に入れたのは最後です。でもまだそこまで差はないから逆転は可能ですね。僕のお題は……
「弥恵!」
「ん、行こ」
声を限界まで出して弥恵のことを呼びます。直ぐに弥恵は反応してくれて僕の元へ来てくれたのでそのまま手を繋いで一緒にゴールまで走ります。僕の方が足が遅いせいで弥恵に引っ張られる感じなのはすごい情けないですね!!
〈さぁ、2組が一番でゴール!! 圧倒的でしたがお題はちゃんと達成しているのでしょうか!?〉
はぁ、はぁ……一番、ですか。やりました、ね。
〈2組のお題は……可愛いと思う女性、です!!〉
「私可愛い?」
「ふぅ……はい、僕は可愛いと思いますよ」
「ん、ありがと。嬉しい」
息を整えてそう言うと弥恵はいい笑顔を見せてくれます。うん、やっぱり可愛いですね。
〈はい、お題を満たしているのは分かったのでイチャイチャは2人の時にでもしてくださいね!〉
実況がそう言うと会場から笑いが起こります。イチャついていた訳ではないですが流石に恥ずかしいですね。隣を見ると弥恵も顔を赤くして俯いているので恥ずかしいのでしょう。
それでも、僕が一番ですか……とても嬉しいですね!!
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