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18-来たる体育祭

いつも読んでくださりありがとうございます!

 長いようで短かったゴールデンウィークが終わり、今日からまた学校です。けれど何故か登校中も、教室に着くまでもやけに注目されているような気がします。弥恵(やえ)も同じような視線を感じているのか辺りをキョロキョロと見回していますね。


 不思議に思いつつ教室に入ると


大畑(おおはた)! お前らやっぱり付き合ってんじゃねえのか!?」

「弥恵ちゃん大丈夫だった?」


 とクラスメイト達に囲まれてしまいます。どうすればいいのかと困惑していると錦田(にしきだ)さんと目が合いました。なんとかしてください、という思いを込めて彼女の方を見ると察してくれたのか指でオッケーマークを作ってくれました。


「ほらほら、2人とも困ってるしそこだと後から入る人の邪魔にもなるでしょ。2人が荷物片付けるまでは待ってあげなさい」


 手を叩きながら錦田さんがそう言うとみんな散っていきました。彼女のこういうところは流石だと思います。


「助かりました。ありがとうございます。それと昨日はすみませんでした」

睦美(むつみ)ありがと」

「どういたしまして。それと気にしないで。大事な弥恵ちゃんがあんな目にあったんだもの。怒るのが普通よ」


 あっさりと許して貰いましたがその後に続いた言葉に含みを感じます。弥恵が大事なのは当然ですが、何となく僕と錦田さんとの間にニュアンスの違いがあるように思えます。


「それでこの騒ぎの原因は昨日のあれがSNSに動画でアップされてたことね。顔とかはそんな大きく写ってなかったけど、知り合いが見たら分かるわ。それでその動画自体がどんどん拡散されたからたぶんクラスメイトどころか学校中の人が知ってると言っても過言じゃないと思う」

「そうでしたか……」


 うーん、確かにあの時野次馬は沢山いましたし今のご時世SNSにアップする人もいるでしょう。それが知り合いの目に触れたのが運の尽きですかね。


「とりあえず私も席に戻るわ。みんなを解散させたのに1人だけ話してたらダメでしょ」

「とりあえず理由は分かりました。ありがとうございます」

「ありがと」

「いいのよ。それより頑張ってねー」


 そう言ってニマニマとした笑顔で離れていく錦田さんに思わず頬が引きつりました。絶対この後のことを分かって言ってますね。




◇◆◇◆◇◆◇◆




「それでは来週にある体育祭の参加種目を決めたいと思います」


 クラスメイトたちの相手をして疲れている僕に教壇で話す錦田さんの声が追い討ちをかけます。ゴールデンウィークが終わったら体育祭でしたね……


「種目は全員参加の大縄跳び以外にクラス対抗リレー、400m、100m、走り幅跳びに借り物競争、障害物リレー、そして騎馬戦の7つになります。1人ひとつ、出たいものに名前を書いていってください」


 さて、何にしましょうか。運動能力皆無な僕は騎馬戦の騎馬が1番いいんですが……村山(むらやま)くんをはじめとするガタイが良くて背も高い男子たちが揃ってるので無理そうですね。となると借り物競争か障害物リレーか。


「おう、一成。大変そうだったな」

「大変でしたよ、蓮也(れんや)。あと昨日はすみませんでした」

「気にしなさんなってな。それでどれ出るんだよ」

「障害物リレーか借り物競争かの2択ですね。これ以外だと地の運動能力を問われるので確実に足を引っ張ります」

「なら借り物競争にしとけって。障害物リレーの方はポイント高いし他の奴らにも迷惑かけるからな」


 僕たちの学校は各学年でクラスごとにポイントで勝負します。勝ったら景品などがある訳ではありませんが、やはりみんな勝ちを狙いにいきますから蓮也のアドバイスはありがたいですね。


「そうします。蓮也はやっぱりクラス対抗リレーですか?」

「おう。まぁ、ここら辺は足の早い奴らが出るだけだしな」


 蓮也はたしか50mを6秒台で走れたはずなのでポイントの最も高いクラス対抗リレーに出るのは決定事項とも言えます。本人もやる気みたいですし当日が楽しみですね。


「何にした?」

「あ、弥恵。僕は借り物競争にしました」

「俺はクラス対抗リレーだな! 中松(なかまつ)さんは?」

「私もクラス対抗リレー」


 弥恵も足が早いのでクラス対抗リレーに出るのは毎年のことです。ちゃんと写真を撮って弥恵の両親に送らないといけませんね。


「それより借り物競争でいいの?」

「何がですか?」

「3年は借り物というより借り人(かりびと)

「あぁ、そんなのあったな」


 どういうことか詳しく聞くと3年生はいつも〇〇な異性のようなお題が出るのだとか。ゴールする時に手に持っているのが借り物競争のルールですが手を繋ぐことを躊躇う人もいるのだとか。言われてみれば去年、先輩たちが初々しい様子でゴールしたのを見た覚えがあります。


「なら弥恵が条件に当てはまるといいですね。いつもしてるので躊躇いはないですし」

「ん、それが1番」

「そんなのお前らくらいだぞ……」


 蓮也が肩を落としてますがかける言葉がないです。だって僕たちにとっては手を繋ぐなんて日常ですからね。

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