11-動物園①
動物園編スタートです!
ここから何話かは動物園でのお話が続きます
まぁこのお話ではまだ動物園に着かないですがw
5月6日。今日は弥恵達と動物園に行く日です。
「弥恵ー。そろそろ行きますが準備できましたか?」
「ん。もう行ける」
「うわっ」
窓の戸締りを確認しながら弥恵に声をかけるとすぐ後ろから返事が聞こえて来ました。てっきり自分の部屋で準備しているかと……いつ近づいてきたんでしょう。全く気づきませんでした。
「びっくりした?」
「はい。わざとですね?」
「うん」
してやったりと言うように口角を少しだけ上げた弥恵の姿に悔しさを覚えます。今度仕返しで驚かしてやりましょう。
「それよりどう?」
「服ですか? 似合っていると思いますよ。見た記憶が無いから新しく買ったやつですか?」
「そう」
「そうでしたか。本当によく似合ってますよ」
聞いてきた弥恵の服装は白のワンピース姿。ベルトがあるからかスカート部分がよりフワッとしている気がします。白は清楚なイメージ、とよく聞きますが正しくその通りですね。今日の弥恵は一段と綺麗です。
「弥恵の部屋の窓は大丈夫でしたか?」
「ちゃんと閉まってる」
「なら行きましょうか。ちょうどいい時間です」
時計を見ると8時を少しすぎたくらい。今出れば動物園の最寄り駅で待ち合わせにちょうど10分前くらいに着けるでしょう。
最後にキッチンでガス栓や冷蔵庫が空いてないかなどを確認し、家を出て鍵を閉めます。そして
「「いってきます」」
と誰もいなくなった家に2人でそう声をかけると駅に向かって歩き始めました。動物園、楽しみですね。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「あ、弥恵。そこはやめてください」
「やだ」
「……僕の負けですね」
僕たちが着いた時には2人はまだいませんでした。だから暇だったので2人でオセロをしていました。結果は僕の惨敗。角を全てとられてしまい大差を付けられてしまいました。
「相変わらず弱い」
「酷いですがその通りだから何も言えないですね……」
あまりの言われように肩を落としていると沢山の人が駅の方から出てきました。この人たちの多くは動物園目的だと思うので今日は混みそうですね。
「おーい! 一成ー!」
「弥恵ちゃーん!」
人の波を眺めているとそちらから僕たちを呼ぶ声が。かき分けて来たのは待ち合わせ相手の蓮也と錦田さんでした。
「悪い、待たせた!」
「いえ、まだ時間前ですから」
「蓮也くんがスマホを忘れて取りに帰ったからギリギリになったんだよ?」
「いや、ホントすまん」
なるほど、しっかり者の錦田さんが時間ギリギリになったのは蓮也に付き合っていたからなんですね。そして蓮也は相変わらずせっかちというかおっちょこちょいというか……
というか普通に二人一緒に来ましたね。どちらから誘ったのか分かりませんが、いい感じなんしゃないでしょうか。
「よし、じゃあ早速行こうぜ!」
「ちょっと待ってよ」
言うが早いか走り出す蓮也とそれを追う錦田さん。きっと錦田さんが蓮也を連れ戻すか待っていてくれると思うので僕と弥恵はのんびりと歩いています。
「そうだ、弥恵。どこかのタイミングであの2人と別行動しようと思うんですがどうですか?」
「ん、賛成」
「いつ離れましょうか。最初からだと4人で来た意味がないですし」
「午前一緒、午後別は?」
「それが無難ですかね。あとはどう離れるかですが……」
2人がいないのをいいことに悪巧み、いえアシストを弥恵と話し合います。暗躍じゃないですけどこういったことを考えるのは楽しいですね。
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なのでやってもいいな、って人はぜひやってください((((ノ。・ω・。)ノ♡




