10-お泊まりside女子
投稿が遅れてごめんなさい!!
今回は弥恵目線でのお話です
〜side弥恵〜
「そっかぁ。弥恵ちゃんは料理とか出来なかったんだね」
「うん。無理」
バレー部合宿の夜、私と睦美は同じ部屋で夜更かしをしていた。と言っても私が一方的に質問されてるだけだけど。
「それで2人はなんで昔から一緒に住んでいたの?」
「かずくんのお父さんが幼い頃に亡くなった」
「それは前に大畑くんから聞いたよ」
「かずくんのお母さんが海外で働いてるのは?」
「それも知ってる」
私が思ってたよりもかずくんは睦美に話してた。仲良しなのかな?
「かずくんのお父さんが亡くなってすぐにお母さんが海外に転勤が決まった。でも見知らぬ場所、それも海外で女手一つでできるほど育児は簡単じゃない。そこで親同士が仲良かったからうちの両親が預かった」
「そっか。そうだったんだね」
あの時のことは今でもはっきりと覚えてる。2人とも眠れていなかったのか日に日に目の下のクマが濃くなっていた。それを見てこのままだとダメだと思って両親と相談した。そしてかずくんを引き取って数日後の夜のことも──
「うーん、これ私聞いてよかったのかな?」
「大丈夫。かずくんがいいって言ってた」
「ならいいんだけど……」
「それより私も聞きたい」
「何が?」
「睦美はなんで大橋くんに告白しないの?」
「うぇ!?」
なんでこんなに驚くんだろう。気づいてないと思ってたのかな。たぶん気づいてないのは本人同士だけだと思うけど。
「な、な、な」
「私が知ってる限りでも既に2年くらいはずっと片思いしてる」
「え、そんな前から気づいてたの!?」
「うん」
度々ピンク色が見えそうな空間を作り出していて何を言ってるのか。というかよく私に笑顔で大橋くんのこと話すよね。それでバレてないって思ってたことに驚きだよ。
「そうだったの……」
「で、なんで?」
「だって、蓮也くんがどう思ってるか分かんないし……もしもフラれたら立ち直れない気がするし……」
なんだこの可愛い生き物。電気を消してるのに睦美顔が真っ赤になっているのが分かる。指もモジモジと合わせてて、いつものしっかり者な姿とのギャップが凄い。
「大丈夫。睦美がフラれるとは思わない」
「そうかな……?」
「それに睦美にはこんな立派なメロンが2つある」
「キャッ!」
うーむ、相変わらず触り心地がいい。手に収まらないサイズは巨というか爆というか。羨ましい……
「もう、やめてよー」
「ええではないか、ええではないかー」
「もーう!」
ちょっと調子に乗って揉んでいると背を向けられてしまった。別に抱きつけば続けられるけど怒られそうだしやめとこ。
「まったくー。それより弥恵ちゃんはどうなの?」
「何が?」
「大畑くんのこと好きなの?」
「好きだよ?」
「え!?」
また驚かれた。なんでこんなに驚かれるんだろう? 普通のことじゃないのかな?
「え、でも、だって」
「嫌いな人と二人きりで住めない」
「いや、それはそうなんだけど」
「睦美だってお父さんのこととか好きでしょ?」
「そうだけど……待って、もしかして大畑くんのこと家族として好きだってこと?」
「うん」
そう頷くとため息を吐かれた。解せない。ちゃんと答えたのに。
「恋愛対象としては?」
「……特に? そんなふうに考えたことも無い」
なるほど。睦美はかずくんと付き合いたいか、って意味で聞いたんだ。でも本当に今まで1度も考えたこともなかったな。だって一緒にいるのが当たり前だって思ってたから。
「そうなんだー」
「うん」
「じゃあ、恋愛対――」
「コラ! 早く寝なさい!」
「すみません!」
あ、先生にバレた。明日も練習あるから寝よう。
「おやすみ」
「うーん、もっと話したかったけど仕方ないか。おやすみー」
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