先に生まれた人
まずはじめに子供の頃の気持ちのため色々と失礼なことが書いてある。
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保育園の「園歌」、学校の歌「校歌」があるのだから国の歌もある。
私は小学校に入って初めて日本の国歌「君が代」を習った。
どんな歌なのかとドキドキしていたが、非常に申し訳ないけど子ども心もあってか第一印象は暗かった。
大人になって日本代表が出ているスポーツなどを観てやっと「壮大な曲」と感じた。
曲を聴いた後に担任の先生が歌詞の意味を説明した。記憶は断片的だが少し並べてみる。
・君が代→天皇のこと
・千代に八千代に→天皇がこの先ずっと生まれ変わっても
・さざれ石の→たしか…『皇居内にある一般人には見ることができない石』と説明していた
・巌となりて→さざれ石が国民一人一人で天皇のために集まって一つになる
・苔のむすまで→天皇家がこの先ずっと繁栄しますように
・よって、この歌は国民が一生懸命支えて、天皇家がこのままずっと栄えるための歌です。
歌詞の意味を聞いてずっとずっと腑に落ちなかった。
なぜ国の歌なのに天皇のための歌と先生は説明しているのか。
まさか私たちは天皇が栄え続けるために存在するのか。
いや、そんなことはない。そんなことはない。
そんな歌を国歌にするわけがない。
先生は天皇の悪口を言うのは何故だろうか。
(ちなみに私の苗字に「天」が入っていたので、失礼だが「天皇」には親近感があった)
説明が終わった後、「これ以上、君が代はやりません」と言ったのを覚えている。
私の小学校では各式典の時は日の丸を掲げ、君が代も歌う。
君が代の練習はしなくとも年に何回か式典で歌うのできちんと覚えることはできた。
大人になって妹に「君が代」はどういう風に習ったかと聞くと
「習った内容は忘れたけど君が代の上にノリでわら半紙を貼ったよ。
だから貼った後は見ることができなかったよ」
と教えてくれた。
あの学校には君が代を嫌う先生が少なくとも二人もいたということとなる。
その先生たちは決して年寄りではない。どちらかというと若かった。
この話は1990年代初期の頃である。
私は東京都に近い県に住んでいた。