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なんだ?突然の事に俺は戸惑った。

アルクメネも怪物の肩でキョトンとしていたが、やがて何かに気付いた顔をする。

「えと?何?」

「fchふじょおpgsqh」怪物の一体が何か言うが分からん。

「っふぇzじぐdりpっk」怪物達が次々に俺を崇めるように何かを喋る。いや全然分からん。

「言葉の調整がまだだったわね。」女神が言う。

「それより全体の説明しろよ。何だよこいつら?」

「うーん、救いを求める民衆?」

「はあ?何だよそれ。」

俺は何とか身振り手振りでアルクメネの奴を地面に下ろさせた。素直に人の言う事理解しようとするだけ、こいつらの方がこの女神よりコミュニケーション取りやすい。

「でも、困ったことになったわねえ」

「それは俺のセリフだって。ちゃんと説明しろ」

「あなたを呼び出したのが彼等の主人だって事よ。だからこの世界はブラックリストに入ってるのよ。」

「それって想定されてないのか?魔石とかを使えば誰でも呼び出せるんだろ」

「いいえ、人間だけよ。正確には大神ゼウスに似せられて創られた種族の英雄の末裔のみなの。」

「こいつらの主人が英雄の末裔なのか?」

「なんて言うか、英雄の末裔を魔王がお妾さんにしちゃったのよ。で、産まれた娘が父の仇打ちって事で英雄召喚の儀法を使ったわけね。」

「仇って、魔王もう居ないのか?」

「人間側に呼び出された別の英雄がね…倒したって訳。お陰で魔族側の勢力はバラバラ、後は残った魔族を各国で奴隷にするかって話まで来てたのよ。ところが人間側の宮廷に戻っていた魔王のお妾が裏切ったのよ。魔石を宮廷から盗み出して魔族側に出奔したの。」

「何故だ?」

「魔族のアレが良かったんじゃない?」

「女神が下ネタかよ!」

「理由なんて分からないわ。資料に事実が書かれてるだけだもん」

「じゃあ、そう言えよ。でも、じゃあ何で本人じゃなくて娘なんだ?」

「よく覚えて居ないわね。どうせ選ばれる筈の無い世界だったんだもん。多分、死んだんじゃない?」

どんどんいい加減になってきた。

「その英雄はどうなったんだ?」

「彼女は別の世界で活躍中よ。まさに英雄の鏡ね。使命を果たして戻って来ると文句一つ言わず次の世界はどこって飛んで行ったもの。」じっとりとした眼で睨んでくるアルクメネを無視して俺は怪物達の方に進み出た。

「その言葉の調整?やってくれ」

「魔族の言葉で良いの?一度調整すると他の言語は普通のやり方で習得しなきゃならないわよ。」

「こいつらの望みを叶えなきゃこの世界から出れないんだろ?」

「余りお勧めできないけどね。」

「何でだ?」

「その娘、ヴァドナの願いは人類の殲滅だからよ」

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