表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

常盤の言の葉

川が常に流れ同じ水をとどめないように

春雨に打たれた花がいたずらに散ってしまうように   

あるいは祇園精舎に鐘のが鳴るように

世にあるものは皆移り変わり何処いずこへと消えてゆく


不確かな世にいる人はそれに輪郭を与えるための美しさを探して生きる


ある人の美しさは富だった

ある人の美しさは愛だった

ある人の美しさは快楽だった

皆どこかでむなしさとも思いながらそれらを得ようとする


ある人はそれらを得るために筆を執り文字を綴った

逆らうことのできない流れにありながらその手で言葉を生み出しつづけた


彼らのうち一人は夜空の彼方へと消えた

彼らのうち一人は国のために最期を捧げた

彼らのうち一人は想いを遂げないまま肺を病み生涯を閉じた

しかし彼らはその美しさを残していった


本を開きさえすれば彼らの心はその時のままに現れる

彼らの言の葉はどれも常盤ときわの色をしている

松の葉は雪の中にあってもその常盤色をほんのわずかにも変えない

それと同じように言の葉は常盤に想いを表す


私はその言の葉を用いて物事を記すのだ。










                                                                        

                                

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ