第86話 新たな戦い方
今すぐ――
向かおうとした。
だが――
待ったが、かかる。
「デルク、明日にしよう」
レイナウトが――
言う。
え?
なんで??
「まだ大丈夫だよ!」
俺は――
言う。
「何を言っているんだい? 僕はご飯を食べて、風呂に入って寝たいよ」
レイナウトが――
俺に、そう言ってくる。
だけど――
あれ?
もしかして――
結構時間って、経っていた??
見ると――
ロースが、眠そうにしている。
「デルク、疲れた」
セシルが――
俺の袖を引っ張って、疲れた声でそう指摘を。
「ありゃ、ごめんよ。そうかもうそんな時間か。休もう。無理はいけないからね」
俺は――
謝る。
俺とした事が――
全く、気付かなかった。
十分な休養と――
おいしい食事。
そして――
たっぷりと寝た、翌日。
4人で――
短剣を投擲してみる事に。
流石に――
全員一斉で、と言うのは危険が伴う。
なので――
1人ずつ投げる事に、なった。
魚に――
命中しないといけない。
なので――
ただ単に囲いの中から投げて、当たるのか?
投擲スキルのレベルが――
上がれば、当たりやすくなりそう。
だけど――
レベルの低いスキルで、高速移動している魚に当たるとは思えない。
「魚の動きをどうにかして止められないかな?」
俺は――
言う。
因みに――
今までのレベリングを行っても、レベルは上がる。
そして――
各ジョブのレベルも、上がる。
だが――
例えば剣術、これは使っていないので上がらない。
俺達4人は――
それなりにレベルが上がった。
なので――
次に目指すのは、各スキルを個別にレベル上げだ。
その一環として――
短剣を投げる。
なので――
投擲スキルと剣術も上がるのを期待しての、今回はチャレンジなのだが――
ここで問題となるのは、魚に当たるかどうか。
「あんなに勢いの凄まじい魚を止めるのかい? それは厳しいな。ある程度レベルは上がったとはいえ、とてもじゃないけどあの魚を捕える事が出来るとは思えないな」
レイナウトが――
言う。
「でも捕らえる必要あるの?」
ロースが――
聞く。
「え? 何を言ってるんだいロース。あの魚の勢いと威力じゃ、魔法で壁を出現させた所で壁に穴が開いて意味がないと思うんだよ」
レイナウトが――
答える。
あ――
そうだ、壁だ。
別に――
魚の進路上に壁を出現させる必要は、無い。
罠のように――
上手く誘導させてしまえば、いいんだ。
魚の進路上に――
壁を設けるけれど、角度をつけて魚を壁に沿うように移動させ――
進路を狭めれば、魚の出現する位置は、わかる。
わかれば――
後は、狙い撃ち。
壁に――
粘着するようなのを塗って魚の動きを阻害させても、いいけど――
まあ、物は試しだね。
「レイナウト、壁を出現させよう。魚はある一定の回遊をしているから、どこかの回遊するグループに目標を絞って左右に壁を展開、その壁は角度をつけて魚をそこに追い込んで進路を狭め、魚をうまく誘導しさえできれば魚が壁から出る位置はこちらで制御できる。壁から出てきた魚を短剣で狙い撃ちすれば……どう思う?」
俺は――
提案する。
レイナウトが――
暫く、考えている。
「僕とデルクの土魔法か。2人で左右それぞれを担えばさほど負担にもならないし、最初はそうだな……セシルが囲いを制御してくれ。囲いの扱いは僕とロースより、セシルとデルクの方が慣れているだろう? で、最初の投擲はロースだ。これでうまくいけば順次代わって投擲すればいい」
レイナウトが――
言う。
「なるほど。わかった任せて」
俺は――
答える。
「ええ? 私が最初?」
ロースが――
驚く。
「仕方ないだろう? ロースは土魔法を使えないじゃないか?」
レイナウトが――
言う。
「それはそうだけどさ」
ロースが――
言う。
「まあそう言わずにやってみてよ」
俺は――
言う。
「わかったわよ。でもやった事ってないから期待しないでね? じゃあセシルちゃん囲いお願いね」
ロースが――
言う。
「ん。任せて」
セシルが――
答える。
「凄い! こんなに上手くいくとは!」
レイナウトが――
興奮している。
俺も――
だけど。
結論から言うと――
魚は面白いように、壁の罠?
俺の意図した動きで――
上手く魚の流れを、制御できた。
そして――
魚が必ず通る箇所が、ある。
なので――
後は的に当てる要領で、魚が現れたら――
どんどん短剣を、投げるだけ。
問題が――
あるとしたら、ドロップアイテムを回収できない事。
まあ――
囲いから出たら、回収できそうだけど。
「えいえい!」
ロースが――
投げた短剣は、面白いように魚に刺さる。
「あ、セシルちゃん代わるね!」
あっという間に――
短剣を投げ終わった、ロース。
「ん。わかった」
セシルが――
代わりに投げる。
セシルは――
剣術持ちだから、当たればロースと違い――
結構魚に、ダメージを与えられるはず。
見ると……
因みに――
距離が近い。
なので――
投擲スキルがなくても、まず魚に当たるであろう距離なんだ。
何せ――
万が一魚が囲いを突破しても、囲いの中。
なので――
魚は、いつものように囲いで切断。
なので――
距離は、近い。
で……
流石は、セシル。
スキル持ちなので――
当たれば魚は一撃で、仕留める事ができている。
まあ――
全部当たっているけれど。
「終わった。次デルク」
セシルが――
言う。
さて――
上手く当たるかな?
俺は――
短剣を手にした。
魚が――
来る。
投げる――
準備。
俺は――
覚悟を決めた。
上手く――
当たりますように。
俺は――
そう祈った。
セシルの――
ように、上手く当てたい。
俺は――
そう思った。
投げる――
今だ!
俺は――
短剣を、投げた。




