第62話 予期せぬトラブル
いざ――
囲いが出来ると、つい悩んでしまう。
それは――
何かというと、92層へ下るか、67層へ上がるべきか。
上の階層の方が――
魚も弱いはず。
なので――
本当なら、そうしたい所……
改めて――
悩む。
但し――
67層へ向かうには、72層の蜂エリアが問題で――
これを、どうするか悩んでいた。
そこで――
思いついたのが、煙だ。
確か――
11層に木材があったはず。
それを考えると――
86層には、木材があるはず。
一度――
86層へ行き、木材を確保。
そして――
その木材を燃やし、煙を発生させれば――
蜂は、寄ってこないと思う。
なので――
それを実行するのに、まず降りよう。
「セシル、67層へ向かうには72層の蜂エリアが問題なんだ。そこで86層に木材のエリアがあるはずだから、そこで木材を確保しようと思うんだ。木を燃やせば蜂避けになると思うから、まずは86層へ向かいたいんだ」
俺は――
セシルに説明する。
セシルは――
少し考えているのかな?
黙って――
じっと、している。
「わかった。デルクの考えた事に間違いはない。行こう」
セシルが――
あっさりと、賛成してくれる。
いいのかな――
こんなにあっさりと決めて。
でも――
このままでは、いずれ体の不調が起こる可能性がある。
出来上がった囲いのテストを兼ねて――
まずは、降りてみよう。
「このままだと穴に足がはまるから、囲いの足場に乗ってほしいんだ」
俺は――
セシルに言う。
「そうだった」
セシルが――
頷く。
セシルは――
穴の開いていない部分に、移動をする。
何時でも――
問題なさそうなので、魔法で浮かす事に。
「じゃあ魔法で浮かすよ。フライ!」
俺は――
いちいち言わなくてもいいのだけど、わかりやすいように声を出す。
すると――
ふわっと、囲いが浮き始める。
浮いた――
成功だ。
さて――
これを、どう動かせばいいのだろうか。
俺は――
頭で、イメージをする。
すると――
囲いは、俺のイメージ通りに進んでいく。
目指すは――
大穴。
大穴の近くで――
囲いを出したのだが、それでも――
まずは、そこを目指す。
「凄い! 浮いた! 進んだ!」
セシルが――
いつも表情の乏しいセシルが――
妙に、はしゃいでいる。
嬉しそう――
だ。
「なんか宙を進む乗り物みたいで、お金持ちになったみたいだね」
俺は――
言う。
「うん! 街で見た。【魔導船】というのかあれは」
セシルが――
言う。
【魔導船】じゃなく――
【魔道船】かな。
魔導船は――
術者の魔力で動かす船。
魔道船は――
魔石の魔力で動かす船。
つまり――
魔導と魔道の違いって――
魔導は【術者】が使用する道具に魔力を送る事により、何らかの効果が得られる。
魔道は【魔石】が使用する道具に魔力を送る事により、何らかの効果が得られる。
まあ――
こんな感じだった、記憶がある。
逆だったら――
ごめんなさい。
セシルは――
そんな船を、見たのだろう。
空を進む――
船。
今――
俺とセシルは、流石に船ではないが――
宙を進む物体に、乗っているわけで――
穴に完全に囲いが到着した。
なので――
これから、降ろしていく。
徐々に――
下降していく。
だが――
ここで、予期せぬトラブルが。
『わ――――――――――!』
上から――
何か聞こえたと思ったら――
囲いに何やらすごい衝撃が加わり――
恐ろしい音を立て、囲いが回転して落下していく。
視界が――
ぐるぐる。
そして――
回転している感覚がある。
なので――
そう思っただけだが。
「きゃあああ!」
「うわああ!」
囲いの中で――
俺とセシルは、囲いと共に落下していく。
しかも――
2人とも回転しながら落下する囲いに、あちこちぶつかってしまう。
痛い――
体が、痛い。
うう――
何が起こったの?
その前に――
何とかしないと、下まで落ちてしまう。
俺は――
何とかフライの魔法で、囲いを立て直そうと試みる。
だが――
何せ囲いが変に回転しているせいで――
なかなか、落ち着かせる事ができない。
そして――
次なる衝撃が。
ドカドカドカドカ!
何かが――
複数、囲いにぶつかっていく。
魚――
か?
そして――
囲いは、その影響なのか――
横に、移動したようで――
気が付けば、囲いは地面に降り立っていた。
あれ――
助かった?
俺は――
呼吸を整える。
生きている――
まだ、生きている。
セシル――
無事か?
俺は――
セシルを探した。
どこだ――
セシル。
答えてくれ――
頼む。




