第60話 塩が尽きかける
この階層で――
暫く塩を探した。
だが――
全く、見つからなかった。
鉱物のみ――
だ。
このまま――
塩が減り続けると、あと1週間程で尽きてしまう。
暫く――
塩なしでも、何とかなりそうだが――
その後を考えると、影響が出るのは避けられないだろう。
これ以上――
この階層で塩探しをしていても、見つからない可能性が高い。
なので――
探していない階層で、探す必要がある。
何処で探すか――
それは、最初から決めていた。
だが――
今の俺とセシルで、それが可能かどうか。
何処で探すか――
それは、魚の居る階層だ。
魚は――
本来、海や川、湖に生息しているはず。
なので――
このダンジョンでは宙を泳いでいる魚だけど――
ひょっとしたら、その階層に塩があるのでは、と考えていたんだ。
問題は――
あの勢いで飛来する魚を、どう防ぐか。
ここより――
上の階層へは、この前と同じ移動手段を用いれば可能なのだろうか。
つまり――
土魔術で囲いを作り、移動をする。
だが――
それが可能かどうか。
岩でさえ――
突き刺さるほどの、すさまじい速度・威力で突っ込んでくる魚。
今は――
おそらく78層。
つまり――
このまま上の階層に向かうか、もっと下の階層に降りるか。
大穴からの――
上り下りになる。
だが――
魚のエリアに向かうには、92層まで下るか、67層まで登る必要がある。
登る場合に――
問題となるのが、71層のエリアだ。
恐らく――
蜂が、いる。
蜂も――
飛来する魔物だ。
これを――
どう対処するのか。
改めて――
資料を思い出す。
確か――
1層から25層が――
1層 果物
2層 肉
3層 鉄鉱
4層 魔物
5層 ボス1体
6層 薬草
7層 ベリー
8層 金鉱
9層 魔物
10層 ボス2体
11層 材木
12層 根菜
13層 銅鉱
14層 魔物
15層 ボス3体
16層 瓜
17層 魚
18層 銀鉱
19層 魔物
20層 ボス4体
21層 野菜
22層 蜂(蜜)
23層 鉱物
24層 魔物
25層 ボス5体
このパターンからすれば――
本来この階層は、鉄鉱のはずなのだが――
ミスリルを、採掘できた。
恐らく――
下の階層となれば、同じ素材でも純度が上がるか――
もっと良い素材が、手に入るのだろう。
若しくは――
この階層のように、表面上は鉄鉱しか見つからないが――
奥まで掘り下げると、ミスリルがあるような。
そんな事を――
思っていると、セシルは何かあったのか――
俺に、話しかけてくる。
「デルクあそこ、何か違うのがある」
セシルが――
指差す。
何かを――
見つけてくれたようだ。
そう言われ――
セシルの案内で確認をすると、確かに今までと違う色の何かが、そこにある。
まだ見ぬ――
鉱物?
さっき――
採掘した場所の、奥だよね。
「何だろう」
セシルは――
首をかしげている。
何だろうね?
もしかして――
伝説の金属?
そんな都合よく――
見つかるとは思えないけど。
「ちょっと待ってね。鑑定をしてみます」
俺は――
商人となって、鑑定スキルを使用する。
だが――
【レベル不足により、鑑定不可】
と出た。
ええ?
鑑定できない――
素材!?
「セシル、鑑定ができない。レベルが足りないみたいなんだ。何か特別な素材かもしれない」
俺は――
セシルに言う。
「そう。デルクなら魔法で切り取れる」
セシルが――
言う。
ミスリルを採掘する時と――
同じ方法で、採掘できるかな?
俺は――
覚悟を決めた。
やってみよう――
何か、すごい素材かもしれない。
期待が――
膨らむ。
俺は――
魔法の準備を始めた。




