表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「遊び人×3を引いた10歳の俺、ジョブ統合で規格外になる」  作者: よっしぃ@書籍化
第一章:職業選定

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/71

第5話 司祭様とお話しを

 奥の部屋で、俺は待っていた。

 窓から差し込む光が、床に長い影を作っている。

 外からは、まだ選定が続いている音が聞こえてくる。

 祝福の声、笑い声――

 でも、俺には関係ない。

 俺は――

 遊び人×3。

 誰からも祝福されない。


 どれくらい経ったのだろう。

 扉が開いて、司祭様が入ってきた。

「ふう、すまんなデルク。まさかこのような事態になろうとは」

 司祭様が、椅子に座る。

 その表情は――疲れているように見えた。

「こればかりは仕方ありません。遊んでいたつもりはないのですが」

 俺はそう答えた。

 司祭様がこう言ってくださるのは、ひとえに俺がここに時間があれば手伝いに来ていたからだ。

 教会の掃除、祭壇の手入れ、選定の準備――

 できることは、何でもやってきた。

 だから司祭様は、俺のことを知ってくれている。


「しかし皆のデルクを見る目は酷かったのう。今後其方は周りから常にああした目で見られるであろう。他人の助けも期待できまい。何せ遊び人という職業、大成した人がおらぬのでな。役立たずの烙印を押されて久しい」

 司祭様の言葉が、胸に刺さる。

 役立たず――

 俺は、役立たずなのか。

「ええ、知ってます。街にも数人いらっしゃるだけとか、遊び人の職業」

「何だ知っておるのか?」

「ええ。何度かお話をしましたが、【君が遊び人になったらまた来なさい】と言われるばかりで、何かあるのでしょうか?」

 俺は、以前会った遊び人たちのことを思い出す。

 彼らは――なぜか、俺が遊び人になることを前提として話していた。

 まるで、知っていたかのように。

「さてな。儂も遊び人はよく知らぬのじゃ。心底遊んだ奴がなる場合もあるが、そうでない場合もある。デルクは儂から見ても遊んでおったようには見えぬがな」

 司祭様は、俺を見る。

「さあて、今後の事じゃが、3つも職業があると、成長にも時間がかかろうて」


 俺の職業は3つ。

 職業が3つあると、レベルを上げるのに時間が掛かる。

 つまり――

 成長速度は人のおおよそ3分の1。

 これだけでも大いなるハンデだ。

 それに加えて、職業が遊び人。

 どこのパーティーも、俺を入れてくれないだろう。

「15歳になれば、冒険者として外で活動をする事になろうが、ソロでやっていくしかあるまいて。運が良ければ誰か入れてくれるかもしれぬがな」

 15歳――

 あと5年。

 その間、俺はどうすればいいんだ?

 15歳になったら一緒にパーティーになろうと約束していた友人は皆、俺から離れた。

 悲しい。

 正確にはそうではないが、一部は泣く泣く離れざるを得ないといった所だ。

 まさか選定を受けた職業でこうなるとは、夢にも思わなかった。


「家に戻って家族に報告をせねばなるまいて。確かデルクは親戚の所で世話になっておるのだったな?」

「はい、もしかしたら追い出されるかもしれませんが」

 俺はそう答えた。

 伯父さんと伯母さんは――

 俺を受け入れてくれるだろうか?

 いや、きっと――

 追い出されるだろう。

 遊び人×3なんて、誰も世話したくない。


「おっと忘れておったよ。これはデルクのカードじゃ。ここに血をたらせばよい」

 司祭様が、カードの裏を示してくれる。

 俺は、カバンから小型のナイフを取り出す。

 刃を、指先に当てる。

 痛みが走る。

 だが、今の俺には――

 そんな痛みは、どうでもよかった。

 血を、カードに垂らす。

 カードが光る。

 そして――

 内容が書き換わった。


<名前:デルク・コーネイン>

<種族:人間>

<年齢:10>

<性別:男の子>

<LV:0>

<職業:①遊び人Lv0:②遊び人Lv0:③遊び人Lv0>

<力:F>

<体力:F>

<知力:B>

<精神力:B>

<俊敏:E>

<魅力:C>

<運:A>

<保有スキル>

 鍛冶Lv1・道具作成Lv1・剣術Lv1・採取Lv1

特殊ユニークスキル及びギフト>

 ???・???・???

<称号>

 遊び人見習い

<所属>

 無し


 俺は――

 自分のステータスを見た。

 これが――俺?

 力、体力、俊敏は低い。

 戦闘には向いていない。

 だが――

 知力、精神力はB。

 悪くない。

 そして――

 運は、A。

 運A――

 これは、何を意味するんだろう?

 こんなに運が高いのに、なぜ遊び人×3なんて引いたんだ?

 矛盾している。

「其方の運はA判定じゃろう? こんな強運の持ち主を、儂は未だかつて出会った事が無いのじゃがな」

 司祭様が、俺のカードを見て言う。

「ひょっとしてその遊び人という職業、化けるかもしれぬのでな、気を落とさぬように」

 化ける――

 遊び人が?

 本当に、そんなことがあるのだろうか?

「はい、ありがとうございます!」

 俺は、そう答えた。

 だが、内心では――

 半信半疑だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ