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「遊び人×3を引いた10歳の俺、ジョブ統合で規格外になる」  作者: よっしぃ@書籍化
遊び人への弟子入り?

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48/112

第48話 どうするか

 

 セシルは――

 現在レベルが低い。

 これは――

 成長速度が遅いので、致し方ないと思う。

 但し――

 このせいで、中層へ早く行きたいパーティーメンバーに、読んで字の如く――

 ダンジョンの大穴に、捨てられてしまった。

 これって――

 俺がうまく受け止めなかったら、下まで行ってたよね?

 つまり――

 セシルは邪魔者扱いで、ダンジョンの大穴に落とす事で排除した、という事。

 恐らく――

 もう死んだと、思われているだろう。

 酷い――

 話だ。


 もし――

 このまま直ぐに戻ってしまえば、厄介な事になりそう。

 セシルを――

 突き落とした連中が、まだいる。

 そして――

 ダンジョンで冒険者が死ぬのは珍しくなく、しかもダンジョンで行方不明になれば――

 其れ即ち【死】とみなされ、報告があればその瞬間から暫定で死亡扱いとなる。

 そして――

 1ヶ月音沙汰がなければ、正式に死亡扱い。

 突き落とされようが――

 魔物に殺されようとも、ダンジョンで死ねば数時間もすれば死体は消えるので――

 証拠も、残らないのだ。

 酷い――

 本当に、酷い話だ。


 しかも――

 彼女は……あ、俺もだが、まだ正式に冒険者になってすらおらず――

 今は、所属先で修行の身。

 大体は――

 選ばれた時の職業……引き当てた職業を元に所属を決められ、そこで15になるまで基本は修行。

 そして――

 晴れて15歳になれば、正式な冒険者として登録される。

 今は――

 仮カードだが、俺も一応トゥーニスに用意してもらっている。

 正式なカードと違いはなく――

 このカードがそのまま15歳になれば名称が変わるだけで、情報は全て引き継がれるようだ。


 今――

 俺の冒険者レベルは5だ。

 一方の――

 セシルは、レベル1。

 ただ――

 実力に関して言えば、レベルだけでは判断できない。

 冒険者レベル以外にも――

 各職業のレベルも、重要だ。

 で――

 セシルの神聖騎士のジョブレベルも1。

 俺の遊び人のジョブレベルは――

 3つとも4だ。

 遊び人の場合――

 スキルでジョブチェンジしている場合、そのジョブにもレベルがある。

 魔法使いは――

 レベル3まで上がっている。

 これは――

 色々、厄介だ。


 セシルの実力を――

 見てみたいが、ここがどの階層かわからないので――

 下手に戦闘を行う訳にもいかず、ここは思案のしどころだ。

 そして――

 水はいい。

 だが――

 問題は、食糧だ。

 俺は――

 カバンへ食料その他をそれなりに入れている。

 低層で――

 ある程度収穫した果物や肉があるので、暫くは持ちそうだ。

 だが――

 それでも、これら食料は有限だ。

 一番の問題は――

【塩】だろうか。

 今回は――

 そんなに持ってきていない。

 塩がなければ――

 肉も長持ちしない。


 なので――

 できるだけ早く、ダンジョンから出る必要がある。

 だが――

 それ以前に、レベルを上げておかないとダンジョンの脱出は厳しそうだ。

 俺は――

 考える。

 どうすれば――

 いい?

「セシル、お腹すいてない?」

 俺は――

 少しお腹が空いてきたので、聞いてみる。


「その、すまない。何も持っていないんだ」

 セシルが――

 申し訳なさそうに言う。

 お腹――

 空いているよね?

 俺は――

 カバンから果物を2つ取り出した。

 りんごと――

 なし。

「今すぐに食べられるのは、果物かな。落ち着いたら肉を焼くので、まずはこれを食べよう。人間、お腹が空けば判断力は鈍るし、機嫌も悪くなるしね」

 俺は――

 セシルに、りんごを渡す。


「そ……そうか? その、ありがとう」

 セシルが――

 受け取る。

 何だか――

 にっこりと微笑んでいるような、そんな雰囲気。

 だが――

 残念ながら、ヘルメットで顔は見えなかった。

 どんな顔を――

 しているんだろう。

 笑っている――

 のかな?

 俺は――

 そう思った。

 そして――

 自分も、なしを齧る。

 美味い。

 甘い。

 生きている――

 実感がする。

 俺達は――

 まだ、生きている。

 それだけで――

 十分だ。

 俺は――

 そう思った。

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