第45話 セシル・ヴァウテルス その4
私は――
パーティメンバーに促され、どんどん進んでいく。
現在――
9層。
ここで――
魔物を狩るよう、言われた。
私は――
一人で、狩っている。
誰も――
援護をしてくれない。
そして――
魔物を仕留める直前になると、横からとどめを刺してくる。
経験値――
奪われている。
ずっと――
こんな戦い。
こんな事で――
私は、成長できるのだろうか?
そんな事を――
思いつつ戦っていたその時、別のパーティーがやってきた。
「おい、遊び人達は下へ逃げたぞ」
「え? ここで待ってりゃあ来ると思っていたが、もう先へ進んでいるのか? 俺達は9層が持ち場だって聞いていて、待ち構えていたんだがなあ」
「ああ、あいつ等はどうやら気配を消すスキルを持っているらしくてな。それで先に進んだらしい。それにな、階段に陣取ってた奴等に言わせれば、認識が変だったようだ」
「何だよ認識が変って」
「ああ……どうもな、職業が遊び人ではなかったらしい」
「はあ? それは別人じゃねえのか?」
「いや、今現在このダンジョンにいる野郎2、メスガキ1のパーティーは遊び人だけらしいからな」
「は? 知らんかったぞ?」
遊び人――
3人。
私は――
一人で魔物を狩ってる間に、何か横を走り抜けたのは知っている。
3人――
いた。
だけど――
こちらに敵意はなかったので、無視をした。
無事――
逃げてくれるといいな。
そう思った。
だが――
そんな希望も、虚しく――
「おい、あいつ等魔法で大穴から上に逃げているぞ!」
「なんだと!」
「だが、本命の野郎はまだ下にいる。大穴に行け!」
「おいセシル、ついて来い。お前等……いいな?」
パーティーメンバーが――
私を呼ぶ。
そして――
何か、合図をしたようだ。
それが――
何を意味するのか、私にはわからない。
だけど――
嫌な予感がする。
心臓が――
激しく鳴る。
そして――
大穴。
見ると――
一本のロープを伝って、上に向かっている冒険者が遥か下に見える。
上を見ると――
2人の姿が見えた。
何か――
言っているようだが、流石に聞こえない。
「やるぞ?」
「合図は?」
「おれが……だ……で……」
「了解だ」
何を――
話している?
「セシル、見張っておけ、あの冒険者をだ」
パーティーメンバーが――
私に言う。
大穴の淵に――
連れられ、何故か私が監視をする事に。
監視に――
何の意味が?
そう思っていると――
背後に、誰かの気配を感じた。
誰だろうと――
振りむこうとした。
だが――
背に衝撃を受けた。
強い――
力。
押された――
私は、穴に真っ逆さま。
「きゃあ――――!!!!!!」
私の悲鳴が――
響く。
「悪く思うなよ! これは最後の任務だ!」
「まあ事故ってよくあるからな」
「これで中層まで行けるんすか?」
パーティーメンバーの声が――
遠くから聞こえる。
事故――
最後の任務。
私は――
殺される。
捨てられる。
まずい――
このままでは、ロープを伝って登っている冒険者にぶつかる!
焦るが――
何もできず、そのままぶつかってしまう。
この鎧のせいで――
身動きが、取れない。
しかも――
ぶつかってしまった冒険者、私は何もできず更に落下していたのだが――
驚いた事に――
咄嗟に、手をつかんでくれて……
だが――
支えきれず、どんどん落下していく。
どうやら――
ロープは先ほどの衝撃で、切れたようだ。
この冒険者――
魔法使い?
どうやら――
私に、フライの魔法をかけてくれたようだ。
落下速度が――
遅くなった。
「今から何処かに降ります。僕にしがみ付いて下さい」
不意に――
そう言われた。
私は――
「わかった……」
答えた。
そして――
しっかりと、しがみ付く。
暫く――
何かをしてくれていたみたいで、どうやらどこかに着地できたようだ。
何が――
起こった?
私は――
捨てられた?
ショックで――
私は……
目の前が、真っ暗になるのを感じ……
意識が――
遠のいていった。
気が付けば――
寝かされていた。
(次回視点切り替え:デルクへ)
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