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「遊び人×3を引いた10歳の俺、ジョブ統合で規格外になる」  作者: よっしぃ@書籍化
遊び人への弟子入り?

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第43話 セシル・ヴァウテルス その2

 

 神聖騎士に選ばれると――

 国へ報告をするようだ。

 それに――

 教会? 司祭様は別の教会へ報告をしているようだ。

 それが――

 どういう事を意味するのか、私にはわからない。

 ただ――

 言える事は、司祭様が報告をした翌日には――

 国から、御大層な装備一式が届いたという事。

 立派な――

 箱に入っていた。

 重そうな――

 鎧だった。


「セシルはまずその防具を装備したまま動くことができるようにならぬとな」

 司祭様が――

 言う。

 そうはいっても――

 私は小さい。

 同年代の女の子と比べても――

 小さい。

 なので――

 力がない。

 それなのに――

 この装備。

 私の体重より――

 重い。

 いくら頑張っても――

 動けない、動かない。

 立つだけで――

 精一杯だ。


「司祭様、無理」

 私は――

 困り果てて、そう言う。

 だけど――

 司祭様は――

「だがな……神聖騎士はこれを装備する決まりなのだ。暫くは体力作りだな」

 決まり――

 だから、仕方ない。

 そういう事らしい。

 私は――

 ひたすら体力増強に努めた。

 毎日――

 重い装備を着けて、歩く練習。

 立つ練習。

 座る練習。

 起き上がる練習。

 辛かった。


 その甲斐あってか――

 3ヶ月後には、鎧を装備しても歩けるようになった。

 ようやく――

 動けるようになった。

 疲れた。

 だが――

 これで、冒険者になれる。

 家族に――

 楽をさせてあげられる。

 そう思っていた。

 だが――

 そうなると、他の冒険者が私を獲得しようと、教母様の所へやってくる。


 教母様は――

 私の暮らしている修道院の責任者。

 司祭様とは――

 旧知の仲らしく、私の事で頻繁に話をしている。

 ああ――

 家族とは、修道院で一緒に暮らす人の事。

 既に――

 父や母は、この世にいない……はず。

 物心ついた頃には――

 もう、いなかった。

 教母様が――

 母代わりだ。

 だから――

 信じていた。

 だが――


 そして――

 私は、見た。

 教母様が――

 何か重そうな袋を、受け取っているのを。

 お金――

 だと思う。

 あれは――

 私の代金?

 心が――

 冷たくなった。

「セシル、貴女をこちらのパーティーが受け入れて下さります」

 教母様が――

 言う。

 折角――

 凄いと言われている職業を引いたのに、私に選択肢はないのでしょうか?

 だけど――

 言えない。

「はい……」

 私は――

 頷くしかなかった。


「セシルちゃんだっけ? 歓迎するぜ! 俺達に任せときゃすぐに立派な神聖騎士様になれっからよ!」

 男の人が――

 言う。

 別に――

 立派になりたいわけではないのだが。

 だけど――

 また、言えない。

「そういうわけですので、今後はこちらの方々とご一緒するように」

「かしこまりました……」

 私は――

 答える。

 こうして――

 私は、売られていきました。


【あの小汚い娘にこんな価値があるなんてね……】

 教母様の声が――

 聞こえた。

 小汚い――

 娘。

 私の事だ。

 私は――

 聞こえない振りをした。

 涙が――

 出そうになった。

 だけど――

 泣かなかった。

 泣いたら――

 負けだから。


 そして――

 私は、Cランクのクランへ所属となった。

 現在――

 同じ日に選定を受けた人も、数人いる。

 皆――

 私より年上だ。

「よしお前達よく聞け! 今回最大の目玉でる神聖騎士をやっともらい受けた。魔法とあの装備でもって前衛を強力にこなしてくれる職業だ。魔法は回復と防御らしい」

 クランのリーダーが――

 説明する。

 おお!

 と声が、聞こえる。

 そんなに――

 回復魔法は、珍しい?


「回復魔法か! よく教会が手放したな!」

 誰かが、言う。

「ふっ……そこは俺様の交渉力の賜物さ! 何せ滅多にお目にかかれねえレアジョブをメンバーに加えれば、クランに箔が付くってなもんさ!」

 リーダーが――

 得意げに言う。

 箔――

 私は、箔が付くための道具なのか。

 私は――

 何の為に、ここにやってきたのか……

「それにだ、神聖騎士は成長すればそりゃあ強力なパーティーメンバーになるからな」

 リーダーが、続ける。


 私は――

 此処で1ヶ月、色々な知識を教えてもらいつつ、外で戦闘訓練も欠かさず行った。

 剣の振り方。

 魔法の使い方。

 回復魔法の練習。

 防御魔法の練習。

 毎日――

 訓練だった。

 万が一の時は――

 己の身一つが頼りになる……

 そう言われた。

 回復魔法を覚え――

 たまに実戦形式で、数人と共に草原へ繰り出し、居合わせた魔物と戦い、経験を積む。

 しかし――

 最近、周りの目が冷たい。

 何故かと言えば――

 それは……

 私の――

 成長が、遅いから。

 私は――

 期待に、応えられていない。

 申し訳ない――

 そう思う。

 だけど――

 どうすれば、いいのかわからない。

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