第40話 15層の魔法陣も使えない
俺達3人は――
ボス部屋を出た後、直ぐに魔法陣へと向かった。
そうそう――
魔法陣っていうのは、このダンジョンの場合、ボス部屋のすぐ後にある転移装置で――
魔法陣の中に入れば、ダンジョンから外に移動できる便利な仕組みなんだ。
どうやら――
同時に6人まで転移してくれるようで、この魔法陣の同時転移が最大6名というのは――
6名まで同時に転移、という仕組みから来ているようだ。
なので――
ダンジョンで活動するにあたって、パーティーメンバーは最大6名となっているようだ。
今は――
どうでもいい事なのだけど。
そして――
俺達は、ほぼ同時に魔法陣へ突入した。
だが――
「やっぱり駄目か! 何かに邪魔されている感じだな! 仕方ない……デルク、ロープって持っているよな?」
ヴィーベが、言う。
魔法陣が――
ここも、使えない。
やはり――
完全に、封鎖されている。
「ええ……まさかと思うのですが、ロープを使って上に登るのでしょうか?」
俺は、聞く。
「え? 私無理よ? とてもじゃないけどロープで上まで伝っていけないわよ?」
リニが、不安そうに言う。
「いやそれは問題ない。ロープは補助だな。魔法で体を軽くするか、フライで浮かす。だが俺達フライの練習なんてしてねえだろ。だからな、そういった魔法で体を軽くさせ、ロープを伝ってスルスルって登ろうって寸法さ。それと浮遊って魔法もあるけど一度も使った事がねえんだよな」
ヴィーベが、説明する。
浮遊――
俺は、少し使える。
だが――
言わない方が、いいかな?
それほど――
ロープは長くない気が……
「ヴィーベさん、流石に手持ちのロープはそこまで長くないですよ?」
俺は、言う。
「あ、4層まで届けばいいんだよ」
ヴィーベが、答える。
4層まで――
いや、無理でしょ?
「まあ出せって……」
ヴィーベが、促す。
結局――
穴の場所まで移動し、様子を伺う。
この穴は――
1層まで繋がっている。
下は――
どこまでか……知りたくもない。
で――
俺は、ロープを取り出し、フックを付ける。
俺は――
投擲スキルを取得しているが、4層まで投げる事ができるのだろうか?
「よっしゃデルク、上まで投げてみろ」
ヴィーベが――
ロープの端を持っている。
俺は――
フックを……なんとなく4層ぐらいはわかるので、そこ目掛けて投げる。
力を込めて――
投げる。
フックが――
上へ、飛んでいく。
だが――
「ありゃあ駄目だな、長さが足りん。6層あたりだったな。あと少しなんだがな……」
ヴィーベが、残念そうに言う。
今は――
ロープを3本、つなぎ合わせている。
俺は――
3本持ってきていたが……
こんなに長いロープが必要とは――
流石に思わないわけで……
「ヴィーベさん、どうしますか? ロープの長さ、足りていませんよ?」
俺は、聞く。
「どうすっかな……」
ヴィーベが――
しばらく、考え込む。
そして――
俺を見て、リニを見て、また俺を見て……
あ――
リニのお尻を、見ている。
思わず――
俺も、見てしまう。
「な……何よいやらしいわね!」
何かを察したのか――
リニは、警戒している。
「……なあリニ、お前確か……毛糸のパンツ穿いていたよな?」
ヴィーベが――
真剣な顔で言う。
「だ……駄目よ! 何で知ってるのか知らないけど、いや!」
リニが、叫ぶ。
毛糸のパンツを――
どうしろと?
まさか――
「あのな……生きるか死ぬかの瀬戸際なんだ。その毛糸のパンツ、これをばらして糸をロープ代わりに……」
ヴィーベが、説明する。
「死ね! 今すぐ死ね! そして、そんなので生き残りたくない!」
リニが――
激怒する。
足で――
げしげしけっ飛ばしている。
そして――
「きゃっ!」
リニが――
バランスを崩す。
ヴィーベが――
鼻血を出しながら、リニの足をつかみ……
「これしかないんだ、あきらめろ!」
ヴィーベが、叫ぶ。
「いやああ!!!!」
リニの悲鳴が――
響く。
嫌がるリニを――
無理やり押さえつけ……
スカートの中の……
毛糸のパンツを、無理やり脱がしていく。
「毛糸の中に、別の下着穿いているんだろ!」
ヴィーベが、言う。
「穿いてるわよ! うう……酷いわヴィーベ……」
リニが――
涙目で言う。
ヴィーベは――
毛糸のパンツを手にした。
そして――
「なんかにおいが?」
ヴィーベが――
嗅ごうとする。
「嗅ぐんじゃないわよ!」
リニが――
体を起こす。
そして――
見事な回し蹴りを、ヴィーベに――
「ごふっ!……デルク、受け取れ……そして……いい蹴りダ……ガクッ」
蹴られた拍子に――
俺へ毛糸のパンツを放り投げる、ヴィーベ。
受け取った――
パンツは、ほんのりとしたぬくもりと……
なんだか――
いい香りがする。
「あんたも嗅ぐんじゃないわよ!」
リニが、叫ぶ。
「だけど、いい香りがしますよ?」
俺は、正直に言う。
「それはね、ちょっとした香りをつけてるからね、ふふん!」
リニが――
少し得意げに言う。
あ――
今は、それどころじゃ……
「これ解きますね。糸にして強化をします。そしてロープに結び付けます」
俺は、言う。
「酷いわ! レディのパンツをこんな事に使うなんて」
リニが――
嘆く。
だが――
これしか、ない。
俺は――
毛糸のパンツを解き始めた。
生き延びるために――




