第270話 次の生贄・ヴィーベとリニの場合
トゥーニスさんがユスティネさんと共に90層の休憩所に籠ってから数時間、やっと落ち着いたようです。
実はその間俺達は92層でレベリングをしていたんです。
何故って?
よくわからないけれど精霊さん達が、
【代わりに見ておいたげるからあんた達は魚まみれになってきなさいよね!】
っとまあフォスさんが中心にだけれど、そう言われて追い出されました。
最近フォスさんの立場が凄いんですけれど。
そしてそれに対となる闇の精霊モーカーさんが現れ、
【フォス、涎。】
【モーカーありがと!あんたも……見る?】
【……見る。】
何を見るのか分かりませんが、光と闇の精霊さんは仲がいいです。
そしてさっさと休憩所へ入っていきました。何故か入り口を大きく開け、
【おお!これが……】
とか言いながら入っていきました。
その時確かに聞こえました。
「ユスティネ、もう出ない……」
「何を仰いますトゥーニスさま。私まだ満足できませんわ!」
「これ以上は干からび……」
ドアが閉まり聞こえなくなりました。
一体トゥーニスさんはどうしてしまったのでしょうか?
で、92層でレベリングです。
まあもう余裕があるのでセシルとロースはおしゃべりしながら囲いの中でレベリングを行っています。
レイナウトはというと、
「俺には刺激が強すぎたよ。デルクもそう思わないかい?」
刺激って何の事かな?
俺は黙っていたんだけどレイナウトは1人納得したようで、
「俺もいずれはロースとあんな事をするのだろうか?」
あんな事って?
「今はレベリングに集中だな。」
俺は3人の様子を見ています。
遊び人になって、それもサードジョブまで取得してそれなりに時間が経過しました。
最初は色々変化があったけれど、今ではすっかり落ち着いて元の状態に感じます。
あの時のセシルにはドキッとしたけれど、そして俺には刺激が強すぎたのか、鼻から出血してしまうという醜態をさらしたんだけど、ああそうか、レイナウトが言う刺激ってこれかな?
数時間が経過し、お腹が空いてきたと思う頃、モーカーが現れました。
【2人が終わった。もういい。】
そう言って消えました。
終わったってどういう事かな?
もういいというのは落ち着いたから大丈夫という事でしょうか?
陛下達と共に戻る事となりました。
そうそう、俺達と一緒に陛下達もレベリングを再開していたんです。
ただ陛下達にサードジョブ、というのはもうしばらく先かな?
トゥーニスさんとユスティネさんの状態を見てから考えよう。
……
そこには干からび真っ白になったトゥーニスさんと、つやっつやなユスティネさんがいました。
対照的な2人の姿。
何があったのでしょうか?
聞かない方がいい気がしますが。
「すっかり……落ち着きました。感謝します。」
ユスティネさんはそう言ってトゥーニスさんを抱え上げ、立たせます。
ええ?ユスティネさんって、トゥーニスさんより一回り小柄なんだけど、なんであんなに軽々とトゥーニスさんを抱え上げられるの?
「デルクよ……父上にはまだどうかと思う。次はヴィーベとリニで試せ。お前達と似た年代だ。」
それだけ言って食事へと向かったようです。
で、気を利かせてくれたのか精霊さん達がヴィーベさんとリニさんを迎えに行ってくれていたようです。
あれ?2人って90層へ来た事ないよね?
どうやって連れてきたのだろう?
「酷い目に遭った……」
ヴィーベさんはボロボロでした。




