第264話 選定の危険性
「さてデルク、再三にわたりごめんなさいね。では何が問題なのか教えてくれますね?」
「はい王妃様。その、普通選定は10歳前後で行いますが、この理由をご存知でしょうか?」
「え?選定の年齢ですか?スキルが顕在化するのがこの辺りの年齢と認識していますが違うのかしら?」
「やはり普通はそうですよね?俺もそう聞いていました。しかし事実は違います。」
「え!?何が違うのかしら?」
「実は3人にサードジョブまで選定をした後なのですが……少々と言いますか、可也精神に変調といいますか、暴走してしまいまして。3人共似た感じだったので恐らくはこうなるかと。」
俺はあれ?今のは言葉足らずだよねと思ったのですが、やはりそうだったようで、
「デルクよ!暴走?変調?いったいどうなるというのじゃ!」
いつの間にか復活していた陛下が聞いてきます。
「つまり、状態異常になってしまうのです。」
「ほう、状態異常とな。具体的にはどうなのじゃ?」
あ、これ言うべき?
そこで俺は誰かに助けを求めようと3人を見ましたが、セシルは俺の言っている事を食い入るように聞いています。しかも俺の手を握ったまま。駄目だな俺は。セシルに何を言わそうとしていたのでしょうか。
であればやはりここはレイナウト?
「デルク、君の求めている事は分かるつもりだ。だが残念ながらあの時の事はよく覚えていないんだ。」
えっ?覚えていないってロースと抱き合っていた事も?
「そうじゃない。ロースを抱きしめていたのはちゃんと覚えている。だがあの時デルクとセシルがいた場所で、そのような振る舞いをすべきではなかったんだ。俺は平常心だったら絶対にしない。まあ2人っきりだったら大手を振って抱きしめていたんだけどね。だから何故あんな行動をとってしまったのか、覚えていないんだ。」
これは想像以上に厄介かも。
「皆さん、つまりそういう事です。ただ事例が少なすぎて全員がそうなるか分かりませんし、違う行動を取るかもしれません。そしてこれはまだ全く分からないのですが、年齢が高くなればなるほど危険性が増すのかどうかも試す事ができていないのでまだ未知数です。」
すると陛下ではなくトゥーニスさんとユスティネさんが目の前に。
「デルクよ、お前は俺の弟子だ。だからまず俺にやれ。そしてユスティネはそこのセシル嬢の……」
「修道院では同じ部屋でしたし、姉と妹なような存在でしたわ。妹が困っているのですから、姉が助けるのは当然です。デルクさん、私とトゥーニス様に試して下さい。」
年齢的には陛下達は危険すぎるので丁度良いのかな?
今この場にはいないけれど、ヴィーベさんとリニさんでは年齢が俺達と近いからそう変わらないかもしれないので、先にヴィーベさんとリニさんにやってもらった方がいいのかな?
でもここは2人の気持ちに応えるべきだろう。




